地域からは下之坊と呼ばれる山寺の古刹に残された不動明王石仏。
先日紹介の七廻り峠への道筋、正式名称を「普光院永照寺下之坊」と称し、その門前に「婆羅門杉」と言う見事な二株の巨杉が聳えて居る。
鄙びた山寺風情と点を突き刺す巨杉とのコントラストが圧巻で僕も何度となく訪れて居る。
正面、石段下の石垣に板石で組み込んだ石龕を設け、中に50~60cmの不動明王石仏を安置している。
石龕の造作が七廻り峠のそれに酷似していて一人頷いてしまう。
不動明王石仏は腰から下部が地中に埋もれ詳しくは判りませんが、舟形光背に火焔を刻み込み、右手に利剣、左手に羂索を持つ。
憤怒相で有るはずの尊顔は楓花の為かすっかり穏やかな顔つきに見えてしまう。
ここはやっぱり密教寺院、七廻り峠の不動さんも何となく勝手に納得してしまう。
撮影2012.5.12