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3月の色

2023-03-26 21:33:20 | 日々


東京は桜が一気に満開になるも、雨で見頃が短くなりそうですね。
でも、皇居脇を車で走っていても、雨に煙る桜の風景を眺めると、美しいなと思います。
桜の華やかさが抑えられ、むしろ渋いと感じるような。

これまで3月に旅行をすることが多かったのですが、京都の修学院離宮も3月が似合うなあと思います。
いろいろ撮った写真のなかでも、ちょっと気に入っている一枚がこれ。

池のほとりの橋の欄干と松の枝葉。
こういう色合いは今の季節ならではですね。

枯淡。
無名色。

水はライトブルー。
木はブラウン。
葉はグリーン。
子どもの頃から、着色はそういうイメージが常識と教えられてきたし、実際に季節によってはそうなのでしょう。
だからこそ、そのどの色にも当てはまらない今の3月の色が大好きです。
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慈愛の場所

2022-12-24 22:18:50 | 日々
今年で10歳になる息子はダウン症で、特有の合併症のため、誕生後すぐに手術を何度か受けることになりました。
だから、10年前の冬は、悲しいとか心配とかいう感情を抑えたくて、なんだか無感情にしながら日々を過ごしていましたが、とにかく昼も夜も病院に行き来したことを覚えています。

入院した成育医療研究センターは子どもの医療専門の病院で、敷地内には少し広めの中庭がありました。
中庭にはサンタさんやトナカイなどクリスマスにちなんだ人形が飾られていました。
近所の保育園児が引率されて中庭で遊ぶ光景も見られ、横目で見ながらその元気さがなんだかうらやましい気持ちにもなっていましたが、夜になるとそれらの人形たちはイルミネーションとなり、暗い中庭のなかで美しく輝いていました。
もう診療時間もとっくに過ぎた夜に。

病院にしばらく通っていると、いろいろな病気により長期にわたって入院を余儀なくされる子どもたちがたくさんいることがわかりました。
病院の中には学校もあって、学習が遅れないようにも配慮されながら、いつか退院できる日を待ち望みながら暮らしているのです。
中庭にそっと光り輝くクリスマスのオブジェは、その子どもたちに向けられたものだったんだ。
そんなことを理解しながら、美しいイルミネーションだなと思いました。

今日も、病院のなかで過ごす多くの子どもたちがいます。
医療の力で、みんな前に進んでほしい、と切に思うのです。
そしてぼくは医療には関われないけれど、医療や療育の場であったり、子どもたちが過ごしながら少しでも気持ちが明るく軽くなれるような場所をつくりたいと思うのです。
中庭のそっと光り輝くクリスマスのオブジェを思い返しながら、そんな気持ちになります。

メリークリスマス。


写真はアッシジのサン・ダミアーノ修道院より。
いつかこんな慈愛に満ちた場所をつくりたいと思います。

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感動!!フェンシング金メダル

2021-07-30 23:58:40 | 日々


東京オリンピック フェンシング エペ団体戦で、日本チームが金メダル!
フェンシングには3種目があって、エペという種目は「先に血を流した方が負け」という西欧中世の決闘が発端となった競技なので、全身どこでもいいから先に突けばよいという、単純明快なルールです。
構えたときに手首や足先が一番狙いやすいのですが、そこに駆け引きが生じます。

僕は高校時代にフェンシング部に所属し、フルーレとエペをやっていました。
腰を落として中腰で数分間 細かく動き続けるのがいかにキツいか、軽く見える剣が案外と重いことや、金属の剣をしならせて突くのにいかに筋力がいるのか、というようなことを思い起こしながらテレビで試合を観ていました。
卒業して30年近く経ちますが、フェンシングをやっていたという人はおろか、知り合いがフェンシングをやっていたという人にすら出会ったことがありません。
当時、大きな本屋さんで関連書を探すも皆無。大学生になってフランス旅行で本屋さんに行っても、あれ、無いな・・・ 世界的にもやはりマイナー競技なのだと思います。
ですから、太田雄貴さんの活躍でフェンシングが脚光を浴びたときには本当に嬉しかった(笑)

写真は高校時代に愛用していた道具です。
マスクも世界で数社しか製造していなくて、強い人はこのメーカーのものを使う、という棲み分けがありました。
僕は当然ながら(?)そうではないメーカーのものを。
体育館でマスクとあの白ユニフォームを着て練習しますから、強い人ほど色が白いのです(笑)
真夏の体育館の練習では、暑さで酸欠になりそうになりながら一生懸命練習した頃を思い出します。今は冷房完備のところが多いからいいですね。

それにしても、日本チームが、フランスにも勝ち、金メダルをとる時が来るとは。
そして、その金メダルの観戦プラチナチケットに当選していたのに!! すんごく楽しみだったのに!!

ああ無情・・・。

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冬の色

2021-01-17 22:06:43 | 日々


写真家の土門拳は、冬ざれの京都が好きだと言っていたそうです。
紅葉の季節は観光客でどんちゃん騒ぎになっているから、静かな冬こそじっくり味わうのに都合がよいのだとか。
華やかさはないけれど、その時にしか生まれない色。

写真は京都市北部にある宝ヶ池の冬のスナップ。
観光地ではないけれど、子ども時代に生活圏内でよく友達と遊びに行ったり、学校のマラソン大会でぐるぐる回ってしんどい思いをしたり。
その静かな雰囲気そのものをいいなと思うようになったのは、やはり大人になってからでしょうか。

川ではなく池だから、水が澄んでいるわけではないし、すぅっと吸い込まれていくような深い感じ。
鴨が音も無く水面をすすむ様は、上村松篁の絵のよう。
こういう色味は自然に自ずと出てくるものだから、狙って出せる色ではないし、ペンキで再現しようとするのも野暮というものです。

枯淡。
無名色。

でも有元利夫は現代の画家でありながら、それを体現していたなあ。
建築でも近づけないものだろうか。




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小休止。

2020-09-17 09:44:54 | 日々


施主からいただいたきれいなマスカット。
マスカットを受ける器は、陶芸家の施主がつくった作品。
器の置かれたテーブルは、長年のつきあいの家具職人によるもの。

目の前にあるものを見ながら、仕事を通して関わりのある方々の顔が思い浮かぶというのは、幸せなことだなあと思います。
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