Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

独裁の協力者を許すな

2022-02-25 | 文化一般
プーティンのウクライナ侵攻に関して指揮者オクサーナ・リニヴらが厳しいコメントを出している。長くこの女流指揮者を集中取材している独海外放送局のドイツェヴェレはウクライナの芸術家数人にインタヴューを取って纏めている。そのドイツェヴェレこそは先日のショルツ首相のモスクワ訪問においても懸案とされたロシア国内放送停止になっている。

「漸くプーティンの正体があからさまになった。」、「独立した国を滅ぼそうとする。自らの文化を持ち、アルファベットを持ち、言語を歴史を持って、独自の芸術家を有するアイデンティティを抹殺しようとする。私たちが独立以来三十年間欧州の国として、マイダンによって大きな犠牲を払ったその発展が今危機に瀕している。」

このように語っている。そして水曜日のフェースブックには、当日の驚きが記されて、プーティンを人殺しとして非難しているようだ。朝五時に母親から電話で起こされて。「戦争が起こった」と知らされた。そして声を上げて欲しいと訴えかけている。

そして予定されていた当夜のヴィーンでのドヴォルザークの「レクイエム」の指揮にはウクライナの国旗色の腰ベルトを巻いて見事に演奏したと批評が載っている。同オーストリア放送局中継放送予定は後日になっている。

そもそもオーストリアでは、現在米国や日本などの関係者が避難しているリヴィヴはハプスブルクの領地レムブルクとして、リニヴもオーストリア音楽家として扱われている。モーツァルトの息子が活躍したその伝統でもある。

そしてヴィーンのフィルハーモニカーがニューヨークに到着した。金曜日のカーネギーホール演奏会にはプーティンの協力者ゲルギーエフが指揮台に立つ。既にShame On Gergiev運動は準備されているが、今回は一部運動家のカウンターだけで済むのかどうか?

その独裁の協力者がミュンヘン市にこれまた独公職から追放のティーレマンの後任として選出されたときに反対運動は上がっていた。しかし今回はより多くの聴衆からボイコットなどの動きが上がるのではないかとされている。ミュンヘンはSPDの市政であって、どうしてもそれを看過してしまった経緯がある。

たかが音楽文化における協力者でしかないとされるかもしれないが、今回のウクライナ東部と同じように2008年にはその南に位置するジョージアでの分裂運動をロシアが支持して全く今週と同じように単独でそれを承認した。その節は大統領選挙もあって、オバマも指を咥える結果になっていた。その占領地でこともあろうに、レニングラード解放を祝うとされたショスタコーヴィッチ七番交響曲の行進曲を指揮して征服の凱旋をしたのがこのゲルギーエフだった。自らがそこの出身でロシア人ではないという言い訳で全てを通していた。もしこの協力者がウクライナで指揮するようなことがあれば流石に二度とミュンヘンの地は踏めない筈である。

歌手のアナ・ネトレブコもプーティン信望者とされているが、やはり今更ながらけじめをつけるべきことはある。明日の金曜日のカーネギー公演が何もなければそれはもう合衆国の文化的敗北に違いない。

Shame On Gergiev

2008年の独立承認凱旋演奏会:
Ossetia Memorial August 2008 - Mariinsky Orchestra, Tskhinvali , Valery Gergiev

2016年のシリアでの対モスリム凱旋演奏会:
Russian Mariinsky Theatre Symphonic Orchestra Concert in Palmyra




参照:
Ukrainische Künstler fordern: Stoppt Putin endlich!, DW vom 23.02.2022
Facebook_Ukrainische-Dirigentin-Oksana-Lyniv-zeigt-Putin-als-KillerFacebookUkrainische Dirigentin Oksana Lyniv zeigt Putin als "Killer", KlaineZeitung vom 24.02.2022
寂しき春の想いなど 2016-04-06 | 雑感
視差を際立せる報道  2008-09-29 | マスメディア批評

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