窓辺のキッチン

2022-04-01 18:49:03 | 古木のある家


桜が一気に満開になったかと思えば、もう桜吹雪に。早いものですね。
でも、そんな束の間の光景だからこそ、かけがえのないものとも思います。

上の写真は「古木のある家」。古くから残る庭木を残して建て替えた家です。
2階にあるキッチンには出窓があり、そこから柿の木が見えます。5年前のちょうど今ぐらいの時期に撮った写真で、まだ新芽が出る前です。
新緑を愉しむのにはあともう少し待たなくてはなりません。

濃い色の床のフローリングや、レトロな色調の壁のタイルなど、この家にはどこか懐かしい気配が漂います。
出窓から見える眺めも、ずっとあり続けた古木を慈しむような雰囲気があります。

このキッチン空間は、キッチンのデザインそのものが主役なのではなく、もしかしたら出窓から見える眺めが主役だったかもしれません。
もっと言えば、懐かしい記憶に寄り添うような空間こそが、この家のテーマでした。
出窓の下には料理本なども収納され、調理をしながらここで過ごす時間がゆっくりと流れるように。
そんなことを思い描きながらつくった空間です。

5月になれば窓いっぱいに新緑が広がることでしょう。少し光沢を入れて塗装した天井面には緑が映り込み、室内は緑の気配でいっぱいになります。
だんだんと暖かくなり、そんな季節を待つのも、また楽しみです。
コメント
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