Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

ピック病と好みの変化

2007-02-26 09:14:02 | Weblog
若年認知症の「ピック病」を取りあげた記事。それによると,その症状の一つが「万引きなどの軽犯罪を犯すが反省や説明はできず,繰り返すことが多い」ことである。深刻な問題なので,厚生労働省が調査に乗り出す。しかし,ぼくが気になったのが,ピック病の特徴として他に,特に甘いものが好きになる,同じものしか食べなくなる,といった変化が挙げられていることだ。

この病気の原因は,脳の前頭葉と側頭葉の血流低下と萎縮により,感情の抑制ができなることらしい。とすると,多くの人間は本来は甘いものを無際限に食べたくて,それを抑制しているということか。あるいは,辛党の場合,辛いものを無際限に食べるのか(大量の飲酒・喫煙をするという症状もあるようだから,その可能性がないわけではないだろう)。

抑制がなくなり,「本来の」好みが現れる,というのなら理解しやすい。あるいは,脳の状態が嗜好に影響を与えるメカニズムに他の可能性もあるのだろうか・・・「選好形成」に関心がある立場から気になったニュースであった。