現を抜かすインフルエンザ

飛行機で長旅が出来るぐらいならなんていうことはない。既に二週間、腹の調子に始まって、せき、たんの症状が酷く、発熱によって寒気が引かない。38度は越えていないので買物には行けるが、一向に治らない。

町行く人の咳払いなどは、道路から聞こえるが、私ほど酷い人は少ないようだ。平熱はとりわけ高くはないのだが、熱に強い方なので、なにか仕事をしていて倒れてしまうのは40度に近いときである。

野菜を買ってきた。サラダ類も安くなってきていて、アスパラガスも欠けたものが出ていたので購入した。生で食せるほうれん草も嬉しい。

買物の帰りに、久しぶりに涼しいワインの地所を散策した。結局、四十分も歩いてしまった。しかし、予定していたマンハイム行きは到底無理である。先ず人塵に入るだけで咽てしまう。さらにおかしなインフルエンザを移されてもいけない。既に十分、インフルエンザで弱っているところに新種のそれをうつされて助かるまい。

昨晩、先日紹介したクリストフ・シュリンゲンジーフの書籍を注文した。一冊18,95ユーロは些か高過ぎるので、自動車クラブの割引を使った。先週の金曜日にARDの*トーク番組にやつれて顔色悪く登場していたという話をそれを観た人から聞いた。更に書籍と一緒に注文すると送料無料になるのでCDを探した。探せば必要なものが安く必ず見つかるのだ。二枚組み特売CD7,99ユーロのバッハのカンタータは直ぐに買物籠に放り込んだ。ヘレヴェッヘ指揮のコレギウム・ヴォカーレのフランドルのバッハであるが先日から聞いていた復活祭オラトリオも未だに飽きないので、カンタータも十二分に楽しめるだろう。それでも割引を使える総額には至らないために最低の金額で安く興味あるCDを探した。

様々なルネッサンス作曲家の中からようやく適当なCDが見つかった。ブリューメル作曲のミサ曲で、故デーヴィッド・マンロウも部分的に録音を残しているものであるが、ネット試飲するとジャヌカンアンサンブルの録音は、結構団子になる同曲の録音が多い中で、充実した和声だけでなくてなかなか線が良く出ているようである。こちらはCD一枚7,99と決して安売りではないが、価値は高そうである　―　実際、ブーレーズ指揮のマーラーの三番の特売CDを買うぐらいなら此方の方が良い。結局、合わせて28,93ユーロとなるが、実質的には9ユーロ以上通常より安く購入した事になる。


*早速VIDEOを観た。なるほど悪い感じの咳をしている。そう言えば肺癌で手術を出来なかった人も同じような咳をしていた。私の十五年ほど前から石綿か菌に侵された咳とは質が違う。ここでも話題としたアルゼンチンでの活動から自覚症状があったようだ。プライヴェートな事は別としても来年のヴィーンだけならず、婚約旅行を兼ねてシュタインマイヤー外相や大統領の後押しでアフリカで活動するとは立派なことである。大学の職などは今年になってから五年間のオファーを受けている。それだけに、肺が一つで更に残りも侵されていても声が十分出るのは驚きだ。「疲れたからお先に」と言うのはなかなか良い感じの表現で流石である。



参照：
集中して投薬を開始する　2009-04-28 | 生活
循環する裏返しの感興　2009-04-27 | 雑感
それは、なぜ難しい？　2006-02-22 | 音
大バッハを凌駕して踏襲　2006-02-22 | 音