ローマのとある教会。ローマの街なかは騒々しく、車も多く喧噪に満ちているのだけれど、こうした教会の中に入ると、ドア1枚で区切られているだけなのに静けさがあります。
珍しく内装が白い教会。その分、窓は小さくても明るい空間でした。
壁には、石に掘られた古い柱飾りの断片や、天使の彫刻が、白いプラスターで埋め込まれていました。
上の方に開けられた小窓から光が降りてきて、そうした断片の数々を静かに照らしています。
光が当たる面と、影になる部分と。そんな雰囲気のなかで、事物が静かに息づいています。
なにか、ずっとこうあり続けるんだろうなという安心感に包まれます。
新しく造られる家にも、こんな気分が表れるといいな。
そんなことを時折思います。