日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 



今年は、モーツァルト生誕250周年。
そこで、モーツァルトの数多い名曲のうちから、「実は名曲」を少しずつ紹介していこうかな、の第15回です。

ここんとこ、しつこく?!? ピアノ協奏曲の10番台をご紹介しています。
というのは、この10番台、見捨てておけない名曲群であるとともに、実はモーツァルトのキャリアの最も輝かしい時期の作品群なのです。
「成功」という最高の蜜を吸い、精神的にも満足していたモーツァルトからこのころの作品は生まれているのです。
素晴らしくデモーニッシュな20番からがらっと展開がかわってしまうわけですが。
そこから才能が彼を苦しめはじめる......わかるわかる!(わけない)


さて、
今回は、K.453  ピアノ協奏曲 第17番 ト長調です。

この17番、モーツァルト好き者を満足させる仕掛けがけっこうあります。
前述しているように、弦、管楽とピアノが絡み合い、有機的にハーモニーを紡んでいく領域が完成しつつあるところを実感できるのです。

ダイナミックに立ち上る第一楽章。
最初にバイオリンによってテーマが表示されると、これをベースにして、ト長調らしく明朗に展開。途中のファゴットの登場から、曲調が微妙に変わっていくところがまた聞き所といえましょう。
弦、管楽とピアノのかけあいが楽しくも絶妙。

そして、
9番以降、久しぶりに10分を越える長さとなっている、第二楽章。
この美しさは、筆舌もの。
弦、ピアノ、そして管楽器の見事なハーモニー.......
わたしの中のこの楽章のイメージは、日だまりの中、静かな湖の風景。モネの絵画のようです。

第三楽章には、おもしろいエピソードがあります。
モーツァルトの飼っていたペットは、当時ムクドリだったそうなのですが、このムクドリ、なんとこの第三楽章の主題を歌うことができたというのです!
窓を開けて、モーツァルトをかけると、野鳥が反応することはしばしばありますが、「あわせて鳴く」というのは全く未体験ゾーンですね。
さすがモーツァルトが飼うムクドリは違う....


最後に、この曲の特別なところをダメ押しで?!
モーツァルト本人の発言でも、この17番には特別の想いがあることが記録されています。
もともと、愛弟子のために作曲されたものなのですが、「この曲は2人だけのもの」と。


(次回に続く) 


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