2016年現在でもまだ進行中の事件が映画化。
今年のアカデミー作品賞「スポットライト」は聖職者のスキャンダル追及の物語で迫力があった。
「伝統」との闘いだったわけだが、こちらは「現在進行中」かつ「最高峰のコンテンツ」のスキャンダル。
その「最高峰のコンテンツ」とは、米の「国技」アメリカン・フットボール!
脳振とう = Concussion を繰り返し受けることに起因する慢性外傷性脳症(CTE)
引退した有名プレーヤーが悩まされ、人生・家族が破壊され自殺に至るケースが続出。
つい先日の日経新聞(7/10)で、この問題が記事になったばかり。
その記事は 社会面 に掲載でスポーツ面じゃないところが、事の深刻さを表している!
この CTE の名付け親がオマル医師で、演じるは元ラッパー、ウィル・スミス。
いつも流暢な英語の彼が、アフリカ出身の医師を演じ、訥々とした口調で語る。
その訥々とした語り口から、真実があぶり出されるのだ!
死体解剖することで「気づき」が起こり、この仮説を実証すべく、NFL との軋轢と戦い抜く。
アカデミー賞は撮り損なったが、十分ノミニーとして胸の張れる演技だった。
落ち込み「なぜ自分がこんな目に」状態に陥り、精神的危機を迎えるオマル。
その時、教会から頼まれ面倒を見ていたがその縁で結婚した妻は言う。
「世の中に偶然はない。あなたがアメリカに来てこの事実に向き合っているのは神の意志」
そしてこっそり故郷の父に電話して聞いた話を。
「あなたの名前の意味は、If you know, you must come forth and speak」
解釈するに「事実を知ったならば、しっかり自分を把握し姿を現し、しっかり語れ」
結論:今、公開すべき映画。早々の実現を求む!
映画が世の中を動かす(こともある)