日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
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先日、「アジアのハブ空港が韓国仁川空港となったのは国交省の失政か ハブ空港とハブ港を日本に取り戻せ」という記事を読んだことで(2009-11-09)、さらに羽田国際空港化の議論にさらに興味をもったので、この本を手に取ってみた。

著者は、轟木一博氏。
「国土交通省大臣官房人事課長補佐」で現職なので、非常に専門的な一方、あまり当初の目的(上記の記事タイトルのような)にはそぐわない内容であることが、読んでいるうちにわかった。
「鉄ちゃん」がいるように「航空機マニア」は間違いなくいるだろうが、そんな人になるきっかけになりそうな本ではある。

飛行機の車間距離とはどのくらいか。
そして羽田の場合、東京湾内に何機が限界か。
発着容量の決まり方、その法則とは。
ダイヤはどういう理由で張られて航空機が飛ぶか。
(航空ニーズだけで路線は決まらない)
..というようなことがぎっしり書かれている。

当初の目的に沿ったハイライトになるはずの「第4章 羽田は国際化できるのか」
ここも前までの延長上で、実際に滑走路が増えた場合にどのように運行するだろうかを分析していてなかなか面白い。
ただし残念ながら? 実務的な話に終始していて、こちらからすると不完全燃焼ではある。
ただ今度から出張する時には、この本片手に、今は北風南風か、だから何番滑走路へ侵入中とか、退屈なはずの離陸前に盛り上がれることは期待している(笑)

最後の章でもタイトルは立派だが、期待した方向の切り込みはない(前述の理由で、そりゃ仕方ないね)
ただし、そんな状態でも下記のような記述はある。
「2009年の成田空港B滑走路延長と2010年の羽田空港第4滑走路完成による発着枠の増加は、首都圏空港のさらなる国際化促進に取って事実上「最後のチャンス」と言っても過言でない」


そうここをもっと読みたいのですよ、そしてここまで引きずったワケも!

またまたでごめんですが。当ブログの前の今年1月の読後評から引用。
その本のタイトルは「メガ・リージョンの攻防 人材・企業の争奪戦にどう勝利するか」
日本でこの「世界の中における日本」「アジアをリードする日本」意識の枠を広げる本だった。

<日本人は島国のせいか、なかなかこういう視点で議論がなされることは少ない。
<アジアの中でもこの視点の意識は大国であるにもかかわらず、恐ろしく希薄という認識である。
<韓国あたりの凄まじい気迫と比べると、ホント情けない感じである。

<日本の経済力は衰えつつあるとはいえ、まだまだ強力な
<資産や可能性を持っている。
<ところが中国、韓国に比べた場合、日本人的な精神的な弱さが
<その負のスパイラルを自ら強めてしまっているような気がしてならない。

<今回の空港のケースにも十二分にあてはまると考える。
<ただ、こちらは需要を無視した「お役所仕事」という部分に責任の多くはありそうだが.......
<(国交省の前身、建設省⇔運輸省)

ということで、次に読む本は決定している。
そのタイトルは、「血税空港」
サブタイトルは「本日も遠く高く不便な空の便」(笑)

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