パンダ イン・マイ・ライフ

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音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

月のぶどう

2018-12-23 | book
大阪近郊の天瀬ワイナリーを舞台に、もがきあがく青年群像、そして温かく見守る大人たち。「月のぶどう」は、1977年生まれの寺地はるなが著者。2017年1月に刊行された。

26歳の双子の姉弟の光実と歩。祖父、父母、一家が育ててきたワイナリー。ベテラン醸造長の日野さんもいる。その大黒柱の母親の死から物語は始まる。

母親の背中を追い、早く独り立ちしてワイナリーを盛り立てようとあがく光実。歩は大学を出たものの定職に就かず、母の妹、和葉の喫茶を手伝っている。
母の死により、祖父が表舞台に立つ。父は経理を前面に。そして、歩がワイナリーに帰ってくる。

歩と光実の同級生たち。歩の友達の広田、幼馴染のリッコ、歩は叔母の喫茶店で、ガラス工芸を学ぶあずみと知り合う。

実力と現実のジレンマに悩む歩。歩と光実の交互の語りの中、草刈、葉むしり、雨よけ、冬の剪定や皮はぎ、病気との闘いなど、四季ごとの葡萄畑の厳しい手入れの描写も物語の主役か。まさに自然との闘いも盛り込んだ。
光実と広田、歩とあずみの恋の行方、祖父の病気も織り交ぜ、葡萄酒を生み出す工程と、悩みながらも成長していく若者たちを丁寧に描く。

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