窓辺のコーナーというような場所に、とても心惹かれます。
そんなことをいつも考えながら住宅を設計しているものだから、言葉の端々ににじむそんな想いを施主が汲み取ってくださって、これまで多くの窓辺のコーナーをつくってくることができました。
現代建築は構造体を繊細にし、なるべくガラス張りにして開放的にするのが本流になっていますから、なかなか気持ちのよい窓辺のコーナーには出会えないように感じています。
壁のなかのここぞというところに開口部があけられ、光と風景が入り込む。
そんな風情がないと、なかなか窓辺感が出ないのでしょうね。
旅行先で出会ったいろいろな窓辺コーナーがお手本です。それも前近代の、もっといえば古典のロマネスクとか。
そんな空間に身を置くのがとても好きです。
その経験が記憶となり、じわじわと時間をかけて設計のなかに立ち現れてくるように思います。
上の写真は最近できあがった「経堂の家」のダイニング。
木製で造られた窓辺コーナーに自然に寄り添いたくなる雰囲気にできあがりました。うんうん、優しい感じ。
そして、大きくせり出した庇に守られるような安心感があります。
庭づくりはまだこれからだけれども、やがて木漏れ日が感じられるようになるといいなあ。