大きな出窓の家

2013-12-18 18:15:58 | 進行中プロジェクト

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富士に建てている住宅が、もうすぐ完成を迎えます。行政の検査や、設計のチェックのために訪れました。

寒いけれどもとてもよく晴れた午後。現場に着くと、いつものように傍らを流れる疎水の水音がちょろちょろと聞こえます。なんともいえず落ち着いた気分になるこの音。そしてその向こう側に広がる緑地。

とても静かなこの雰囲気に寄り添うように、家の設計を考えてつくりました。窓の少ない、土色の壁の脇をまわりこんで、家にはいります。新しい家というよりも、古くて慎ましい礼拝堂にはいるような気分を、家の佇まいに求めていました。

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この家には、道から見てわかりやすい玄関というものがありません。庭に続く土間の出入口が、いわば玄関がわり。ですから、木で窓枠をつくりガラスをはめ込んで、土間の中からも外の緑が気持ちよく感じられるようにしたいと思いました。屋根と壁に囲まれた、少し陰りのある雰囲気が心地よく感じます。

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土間から家のなかにはいると、リビングには大きな出窓がひとつ。

外の緑や木漏れ日が居心地良く感じられるように、窓の位置や大きさに注意を払いました。腰かけるのに十分な奥行をもった出窓には、初冬の日差しを受けて、木漏れ日が印象的に映り込んでいました。

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出窓の外には庇がついて、その軒裏が見えるとどこか安心感があります。

な~んにも無いのだけれど、居心地がよい。そんな空間ができたように思います。ゆるゆると午後の時間が過ぎていきました。

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