Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

広告費の海外流出?

2008-03-02 23:41:10 | Weblog

昨日は(元・現)同僚たちと,ちゃんこ鍋@神楽坂。夫婦4組+独身者1人+わたくし ・・・最後の一人を除くと,平均年齢は30代前半あたりか・・・。若いながらも,一流ジャーナルに論文を掲載してきた強者ばかりだ。「もう1本」ワインを頼まなかったせいで電車のあるうちに帰宅でき,翌朝もまずまずの寝起きであった。

今日は大学に向かう電車のなかで,週刊エコノミスト3/4号「テレビの憂鬱」特集を読む。岸博幸氏は世界的なメディアのシフトのなかで,日本,とりわけテレビ業界が取り残されることに警鐘を鳴らす。スウェーデンでは今年中にネット広告市場が,TV広告市場を上回る見通しだという。欧州ではTV広告市場が小さいとはいえ,ちょっとした驚きである。

中村伊知哉氏もまた,日本のテレビ局が規制にしがみついて,世界的な競争に背を向けていることを嘆く。そんなことをしていると,広告費が海外流出してしまいかねない・・・Wii をネットにつないで YouTube を見る子供が増えており,そのうち日本企業は,米国のサーバに広告を出すようになるかもしれない・・・という。ふうむ。

日本の広告(ビジネスは)どうなるのか・・・。最近届いた AD STUDIES Vo. 23 は,「広告研究の新地平を探る」というテーマで昨年末に開かれた広告学会を特集している。エンゲージメント,経験価値,マス広告の社会的機能,ブランデッド・コンテンツ・・・日本の広告研究者たちの関心を集めているのは,こうした概念のようだ。

本日入手した本

リチャード・フロリダ『クリエイティブ資本論』ダイヤモンド社 ・・・The Rise of the Creative Class の翻訳,ついに出る。思い出深い本であり,早速購入。

クリエイティブ資本論―新たな経済階級の台頭
リチャード・フロリダ
ダイヤモンド社

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別冊日経サイエンス「社会性と知能の進化 チンパンジーからハダカデバネズミ」 ・・・この号か,このなかのいくつかの論文を含む別冊を,すでに買っているような気がするが,探すのが面倒なので購入。ダイヤモンド社がハーバードビジネスレビューの論文を,何度もバンドリングし直して出版するのと同じ戦略だろう。

有馬哲夫,原発・正力・CIA,新潮新書 ・・・「世間で」話題になっており,かつ本屋で平積みの高さが低くなっているのを見て,つい。

松井計,家に帰らない男たち,扶桑社新書 ・・・買った覚えがないのに,袋を開けたら出てきた。こんな経験は始めてだ(・・・いよいよ「来た」か?)。読んでみると意外に面白かったりして・・・。