Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

付いていけない話

2007-11-02 23:36:55 | Weblog
その1。福田首相が民主党の小沢党首との会談で呼びかけた「大連立」。民主党は役員会を開き,これを拒否したが,いずれ小沢氏は党を割って大連立に参加するという噂があるとフジテレビ。野党間で疑心暗鬼が広がっており,福田氏はなかなかの曲玉を投げたようだ。だが「大連立」なんて国民に支持されるのだろうか・・・「見え方」次第でそうなるのだろうか。

その2。C型肝炎訴訟での和解をめぐり,官僚と製薬会社が「抵抗勢力」だと非難している舛添厚労相。目に見える敵を作って,自らを英雄化する古典的ポピュリズム。小泉氏はこれで成功したが「福田首相の命に反する者は首を洗って待っておけ」とまでいうと,臭い田舎芝居に見える。だが,それに拍手を送る観衆もいるのだろうか・・・いるんだろうな,きっと。

その3。謝罪会見のあと「不器用だが,親思いの好青年」にイメージを変えた,ボクシングの亀田興毅選手。正義の見方であったはずのレポータが叩かれている。これだけ見ると,イメージ操作なんてちょろいもんだと感じられる。てことは,今後何があってもおかしくない,ってことか。

その4。日本シリーズで,完全試合を達成する直前の投手を交代させた中日の落合監督。勝利に徹した合理的な采配だと絶賛する声と,そんなことをするからプロ野球が面白くなくなると嘆く声。だが,議論されているうちは,まだ関心が持たれているということで,まだましだ。ぼくにとっては,どうでもいい話なんだが・・・。

最近届いた本:

田村正紀,リサーチ・デザイン,白桃書房 ・・・経営研究の方法論を,特に基礎的なデータ分析に焦点を当ててコンパクトにまとめている。教科書に使えそう。

R. J. Herrnstein & C. Murray, The Bell Curve: Intelligence and Class Structure in American Life ・・・IQと社会階級,人種との関係などを分析して,一時期大変話題(騒ぎ)になった本。「正規分布」ならまだいいんだが・・・。

R. J. Herrnstein, The Matching Law, Russell Sage Foundation ・・・同じ著者が,選択における限定合理的なバイアスを研究した論文集。裏表紙で Kahneman が推薦文を書いている。このような研究者がいたことを知らなかった不明を恥じる。