「亭主の家出」は、吉村昭異色のサラリーマン小説である。昭和52年(1977)の作品。絶版で、図書館で借りて読んだ。
ホテルの結婚式・披露宴の予約課の課長、鯉沼彦九は42歳。結婚15年、妻の公子、中2の息子と中1の娘がいる。朝早く満員電車に乗り、そばをすすり、仕事場へ。帰りも空腹を満たすために、途中飲み屋で酒を傾ける毎日の中で、彦九は家出を決意する。
披露宴模様で結婚事情、妻とは、家庭観など、サラリーマン生活の中で味わう、ほろ苦い12の短編で構成する。
出勤のこと、勤務のこと、酒のこと、休日のこと、食べるということ、華燭の典のこと、夫婦喧嘩のこと、妻と子のこと、巫女のこと、館のこと、理想郷のこと、電話のこと、角刈りのこと、殿様のこと。
さすがに短編は、凝縮され、それぞれに深い味わいがある。30年も前の作品だが、違和感がないのが不思議。
まるで、小鉢に入れられた料理が次々と出され、それぞれの個性が堪能できるがごとく。そして、全編をお酒が包み、芳醇な時間がもたらさせる。いい本と出会えた。
ホテルの結婚式・披露宴の予約課の課長、鯉沼彦九は42歳。結婚15年、妻の公子、中2の息子と中1の娘がいる。朝早く満員電車に乗り、そばをすすり、仕事場へ。帰りも空腹を満たすために、途中飲み屋で酒を傾ける毎日の中で、彦九は家出を決意する。
披露宴模様で結婚事情、妻とは、家庭観など、サラリーマン生活の中で味わう、ほろ苦い12の短編で構成する。
出勤のこと、勤務のこと、酒のこと、休日のこと、食べるということ、華燭の典のこと、夫婦喧嘩のこと、妻と子のこと、巫女のこと、館のこと、理想郷のこと、電話のこと、角刈りのこと、殿様のこと。
さすがに短編は、凝縮され、それぞれに深い味わいがある。30年も前の作品だが、違和感がないのが不思議。
まるで、小鉢に入れられた料理が次々と出され、それぞれの個性が堪能できるがごとく。そして、全編をお酒が包み、芳醇な時間がもたらさせる。いい本と出会えた。