愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

近江八幡市の茅葺き民家

2014年06月11日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)滋賀県

 湖岸に近い近江八幡市、旧中山道?と国道8号線に挟まれ、茅葺き棟門と大きな茅葺母屋の民家。

茅葺き門屋のすれすれを国道8号線の幹線道路が通っている。

こちらも棧瓦の箱棟を載せているが、両妻が寄せ棟では無く入母屋に成っている。

庄屋クラスの屋敷なのだろう??庭先の緑の奥におおきな茅葺き屋根が聳えている。

大屋根は最近吹き替えられたのか凛々しく、玄関の和紙貼り引き戸も雰囲気を醸し出している。

撮影2013.11.5


東近江市の茅葺き民家

2014年06月10日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)滋賀県

 

東近江市の最西端部、竜王町に近い旧蒲生町で見つけた茅葺き民家。

先日紹介の旧甲南町より北方に約20km、ここはおそらくもう湖東地域・・・・それでもこの茅葺き屋根はどう見ても伊賀型のそれ。

 

母屋上に載る箱棟がぎこちなく歪んで痛々しい。

 庭先の赤い柿の実の奥で大きい茅葺き屋根・・・・・この屋根も葺き替え時を逃してしまったのだろう??

 今度この場所を再び訪れても、この茅葺き屋根に出会える確証は全く無い。

茅葺き屋根の民家はものすごいスピードでその姿を消していく。

撮影2013.11.5


甲賀市の茅葺き民家

2014年06月09日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)滋賀県

 

 滋賀県湖南、旧甲南町で見つけた茅葺き民家。

 先日の三重県伊賀市、旧阿山町から低い峠で一山越えると甲賀忍者のふるさと、旧甲南町。

甲南町の中心に近い、JR草津線の車窓からでも見える位置に伊賀型茅葺き屋根の民家が残っていた。

 この地は近江と言うより地理的にも伊賀に近く、民俗文化もそちらとの接点が強い。

寄せ棟茅葺き母屋に棧瓦の箱棟は伊賀型そのもの。

 農家そのもの佇まいは、半農だった僕の生まれた家の匂いと同じものを感じて懐かしい。

しかしこの家の茅葺き屋根裏にはアライグマが巣くって居て、茅を引き抜くのでどうしょうも無いと嘆いておられた。

一昔前までは、アライグマが茅葺き屋根に巣食うなんて誰も考えもしなかっただろうに・・・ 

撮影2013.11.5


大津市 佐久奈度神社茅葺き御旅所 

2014年05月21日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)滋賀県

いかにも鄙びた山里の古式豊かな茅葺き屋根の佐久奈度(さくなどじんじゃ)神社御旅所です。

佐久奈度神社は先日紹介の禅定寺より道成に約10分強、琵琶湖より流れ出た瀬田川左岸に建つ式内名神大社で創建は天智天皇8年(669)という古社ですが、現在の本殿は江戸時代の再建され、昭和時代にに現地へと移築された。

本社地より南に約500m、県道783号線を引き返すと左手斜面、若王寺奥手に小さい茅葺き屋根が見え隠れする。

若王寺脇の参道を登って行くと正面に御社とも御堂とも見定め難い瀟洒な茅葺き屋根があり、正面には一対の提灯立てと腰板格子表戸があり、

中央に棧瓦の庇を突き出した切り妻の茅葺き屋根を乗せている。

この御旅所の建築も江戸時代のものらしいが部分的に旧社殿の古材が利用され、向拝の蟇股で牡丹唐草と揚羽蝶の図柄は古式を残しており、鎌倉時代中期の作かと推定され、大津市の文化財に指定されています。

ついこの間、この前を通りかけたら茅葺き屋根は新しく葺き替えられ、凛々しく成っていた。

撮影2013.6.22


滋賀県東近江市 寺町の茅葺き民家

2014年03月12日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)滋賀県

国道307号線での帰り道、愛知川左岸集落で見かけた茅葺き民家。

麦の刈り入れが終わり、田植えが始まるまでの湖東穀倉地域麦秋に囲まれた小さな在所。

細長い棧瓦の下屋の中央に入母屋風茅葺き母屋を載せ、瓦葺箱棟仕舞としている。

両袖、棟続きに離れ屋と土蔵を設け、庭先の植え込みも手入れが良く行き届き・・・・・

葦葺屋根も葺きき替えが終わって間もないのか?端正に整えられている。

若者用の車が停められ、お年寄りとの同居が成り立っている。

撮影2013.6.23


滋賀県東近江市 妹(いもと)町の茅葺き屋根

2014年03月11日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)滋賀県

先日の東近江市、妹(いもと)町、国道307号沿い、光明寺すぐ傍にも茅葺き民家がもう一軒健在。

集落の大部分が一段高い台地上に有る妹(いもと)町、大地を見上げる様10軒ばかしの在所の中、幹線道路のトラックが走り抜ける直ぐ傍、妻側を道路向けに建っている。

道路と庭先の間仕切りにカイヅカイブキの植え込み、表を空き地にした一般農家農家の佇まい。

入母屋風茅葺き屋根に棧瓦の箱棟を載せ破風には近江独特の割竹前垂れ飾り。

妻側下屋の下には田舎者には懐かしい、収穫用の稲架(はさ)竿杭を収納しておく竹納屋が見える。

もう現在は全く利用してないように見え、この民家も昼間は留守勝ちの勤め人家庭なのだろう・・・・。

近代化の名のもと、懐かしい景観はどんどん失われて行く。

撮影2013.6.23:2013.9.7


滋賀県東近江市 妹(いもと)町の茅葺き屋根

2014年03月10日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)滋賀県

国道307号線、日野方面より彦根方面に車を走らせると、愛知川を越え、妹南交差からの坂を登り切ると目の前に茅葺き屋根が見える。

国道に面して建つ茅葺き民家は元々この地に在ったものだろうか??現在は「そば処白河」の看板が掛かる。

棧瓦葺きの下屋に、この地に多い特色そのままの箱棟を載せた茅葺き屋根を載せている。

さすが、営業中のそば処・・・・屋根も端正に整えられまだまだ健在・・・

茅葺き民家をそのまま使ったそば処ととしてなかなか良い味出してます。

振り返れば国道を挟んだ集落の家並みに隠れる様に、ちょっと傷みが目立つ茅葺民家・・・・

そろそろ葺き替えの限界を過ぎてるようにも見えるが・・・・・今度見る時にはどうなって居ることやら??

撮影2013.6.23


滋賀県東近江市 曽根町の茅葺き民家-2

2014年03月09日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)滋賀県

先日に引き続き、同じ集落、曽根の在所で見かけた茅葺き民家。

表通りに面して板塀で木立の多い屋敷を囲み、ベンガラ袖垣門で外部と遮断・・・、屋根の規模と共に上級農家の佇まいを見せる。

どちらかと言うと入母屋風、箱棟茅葺き民家。

割竹前垂れ飾りはないものの破風はかなり奥に入りフックラした葦が周りを厚く包んでる。

裏から見ると新しく見える葦葺き屋根の上部、箱棟との境に大きな穴の様なもの・・・。

どこかの山里でもこれと同じようなものを見つけ、家人に聴いたところアライグマが住み着いているとの事・・・・・。

多分想像だにしなかったことが現実となり、茅葺き屋根の激減に拍車をかけて居る。

撮影2013.60.23


滋賀県東近江市 曽根町の茅葺き民家

2014年03月08日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)滋賀県

永源寺方面からの帰りがけ、いつもの八風街道は避け、愛知川右岸を下る県道421号線、国道307との合流少し手前の集落で見つけた茅葺き民家。

最近葺き替えられたのでしょうか?屋根もしっかりしていて、屋根に吊り下げられたアワビの貝殻もまだまだ眩い光を放って居ました。

赤いベンガラ仕上げの門脇には二台の自家用車が停められ、若い世代の人達が住まう事が窺われる。

一般農家風佇まい、どちらかと言うと寄棟よりも入母屋風、棧瓦の箱棟を載せ、破風は湖東風割竹前垂で飾って居る。

この民家はここ暫く安全牌だと感じられた・・・・これが意外と貴重。

撮影2013.6.23


滋賀県東近江市 永源寺相谷(あいだに)町の茅葺き屋根(宝珠禅寺)

2014年03月06日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)滋賀県

八風街道、愛知川沿いを遡る国道421号線、対岸に古刹「永源寺」を見て道成に少し進むと、目の前に大きな茅葺き屋根が見える。

大きい入母屋の茅葺き屋根を持つのは宝珠禅寺本堂・・・・多分、永源寺相谷町の檀那寺だと思うが、茅葺き屋根は最近葺き替えられたのか??真新しく凛々しい。

棟には棧瓦の箱棟を載せ、破風には割竹の前垂れ備え、寺の本堂も湖東風。

下屋も手を加えられ、集落の人たちの帰依の篤さを感じ取る事が出来る。

境内真下に見える民家は、つい最近覆いを被せたのだろうか??下屋の棧瓦共々真新しい。

撮影2013.6.23


滋賀県東近江市政所 日登美山荘 (ひとみさんそう)の茅葺き屋根

2014年03月05日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)滋賀県

ずうっと紹介し続けた政所への入口、八風街道(国道421号線)右手、愛知川(えちがわ)右岸、滴る緑の中に佇む茅葺き屋根。

隠れ宿や季節料理で、知る人ぞ知る古民家の宿「山峡・日登美山荘」は永源寺ダムに沈む運命の九居瀬集落より、築300年の葦葺き民家を移築したもの。

1979年、約35年前「日登美山荘」として営業が開始されたらしい・・・・。

国道脇の山荘入口には、まだそれほど古くない茅葺き水車小屋が趣の有るデコレーションに成っている。

なんとも懐かしい響きの森の水車・・・・僕の脳裏にもハナタレ小僧の時に見慣れていた小さな水車小屋が、一つだけ鮮やかに焼き付いている。

 両妻、入母屋茅葺き屋根を檜皮庇の上に載せ、しっとり落ち着いた緑の中に佇んでいる。

永源寺ダム周辺では175戸の水没世帯を含め、213世帯が移転され、九居瀬の集落は地上から姿を消した。

撮影2013.6.23


滋賀県東近江市 箕川町の茅葺き民家

2014年03月04日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)滋賀県

ここ暫く紹介し続けた政所より御池川沿いに約2kmばかり遡った箕川集落で見かけた茅葺き民家。

大きく蛇行する御池川左岸、山襞と渓谷の狭間に、懐かしい姿の古民家を十数軒建ち並べている。

この道の先にもう集落はなく、隠れ里の隔離感が有り、僕の様な余所者は少し躊躇するのも仕方無い。

このような小さな隠れ里ではいつも留守番犬がけたたましく吠えたてるので閉口する

茅葺き民家は集落の辻、一日に何度来るやらのバス停と赤い郵便ポストを入口に置いた茅葺き民家。

仕舞忘れているのか?四月の末だと言うのに大きい雪掻き道具が玄関に・・・この鈴鹿山間部は豪雪地域なのだろう??

どちらかと言えば、寄棟というより入母屋に近い茅葺き・・・破風の縁はフックラ膨らんだ湖東型。

やっぱりトタンを被せた箱棟に大きい千木もトタン造り・・・それでも背後の緑に良く映えて居る。

撮影2013.6.23


滋賀県東近江市 政所の茅葺き民家

2014年03月03日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)滋賀県

政所で見かけた五軒目の茅葺民家。

政所、中心集落の東外れ・・・・

政所らしく若芽の茶園を前に小さな茅葺き屋根を載せた民家が残っていた。

トタンで葺いた下屋に寄棟茅葺き、トタン箱棟を載せ、庭先の物干しに干した洗濯物には、まだ若さを感じられる物が有り、ちょっと嬉しい。

撮影2013.4.23


滋賀県東近江市 政所の茅葺き民家

2014年03月02日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)滋賀県

前日と同じ集落、政所川西地区の最上段、覆懸け屋根に隠れるように、もう見棄てられたかの様な茅葺民家が有った。

一見して解る様に相当傷んで居るが、辛うじて原型を留めている。

この辺りでは標準タイプの寄棟、トタンをを被せた箱棟仕舞。

苔むす日裏、妻境には鳥が運んだのか?雑木の幼木やシダ類が育っている。

表に廻って見るとやっぱり手入れ行き届いてない庭と、そよ風にもギコギコ鳴るアルミサッシ玄関が有り、温もりを失っていた。

疲弊する山村の哀しい象徴にも見える。

撮影2013.6.23


滋賀県東近江市 政所の茅葺き民家

2014年03月01日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)滋賀県

政所、御池川右岸の斜面上に軒を連ねる、政所川西地区の茅葺き民家。 

政所の中心辺りより見ると、御池川越し、茶畑の奥斜面に十数軒の覆懸屋が色濃く建ち並ぶのが見える。

そんな集落外れ、ちょっと前、信州から引っ越して来たという夫婦が営む茅葺きギャラリー喫茶処が在る。

少し前までは二軒並んでの茅葺き屋根だったのをNETページで見たことが有る。

早速一緒に行った女房とお邪魔、色々他愛も無い話を夫婦同士しで長々時を過ごした・・・。

ちょうどこの時、湖北在原の茅葺き民家の大部分が焼けたよ・・・と聴かされる。

ご主人は渓谷釣三昧、街には住めないのでそれが縁でこの政所に引っ越して来たとか??

どこにでもよく似た人は居るもんだと・・・・しかしそれを地で行くのは大変だろうに。

元は山深い山村の小さな農家だったのだろう・・・・・、夫婦共々田舎の話で盛り上がり、去りがたい時間を過ごさせて戴いた。

次にここを訪れてもまた立ち寄りたい・・・・他愛も無い田舎話が何よりもご馳走でした。

撮影2013.6.23