Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

攻撃的な身体にしたのよ

2012-04-29 | 生活
金曜日は南仏から返ってきてはじめて石切り場で登った。乾燥しておらずソールが左右で違う靴で登ったのでとても不安に感じたが、それはそれなりに得ることがあった。やはり難しいところを登りつけるようになっている自信だろうか。以前は指が攣るように感じた場所も余裕を持って対処できるのは有り難い。暫く運動不足気味とは言いながら、体重と筋肉のバランスが良くなって来ているのだろう。

最後に新しい靴で今まで遣りたくても手をつけられなかった箇所をトップロープで処した。核心部の二箇所を登り直す必要があったがなんとかなることが分った。大抵のところは受験の試験と同じで難しさが分れば回答も殆ど準備されているようなもので、何が出来れば綺麗に登れるようになるかも確認した。そこまで行けば遠くないうちに克服出来るに違いない。

ファイヴテンのアナサジのヴェルトは素晴らしい靴である。早く南プファルツの奇岩で試してみたい。兎に角立ち込めるのが嬉しくて、靴を履き替えたとたんに体に力が漲るような感じすら覚える。垂壁にはこれ以上ない靴で、金曜日に試した場所も左右に小さな突起に突っ張ることも容易で、体を少しづつ摺り上げるような動作にも向いている。困難度七級もしくは6bを超えるような垂壁ではもはや手掛かりを下に容易に加重できるような場所は殆ど無いので、如何にあらゆる方向への手掛かりを使って体を引き上げていくかは、様々な足がかりの加重方向を巧く使うかに掛かっているのである。

翌日は独日協会でのハイキングをして、日本にいる妹さんが伊豆などで岩登りをしていると言う人に、「三点支持」などの懐かしい言葉を聞いた。基本中の基本であるが、あれはやはり三点でしっかりと体が支えられると言う基本で、三点で支えられない限り次への移動も無い訳である。南仏で課題となって登れなかったのはまさにそうした場所で、四点でなんとか支えられてもそこから動けなかったのである。要するに三点支持でバランスがどうしても取れなかった。そうした状況は縦の手がかりなどを使って横方向への加重が絡んでいる場合が多いであろう。ダイナミックに蛙跳びをするか、両足でバランスを取る技術を強化するかだろう。解決策はまだ見つからない。金曜の課題も一箇所は完全に縦長の三本指先の浅い手掛かりの使いこなしが二つ目の核心であった。そこに至る下から上への手掛かりは手首の故障を感じさせないぐらいに上手に使えた。

さて、そのお姉さんは私を評して「お元気ですね?」と言うから、私は「それは還暦の退職者への評し方と違う?」と反応したら、「それなら、ガンガン行く感じ」と言われた ― バリバリでないのが味噌。それは最近の筋力増強に基づくホルモン増強か喧嘩腰の態度ゆえか日頃から身の回りで揉め事が絶えない状況を良く示している。どうしてこうも攻撃的な身体になってしまったのか?

温度が高く、残念ながら熱中症を出してしまった。特に危ない可能性が高いと思った人には注意を喚起していたのだが ― つまり若い世代の人は日本でも水の補給の重要さは身についていると思ったのだ ―、見落としてしまっていた。乾燥しているので、本人は摂氏三十度近い暑さに気づかなかったのだろう。後を引かないで呉れたら良いのだが、短い意識喪失はあり、嘔吐もあったようだが、痙攣などは観察されなく血の気も直ぐに戻り全身状態も悪くはなさそうなのでそれほど悪い症状ではなかった。



参照:
時差ぼけが続く春である 2012-03-29 | アウトドーア・環境
地中海を臨んでの幸福感 2012-04-10 | アウトドーア・環境
お運びから学んだ治療法 2012-04-21 | 生活
垂壁の5.10への米国製靴 2012-03-22 | 雑感
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