Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

眩暈しそうになるまで

2014-11-10 | ワイン
ボールダー課題である。今年中に終わらせたい課題がまだ解決しない。最後の乗り越しへの繋がりが完成しないのだ。再びそこだけを両手にぶら下がって、左足を庇の下に押し付けて、そこで体の軸を作って、右足を庇の上に乗せるのだ。乗せる時に足先をピシと伸ばして、平行棒の選手のようにすると右足先がしっかりと棚に引っかかる。その伸びた足を下に下げていくことで、腰が浮いて、最上部の棚に手が届くのだ。ぶら下がってから、問題なく三回ほど出来た。

それでも手前からそこへ繋げていくと右足が先にかかっているので、左足を上手に押し付けることが難しい。そこで右足を一度外して両手でぶら下がろうと思うのだが、これが結構厳しい。それでも、その前の段階で足を棚の間に挟む方法がとてもシャープに出来た。理由は分からないが、どうも足先まで神経が行っている感じが良いようだ。バレーリーナのような足使いである。

結局手前の場所を二三回もやると、今度は最後の足かけ動作が出来ないほど疲れてしまっていた。三回ほどしかできない運動は、筋力を百パーセント近く使っている証拠であろう。これを続けているので筋力がついてきている筈だが、まだ解決しない。しかし、疲れていなければ完全にできることが分かったので、次は最初から続けて試してみよう。上手くいけば一回目で出来るかもしれない。

それでも座ったスタートからでなくとも、前半から始めるとその最後の流れの前でかなり疲れている。心臓がバクバクするほどの筋力を使っているのだ。要するに技術的には殆ど完成したが、筋力がまだ足りないようだ。ヒーターが無いので、摂氏一度ほどになるととても寒かったので、12時間以上床の中にいたが、久しぶりに陽射しがあったので夕方登りに行ったのだ。

前日にPC「ゴールトベッヒェル」を開けた。2010年の古びたものを飲んだので、2013年のものも気になったのだ。開けてみてよかった。なんといってもスパイシーな香味が2010年の熟成香を完全に忘れさせてくれた。朽ちた木材の香りは、通常のリースリング香ではないが、天然酵母から湧き上がるそれは凄い。言い方を変えれば、このような香りを醸し出す培養酵母など売っているのだろうか?

ミュラーカトワールのなど15ユーロ前後のリーズリングを試してきて、ここでもうひとつ上のランクを試してみると、その質の差に愕然としてしまう。天然酵母であるとか木樽の割合とか以上に、そのリースリングの複雑さと繊細さは2013年に於いて一層明白な差として表れた。

ビュルクリンヴォルフのPCに於いてもその個性には大差があるのだが、最も単純な辛口と思われているこのゴールトベッヒャエルは、瓶詰め半年近く経って本領を表した。最初は、辛口のキュートな果実風味を楽しむだけのワインであったのだが、ここに来て強烈な個性を示しだしていて、この土壌からの最高傑作に仕上がっている。もちろん糖も抑えられているので瓶熟成を考えないが、隣の土壌のゲリュンペルの将来性を考えると眩暈しそうになる。

2013年産にどれほど期待してよいか分からないのだが、その減酸していない十年に一度も無い良質な酸と、ミネラル豊かでスパイシーな香味のリースリングは、ものによっては2001年を超える最高のワインとなるかもしれない。若干買い足しても良い気がしてきた。50ユーロもするグローセスゲヴェックスでなくてもPCで十年ほどの瓶熟成が期待できるからだ。



参照:
思いがけない請求書 2014-10-10 | ワイン
三つの醸造所を比較する 2014-11-04 | ワイン
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする