goo blog サービス終了のお知らせ 

ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

近藤大介氏著『日中再逆転』 - 9 ( 日本を捨てた「経団連」 ? )

2020-03-07 19:06:10 | 徒然の記

 5回目のブログで、私は次のように述べました。

 ・「20世紀最大の偏見思想」は、「マルキシズム」です。日本語にしますと、「共産主義思想」「社会主義思想」、時には「グローバリズム」と言う言葉になります。

  共通する思考は次の5つです。

   1. 国家 ( 国境  ) の否定  2. 民族の否定  3. 宗教の否定

   4.   共産党の独裁    5.    単一共同体としての世界国家、地球国家建設

 日本でグローバリストの具体例を挙げれば、ユニクロの社長・柳井正氏がそうなります。しかし私がした新しい発見は、中国へ進出し「世界企業」となった企業の経営者たちが、柳井氏と同じ思考をしていたという驚きです。

 もっとハッキリ言いますと、「共産主義」と「社会主義」が「グローバリズム」と行き着く先が同じだったという発見です。馬渕睦夫氏や田中英道氏が、こういう意見を述べていたのに、半信半疑で聞いていました。しかしやっと理解しました。私が発見したというのはおこがましい言い方で、「私が理解した」というのが正しい気がします。

 「資本主義」も突き詰めていけば、行き着く先は「マルクス主義」と同じ社会になるという、奇妙な発見です。

 グローバル企業の経営者を見ていますと、彼らはみな同じことを言っています。

  ・自立した個人がいれば、個人を束縛する国も不要、歴史や文化も不要、楽しく生きるための金さえあれば、あとは何もいらないという唯物思想です。

 政府もないのですから、あるのは自由な競争で、強い個人だけが生き延びる「弱肉強食」の世界です。

 行き着く先が残酷な社会ですから、日本を大事にする馬淵氏や田中氏が、彼らを批判し嫌悪していた理由が分かりました。「グローバリスト」も宗教を否定していますが、「金銭崇拝」と「個人主義崇拝」は形を変えた「宗教」です。

 自分と違う考えを認めないだけでなく、同じ考えをしていても、生き残るのは強い者ですから、個人同士の戦いが続きます。これではサバンナの動物の世界と同じですから、和を大切にする日本人には馴染まない思想です。

 おそらく私の発見 ( 理解 ) は、反日左翼の学者や政治家、活動家と、金儲けに精を出す企業家から、「極論」「暴論」「空想」「寝言」「妄言」と、ある限りの罵倒語を投げられるでしょう。

 彼らが自由気ままにやっていられるのは、こうした議論が隠されたまま、というより、議論のないままに社会が動いているからです。

 私が述べているのは事実だけで、他人に押しつけていません。息子たちにも、強いる気がありません。複雑な世界を見るための、一つの物差しを提供しているだけです。

 そこで今回の締めくくりとして、私は一つの仮説を述べます。

  ・安倍総理が、中国人の全面入国禁止措置を取れなかったのは、中国で大儲けしている日本企業の圧力だった。

  ・すでに世界企業となった日本企業の組織、経団連からの妨害だった。

 1日も早くコロナ騒動が収束する日を祈念しながら、近藤氏の著作の紹介を終わります。

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

近藤大介氏著『日中再逆転』 - 8 ( マスコミが伝えない「日本企業の実像」 )

2020-03-07 15:34:07 | 徒然の記

  マスコミが伝えない「日本企業の実像」を、近藤氏の著書に添ってもう少し説明しようと決めました。

 息子たちだけでなく、「ねこ庭」を訪問される方々にも、事実を知って頂くことが、今後の日中関係を考える上で重要なはずです。食品、衣料、医薬品という軽装備の企業でなく、いわゆる重厚長大の基幹産業について述べなくては、規模が実感できません。実際北京に住み現地で経験した氏の意見の説得力は、日本にいる評論家よりあると思います。

  ・自動車の日産、トヨタ、ホンダは、言うまでもないだろう。中国では、最高級車はドイツ、高級車は日本とアメリカ、大衆車は中国と韓国というように、棲み分けができている。

  ・中国の自動車市場は、世界最大規模の市場だ。そんな中で、日本勢は15%強のシェアーをキープしている。トヨタは、ハイブリッド車の中国生産も決めている。

  ・鉄鋼は、もともと新日鐵が育てた、上海の宝山製鉄所が台頭著しかった。日本を凌ぐ勢いだったが、最近は余剰生産を抱え失速気味だ。代わって新日鉄住金やJFEの、環境に優しい世界最高レベルのエネルギー効率の技術が、注目されている。また神戸製鋼の熱利用発電や、余剰電気発電といった最新発電技術も、中国には存在しない。

  中国の宝山製鉄所については、別途の説明が必要です。

  1.   1977 ( 昭和52 ) 年、訪中した新日鉄の稲山会長に、李先念副主席が製鉄所の建設協力を要請

  2.   1978 ( 昭和53 ) 年、鄧小平副総理が、新日鉄住金君津製鉄所を視察 ( 当時の日本最新鋭製鉄所 )

  3.   昭和53 年より、稲山会長の決断で宝山製鉄所建設開始。7年後に完成。

 稲山氏は新日鐵会長であると同時に、経団連の会長でもありました。愛国心の強い経営者で、「鉄は国家なり」という信念を持ち、経済界の先頭にいた人物です。その氏が、やがて日本のライバルとなると懸念を持ちながら、なぜ中国の本格的製鉄所建設に協力したのか。

 それは、当時の日本人が持っていた、中国への贖罪意識でした。中国と韓国には迷惑をかけたという思いが、それをさせたと言われています。加えて氏を虜にしたのは、鄧小平の人物的魅力でした。鄧氏が日本を訪問した時の、熱烈歓迎ぶりは、今も覚えています。

 完成した製鉄所は「日中友好の記念碑」と呼ばれ、双方の国をあげての 慶事でした。おそらくあの頃が、日中関係の頂点だったのだろうと思います。

 日本で製作された巨大な製鉄所の設備が、分割して運ばれ、様々な付属施設が、大量に日本から輸出されました。若かった私は、その仕事の一部で汗を流したので、一層感慨深いものがあります。

  ・小松製作所も、中国で最も成功した企業の一つだ。中国の過去10年の建設ラッシュは、フォークリフトをはじめ小松の技術なしには、なし得なかったほどだ。日立建機も同様である。クボタのトラクタなど農業機械も、中国の農業近代化には欠かせない。

  ・パナソニックは、鄧小平直々の依頼により、北京第一号の日系工場をスタートさせた、井戸を掘った会社である。そのため、中国では知らない人はいない。

  パナソニックにつきましても、別途の説明が必要です。

  ・   1978 ( 昭和53 ) 年、訪日した鄧小平氏が、松下電器のテレビ工場を視察。

  ・ 鄧小平氏が松下幸之助氏に、中国近代化への協力を要請。

 稲山氏や幸之助氏だけでなく、当時の経営者たちは日本人の誇りを持ち、その上で中国を重要視する人々が沢山いました。石坂泰三、植村甲午郎、土光敏光、出光佐三氏などがいて、中国への贖罪意識を共有していました。

  「日本に拘らない。金儲けできる場所が、自分の国だ。」

 と、どこの国の人間か分からないようなことを言う経営者は、いませんでした。

 「金さえ儲けられるのなら、他のことはどうでも良い。利益が一番だ。」

 と言ったユニクロの手本は、欧米のコングロマリットでしたが、まだその上に手本がいます。

 マスコミにはほとんど顔を出しませんが、国際金融資本と言われ、世界経済を牛耳っている、ロスチャイルド、ロックフェラー、サッスーン、クーンロエブ、モルガン、ベクテル、ザハロフの7大財閥でした。国際金融資本について述べますと、どうしても話がユダヤ人になり、陰謀論に近づきますので深入りを止めます。

 次回は私が知った事実を、息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々に、紹介したいと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする