光年・千年

纏わりつくが、纏まらないおはなし、日記ふう。

続々・救急車の乗り方

2006-03-30 19:19:08 | なんでも
  すでに、日付は、日曜日の午前1時ころ。医師からの診断を聞き終えた。つまるところ、あとは薬の処方が出たら、薬剤師さんのおられるところに走って、薬を頂いて、それから、家に帰らないといけない。来るのは、楽というか、流れで来たが、さて、12月真夜中、お帰りくださいといわれて、どうするか。
  病人は、普通のベッドに横たわって、気持ちよさそうに眠っている。検査だけやった。ほかは、必用なし。医師が、当直に戻り、看護師さんも何事もなかったように、自分のポジションに戻る。明るいが、何の音もしない。薬の紙をもらった。簡単に、看護師に場所を聞く。私は、この病院を知っている。しかし、深夜、消灯中、果たしてそこにたよりつけるか心配ではある。時間外の入り口のあたりだ。かすかに明るい。記憶をたどって、しばらく行くと、人がいる。いても、おかしくはない。だが、それは、人ではなく、人のブロンズだった。
  ようやく、玄関らしきところに出る。階段を上った。広い2階に出て、どうにかランプを見つけて、押した。薬剤師さんが出てこられて、私は薬を受け取った。後ろを見る。どこから来たか分からない。3階以上は病棟、入院病棟のはず。土、日は、完全休日、ナース・ステーションにも、2、3人の看護師さんがいるだけ。階段を見つけて、ブロンズに挨拶して、戻ってきた。タクシーを呼ばないと。看護師さんだけが頼り。手帳も、いつも持ってる自分の名前、住所、その他必用なことが書いてある紙だが、持ってきてるわけがない。教えてくれた番号をまわす。時間かかるという。看護師さんが、車椅子を用意してくれる。ただし、父は、薄いパジャマくらいしか着ていない。私は、厚着してきた。これを着せる。
  すぐに、車は来た。看護師さんが、タクシーの中まで押し込んでくれた。このとき、診察カードなどは、戻してもらってる。診療費については、次回、通院のとき、お支払いくださいとある紙をもらう。ようやく、私は、一安心する。ただ、深夜、タクシーの運転手さんにも的確に道を指示しないといけない。家の中に入るのも、一苦労。履物は、ない。ただ、病院で薄いスリッパは頂いた。運転手さんに手伝ってもらって、どうにか病人を玄関の板の間に横たえた。
  たくさんの人に、感謝しなくてはならない。さらに、付け加えるなら、この出来事から、何かを学び取って、それに対処する必用が一番あるのは、この私である。