光年・千年

纏わりつくが、纏まらないおはなし、日記ふう。

月(衛星)が惑星になるとき

2006-08-21 19:25:26 | 星空・天体・宇宙
  国立天文台のアストロ・トピックス(230)に、”「惑星」の定義の原案、公開へ”が出た。国際天文学連合総会の話題である。出てからかなり時間がたつ。最終案は24日に出され、それから採択されて云々。私が、わかる範囲で気になった、こんなことがあったのか、そうゆう話。そんなのがあるか、半信半疑、私も。
  冥王星は、その名前だけは知っている。発見者は、アメリカの天文学者トンボー(Clyde William Tombaugh)。惑星ではない、という意見が多かったが、なぜか冥王星本体とさらにその衛星カロンまでを、惑星とする、ということに。
  何がそうさせるのか。衛星とは、惑星をまわる天体であるが、その共通重心が惑星に内部にあるものを指す。という事は、これまではカロンは冥王星の衛星であったが、その共通重心は、惑星の外部にあった、ということ。
  共通重心とは、これを理解するのに悩んだ。手持ちの『力学』のテキストを出す。ある、同じでも、異なってもいい、質量を持ち、互いに重力を感じあって、つまり引力が働いている時を考える。月と地球、その関係。お互いがお互いを回ってる。そのとき、この二つの星を結ぶ直線を考える。その直線は、ある一点で交わる。これが、”共通重心”に一番近い考え方ではないか。むろん、テキストには、重心の定義が示されている。
  話を先に進めないと。お互いが、同じような重さを持つ場合、交わる点、交点は、互いの中心にある。なんとなくわかる。すると、球体の大きさにもよるが、重心は、お互いから等しい距離に近くなる。すると、その距離は、球の半径の外にいってしまう。共通重心は惑星、つまり冥王星の外にある、そういえる。こうして、カロンは新惑星の候補になった。
  では、地球と月の場合はどうか、月の質量は、地球の80分の1くらいだ。すると、互いに回転運動をしている、その互いを結ぶ直線はずっと地球に近いところで交差する。もっと言うと、地球の内部にその交点はある。ありゃ、月は、これでは惑星になれない。共通重心が地球の内部にあるのである。
  この共通重心が、惑星の内部にあるか、ないかで、月は、太陽系の惑星になれなかった。
  何とも、歯切れの、悪い書き方しか出来ないこと、これが私なのだけど。ただ、まだ何も決まっていない。
  少し前、”月の探し方”とタイトルした文で、私は、月に対する地球の引力の方が、月と太陽のそれより大きいと書いたが、『テキスト』を見てると、それは間違いであることがわかった。太陽の引力の方が大きいのである。実際に、引力の定義式に数値を入れて計算し、比較すると、太陽と月の引力の方が大きい事がわかる。すいません、間違ってました。

  最後は、平凡な、秋の気配の写真。カエデということで。大汗をかきました。