滋賀県東部、三重県北西部とを分ける人里遠く離れた鈴鹿山中には多くの小さな集落が点々と在る。
国道421号線八風街道とも呼ばれ、つい最近県境の石榑トンネルが開通するまでは石榑峠を経由する悪路で所謂「酷道」と呼ばれ、永源寺より奥はほんの一握りの地元民と余程の物好きしか通らない国道だった。
そんな途中に有る永源寺ダム湖を超え、政所地区入り口より鈴鹿山中を縫うように走る県道34号線が山間集落を繋ぐように多賀町方面に延びている。
国道分れより程なく家並みの建ち並ぶ集落中心部辺りに入る。
此処まで来ると確かに山間集落、門戸を固く閉ざし温もりの感じられない家屋も多く家並は有るが閑散としている。
集落内には萱葺き屋根にトタンを被せた懐かしい匂いのする家が多い。
此処政所は幻の銘茶と呼ばれた「政所茶」の生産地として古くから知れ渡っているが、やっぱり人里離れた山村、少子高齢化の波には勝てず寂しい姿です。
この集落を少し歩いてみたが子供の姿や声に出遭うことは無かった。
えもいわれぬ風情と景観・・・・大昔僕も見慣れた懐かしい風景・・・・やっぱり山村雛壇状に民家が並ぶ。
一方、この街道筋には不遇の親王、又木地師の祖として慕われる惟喬親王にまつわる話も語り継がれ・・
集落の鎮守、八幡神社境内脇には背後の山にあったコセチ千軒址より移された親王墓とされる宝篋印塔が建っている。
このような惟喬親王の墓や神社は、この山中集落の何処ででも見られるんですが??
集落の名前「政所」は中世荘園の政所があったことに拠ると言う・・・・集落中心部光徳寺門前から・・
街道筋建ち並ぶ家並み、しかし車1台合うわけでもなく誰一人見かけるでもなく寂寞感が漂う。
この奥いくつもの集落が点在するのだが・・・
「撮影2010.12.11/2011.6.24