ずっと昔、はるか昔になるが、あるところで、私は、見知らぬ人から、尋ねられたことがある。
「地方鉄道の駅に行きたいのですが、どうすればいいでしょうか。」
多分そのようなことであって、つまり相手の人は道に迷ってしまった。それで、とぼとぼ歩いているが、まず人がいないので、ただただ歩いていたようである。
これが、その辺りに住んでいる人なら、そうゆうことはまず起きないが、例えば、当時なら痴呆と言われた人がいて、どうも帰り道がわからなくなったということもあり得る。しかし、そのときは、その可能性はまずなかった。ほどほどの身なりをして、もう少しいうと、多分寒くはなかった、スーツと重そうな鞄を持っていたと思う。どう見ても、よそから来たサラリーマンの方で、そのよそも、県単位で違うところから来たようである。
このこと自体今も信じられない。こんな田舎で、スーツを着て、人の通ることのない、しかし、公共交通機関のバスは、田舎としては、ほどほどに通っている。それは、今、私がいるところではない。昔いたところである。ここから、10kmくらい離れているかも知れない。
それで、その電車の走っている方向とは逆の方に歩いて来た方は、偶然私を見つけて、祈るような気持ちで、駅の方向を聞いた、そう解釈している、が、その方向は正反対で、駅から遠ざかる方に歩いていたわけである。反対ですよ、それに、歩きだと一番近い駅でも、かなり時間がかかるが、大丈夫ですか、とか聞いた気もするが、その人もまだ若かったからか、そうですか、と言って、反対の方向に歩いていったはずだが、無論、それからどうなったかは、わからない。
それと関係なく、そんなことはすっかり忘れていて、私は、今のいつも歩いているところをやはり歩いていた。ちょっとした口げんかをしたある人が、車で後ろから来たのがわかって、手で合図をした。その人は、その十字路を、一時停止のラインはその方向にはなく、スピードは緩めたが左右を見て、私のことは気が付かないかも知れないと思ったが、瞬間姿を見たらしく、車の警笛音を鳴らした。
あるところで、前方から、どこかを探しているような、ある人が歩いていた。そうゆう場合、めったに目を合わすこともない。黒いコートが印象に残った。雪もなく、雨でもないが、ちょっと珍しく思える。
そんなことも一瞬に忘れて、ほどほどの速度で歩き、きのう撮り損ねた、お寺のイチョウの木を撮った。イチョウの葉っぱはまだほどほどに残っていて、それが、青空に映えた。どうも自分のおつむの毛の量と似ているわいなどとも思って、それで他にゆくところもなく、戻ってきたわけであるが、どうもある角で、先ほどの黒いコートの人らしき方が、目と鼻の先にいて、その人は、まだ紙を見つつ何かどこかを、探しているようであった。私も一瞬ドキッとしたが、相手の人もそれがわかったらしく、瞬間であるがこっちを一瞥したような気がする。
これまた本当の話しであるが、その人が他の県から来たような、そうゆう感じはなかった。
歩いてすぐに、太陽光がこの葉っぱ居抜いていて、その透過光が目に入った。どうするか迷ったが両面を一応撮った。舗装された路面である。
これから、小さな菊が蕾を膨らませる。もっとたくさんの蕾がまわりにあるが、この程度のものが一番大きく、まだ開花の気配はない。これも、暖冬のせいなのか、寒菊なのか、その辺はわからない。
「地方鉄道の駅に行きたいのですが、どうすればいいでしょうか。」
多分そのようなことであって、つまり相手の人は道に迷ってしまった。それで、とぼとぼ歩いているが、まず人がいないので、ただただ歩いていたようである。
これが、その辺りに住んでいる人なら、そうゆうことはまず起きないが、例えば、当時なら痴呆と言われた人がいて、どうも帰り道がわからなくなったということもあり得る。しかし、そのときは、その可能性はまずなかった。ほどほどの身なりをして、もう少しいうと、多分寒くはなかった、スーツと重そうな鞄を持っていたと思う。どう見ても、よそから来たサラリーマンの方で、そのよそも、県単位で違うところから来たようである。
このこと自体今も信じられない。こんな田舎で、スーツを着て、人の通ることのない、しかし、公共交通機関のバスは、田舎としては、ほどほどに通っている。それは、今、私がいるところではない。昔いたところである。ここから、10kmくらい離れているかも知れない。
それで、その電車の走っている方向とは逆の方に歩いて来た方は、偶然私を見つけて、祈るような気持ちで、駅の方向を聞いた、そう解釈している、が、その方向は正反対で、駅から遠ざかる方に歩いていたわけである。反対ですよ、それに、歩きだと一番近い駅でも、かなり時間がかかるが、大丈夫ですか、とか聞いた気もするが、その人もまだ若かったからか、そうですか、と言って、反対の方向に歩いていったはずだが、無論、それからどうなったかは、わからない。
それと関係なく、そんなことはすっかり忘れていて、私は、今のいつも歩いているところをやはり歩いていた。ちょっとした口げんかをしたある人が、車で後ろから来たのがわかって、手で合図をした。その人は、その十字路を、一時停止のラインはその方向にはなく、スピードは緩めたが左右を見て、私のことは気が付かないかも知れないと思ったが、瞬間姿を見たらしく、車の警笛音を鳴らした。
あるところで、前方から、どこかを探しているような、ある人が歩いていた。そうゆう場合、めったに目を合わすこともない。黒いコートが印象に残った。雪もなく、雨でもないが、ちょっと珍しく思える。
そんなことも一瞬に忘れて、ほどほどの速度で歩き、きのう撮り損ねた、お寺のイチョウの木を撮った。イチョウの葉っぱはまだほどほどに残っていて、それが、青空に映えた。どうも自分のおつむの毛の量と似ているわいなどとも思って、それで他にゆくところもなく、戻ってきたわけであるが、どうもある角で、先ほどの黒いコートの人らしき方が、目と鼻の先にいて、その人は、まだ紙を見つつ何かどこかを、探しているようであった。私も一瞬ドキッとしたが、相手の人もそれがわかったらしく、瞬間であるがこっちを一瞥したような気がする。
これまた本当の話しであるが、その人が他の県から来たような、そうゆう感じはなかった。
歩いてすぐに、太陽光がこの葉っぱ居抜いていて、その透過光が目に入った。どうするか迷ったが両面を一応撮った。舗装された路面である。
これから、小さな菊が蕾を膨らませる。もっとたくさんの蕾がまわりにあるが、この程度のものが一番大きく、まだ開花の気配はない。これも、暖冬のせいなのか、寒菊なのか、その辺はわからない。