日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 



「アモーレス・ペレス」を監督した、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の最新作。
日本ロケそして、アカデミー賞候補になった菊地凛子が最大の話題でしょうか。
間もなく日本でもDVDリリースですが、先日の出張で安~くゲットでき、一足お先に鑑賞です(リージョン1)


どんどん悲惨な話になっていくのは「アモーレス・ペレス」のようで、予想通り。
一見、全くかかわりのなさそうな、3カ国の家族。
モロッコのヤギで生計をたてている2人息子の家族。
アメリカから旅行中の問題をかかえた夫婦、そしてその本国で残された子供たち。
日本では、特殊事情で孤独と傷ついた日常を過ごす女子高生。
これらがいったいどうやって、一つのライン上につながってくるか。

どのエピソードも見応えたっぷりだが、特に感心したのは日本のシークエンス。
ちゃんと「日本」そのままの空気感なのだ。
最近だけでも、「ロスト・イン・トランスレーション」さらに「ワイルドスピード3」などのハリウッド映画におけるアメリカ人バージョンの日本の姿とはおおいに違う描き方となる。
そして菊地凛子。
彼女がアカデミー賞候補になったもうなづける、体当たりの演技。
 
オマケでついている予告編でも、この映画のテーマは、例のバベルの塔の、天にも届く塔を作ろうとする人間の傲慢に腹を立てた神が、彼らが意思疎通できなくなるようにバラバラな言葉をしゃべらせてこらしめたとしています。
私にはそうとは感ずることができませんでした。
実際、映画の中で「言語の違い」で困るのは1組くらいだからです。
カーツワイルじゃありませんが、今後、IT技術のめざましい進歩の中で、「言語」の違いという問題は間違いなくこの10年くらいの間にほぼ解決されてしまうと私が考えていることもあるでしょうが。

どちらかというとクローズアップされるのは、まずは「メディアを通して緩やかなつながりが確保されつつ現代社会も、その実際はいかに微妙で危いものか」ということ。
そしてそれが「家族」単位にどんな影響力を及ぼしてしまうか、さらには「国の豊かさの違いは現実として、その延長に横たわるもの」が表出する内容になっていくわけです。
まずは一見の価値あり、と。


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