Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

高額であり得ぬ下手さ加減

2016-03-25 | 文化一般
来年からバーデンバーデンの祝祭劇場の席割が変わる。そして明らかに配席システムのプログラミングに間違いがあったようだ。そこで良い席よりも悪い席で倍近い料金を払う人が出る。具体的に言うとザイテンバルコンの一列目よりも二列目が高価になっている。あり得ないことである。音響も視覚も二列目には利点が無いので、恐らく問題となる筈だ。最初は席を選択できなかったので最優先の席を予約することになったが、今度は席を指定可能になったからにはお好みの席を格安で買えるようになった。

ムーティー指揮のシカゴ交響楽団が22ユーロ、ブロムシュテット指揮のヴィナーフィルハモニカ―が22ユーロ、まるで楽友協会ホールの立見席並の価格だが一列目なら可成り近く、音響も遥かに明確である。いづれ問題になるだろうが、先ずは券を否、良席を抑えておいた。なぜこのようなことになったのかは分からないが、発売前から気が付いていたが連絡はしなかった、なぜならば修正されていると思っていたからである。ムーティー指揮の演奏会も彼の日本デビューの時以来だから40年ぶりぐらいか。指揮者ブロムシュテットは名前だけ知っていてもその音楽を聞いたことが無いが、ネットでベルリンでのブルックナーを聞くと楽天家のようでとても肯定的で明るい。ルツェルン在住のようだ ― 調べると一枚だけ先日購入していたニールセンの交響曲を振った安売りCDが見つかった。

2016年で二席分しか買えない額で五席ほど購入した ― もしこれでコンセルトヘボーのコンサートがあれば世界のトップフォーを100ユーロほどで網羅出来た。配席の変更はよりよい席占有率を目指したのだろうが、さて間違いは来年以降は補正しても結果はどうなるだろうか?格安席が出ることは若い聴衆を呼び込むことには効果的だろうが、ミュンヘンの劇場などを見ると立見席は公演中に卒倒するような爺婆ばかりである。フランクフルトのアルテオパーの35ユーロのキリル・ペトレンコ指揮座付管弦楽団とのチャイコフスキー五番は直ぐに売り切れた。バーデンバーデンデビューも予想以上に高額席から売り切れている。それでも同時に格安席もよく出ているのは通の聴衆のペトレンコへの期待が徐々に高まってきていることでもあるのだろう ― 小澤征爾の四月のプログラム後半だけの指揮がフィルハーモニーで40ユーロするので高過ぎると思ったが、バーデンバーデンでは29ユーロで少なくとも2017年はフィルハーモニーの後ろの席よりは明晰に聞ける席だ。

興味本位でザルツブルクの配券状況を調べた。会員のセット券を中心にしているがバーデンバーデンよりも残券が多い。オペラの最高券は500ユーロにも上っている。これならばミュンヘンの人はゼムパーオパーを訪ねてドレスデンに通う方が安上がりではなかろうか?あとはヴィーンの人が態々シュターツカペレを楽しみにザルツブルクを訪れることになるのだろうか。

今年の「オテロ」上演はたいへん不評で、バイエルン放送局はなにを歌っているのか分かっていない歌手陣だけでなく、芸術監督ティーレマンのアイデアの無い指揮どころか、シュターツカペレの練習したとは思えない下手な演奏は、この高額の価格ではありえないと痛烈に批判している。これを機に軋みが響き出して、契約満期を待つことなく、いつものようにシュターツカペレの指揮者のポストを投げ出す事になるのだろうか。勘が良過ぎるのかいつものFAZのおばさんはバーデンバーデンからベルリンに行って、ザルツブルクの批評は辞退して同僚に任せている。



参照:
Thielemann dirigiert Verdis "Otello" in Salzburg (BR-Klassik)
知的な解決とは如何に? 2016-03-23 | 音
声楽付き楽劇「トリスタン」 2016-03-22 | 音
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする