ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

1月3日の千葉日報 - 4 ( 「ねこ庭」からの新春プレゼント )

2018-01-10 21:01:32 | 徒然の記

 田原氏の「時代に向き合う」という主張を、記事に沿って読んでいくこととします。米国追従の話から、突然変えた人口問題へ高説です。

 ・100年後には、日本人の人口が五千万人を切るという推計もあるのに、真剣な議論にならない。

 ・安倍さん始め政治家たちは、20年30年後を見据えた政策を立てない。

 ・・・これで終わりです。安全保障より大事な問題だと言いながら、氏の意見はたったこれだけです。

 バカを言いなさるな、田原殿。安倍自民党は「一千万人移民受け入れ計画」という、とてつもない亡国の政策を立て、推進しつつあるではありませんか。この恐ろしい日本滅亡計画に、どうして氏は一言も触れないのでしょう。

 次のテーマに進むというのなら、気まぐれ者の氏につき合います。

 ・さらに原発事故が起きたのに、自民党には、原発問題を統括する責任者がいない。

 それをいうのなら、原発事故当時の政権党民主党の対応について、一言くらい言うべきだと思いますが、そこは省略です。まるで、民主党政権など存在しなかったような自民党攻撃をします。

 ・使用済みの核燃料は、約一万八千トンあるが、どこに最終処分場を作るかという計画すらない。

 ここまで来ますと、外野席発言ばかりの氏に言いたくなります。

 ・最終処分場が必要というのなら、世論を喚起するため、君らジャーナリストは何の働きをしたのか ?

 原発反対、処分場建設反対、ゴミ処理場建設反対、反対、反対と、なんでも反対の左翼勢力と一緒になり、政府の邪魔ばかりしているのは、君ら腐れジャーナリストでないかと、怒りがこみ上げてきます。

 フィンランドでは、「オンカロ」と呼ばれる、核ゴミ最終処分場が、地下420メートルの場所で建設されつつあります。日本のあちこちに放置され、有害物質を放出しているというのに、原発事故のゴミ処理場でさえ、なんでも反対の勢力が邪魔をしています。

 左翼活動家や政治家に対し、処分場建設の必要性を氏は一度でも訴えたでしょうか。新聞の一面を使う記事を出せるほどの大物芸人なら、テレビで一言しゃべれば、世論の喚起に役立てたはずです。

 料理を食い散らかす子供のように、氏は次のテーマに移ります。「ねこ庭」のブログもテーマがあちこちしますが、氏ほどいい加減ではありません。報酬を得て記事を書くプロが、私ごとき市井の親父に劣る文章しか書けないとは、新聞のレベルも落ちたものです。

 ・問題を抱えているのは、政治の世界だけではない。東芝、日産自動車、神戸製鋼所などで、次々と深刻な事態が生じた。

 ・原因は、社員らが「サラリーマン化 」しているところにある。

 ・社会を良くしようと目的を持って働くのでなく、上司に言われるまま、働くだけになってしまった。

 ・日本人は皆、自分で物事を考えず、判断もしないようになった。これが一番の原因だ。

 ・アイデンティティー・クライシス。自己喪失である。平成はどんな時代だったかと問われれば、自己喪失の時代だと答えるだろう。

 事実を語る勇気のない芸人田原氏に、異議を唱えます。平成という時代を問われれば、私は「国民が自分を取り戻し始めた時代」と反論します。

 反日売国の朝日新聞やNHKの捏造報道にもかかわらず、さらに言えば、田原氏や保坂氏のような、芸人ジャーナリストの妄言にもかかわらず、「国民が自分を取り戻し始めた時代」だと言います。

 私たちは今、失われた国の過去を検証し、日本人の魂を取り戻そうとしています。

 自分で物事を考えないようになっているのは、田原氏自身です。米国従属から脱するには憲法を改正し、自分の国を守る軍隊を持つことと、こんな意見さえ口に出せない臆病ジャーナリストです。

 自分の国を守る軍隊があれば、全国各地の米軍基地は不要になり、沖縄からも米軍がいなくなります。

 これを恐れ警戒しているのは、中国や韓国ではありません。同盟国アメリカです。どこの国でも、大使館は諜報機関の役割を持っていて、これが世界の常識ですが、日本には世界の常識から外れた、日本にだけしかない二つの諜報機関が存在しています。

 一つは朝鮮総連で、二つ目は全国に点在する米軍基地です。拉致を実行し、政治家に汚れた金を使って接近し、スパイ活動をしている朝鮮総連でさえ追放できない日本です。

 彼らに取り込まれているのが、親米派の政治家、文化人、ジャーナリスト、学者たちです。彼や彼女らが、「日本をアメリカの属国」にしている尖兵です。「ねこ庭」の言葉で言うと、「獅子身中の虫」「駆除すべき害虫」です。

 「ねこ庭」の推理ですから確証はありませんが、正月早々、新聞で愚論を述べる田原氏や保坂氏は、仲間かと疑いたくなります。 

 ・だが、現在、社会を変えるために、起業する若者が増えている。もうけるためではなく、社会を変えるためである。

 ・私が知っているだけでも、千人以上いる。こうした若者たちに、期待したい。

 氏の記事の結論が、これです。憲法も語らず皇室も語らず、一番大切な国の姿も語らず、「起業する若者に期待する ? 」「寝言は寝て言え」と、これが氏に贈る「ねこ庭」からの新春プレゼントです。

  千葉日報にも、新春プレゼントです。

 「こんな記事ばかり掲載していたら、千葉県の読者に愛想をつかされますよ。」

 「小さな新聞社で、共同通信の配信記事を使うしかない点には同情しますが、大事なのは両論併記です。」

 「左の愚論ばかりでなく、右の愚論も並べたらどうでしょう。キラリと光る地方紙に、今年は脱皮して欲しい。」

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1月3日の千葉日報 - 3 ( 芸人ジャーナリスト田原総一朗氏 )

2018-01-10 16:37:59 | 徒然の記

 千葉日報社は、読者である私に挑戦するかのように、愚論を展開する人物の特集記事を届けてくれます。

 今回は、ジャーナリスト田原総一朗氏の元気がよくても中身のない意見が、一ページの全面を占めています。先日テレビで見ましたが、入れ歯の具合がよくないらしく、言語不明瞭な語り口でした。

 歌手は美しい声と若々しい表情で、観客を魅了するので、声も満足に出ず、シワだらけになってしまうと観客を幻滅させます。田原氏は、芸能人並みのタレントですから、言語明瞭でテキパキしているから視聴者に受けました。

 自分が老醜をさらしつつありますので、あまり言いますと、自らを恥じることになりますが、芸能人がいつまでも全国に顔と名前を出しているのは、老害でないかという気がします。

 大きな活字で印刷された、愚論のタイトルを並べてみました。

    「自ら考え、判断する日本人に」「時代と向き合う」

 「起業する若者たちに 期待」

 「ジャーナリスト 田原総一朗」

 反日左翼の政治家や学者たちは、8割の事実の中に2割の嘘と捏造を混ぜて喋ります。嘘より事実の方が多いので、多くの人が騙されます。私は未だに、氏が、右を向いているのか左向きなのか分かりませんが、意見を聞く限りでは、反日左翼のスタイルです。日本を思う正論らしく聞こえ、誰もが聞き入ってしまう主張の展開です。

 ・昭和天皇がなくなり、ソ連が解体して冷戦が溶解し、バブル経済の崩壊で、高度経済成長も終わった。

 ・つまり平成の始まりは、時代の大きな転換点だった。

 ・これで 「戦後 」 も終わるはずだったが、実際はその後も、日本では 「戦後 」が続いている。

 ・では「戦後 」 とは何か。安全保障をアメリカに依存する、対米従属の時代のことである。

 この認識は、すっかり「ねこ庭」と重なります。敗戦後の日本が背負い続け、これからも解決への努力が欠かせない最大の課題です。つまり

 「対米従属」 「アメリカの属国」 「独立できない日本」

 ・冷戦が終結して間もない1991年、湾岸戦争が起きた。

 ・海部内閣は、130億ドルを拠出したものの、自衛隊を派遣しなかった。

 ・2003年には、イラク戦争が勃発。

 ・小泉首相は、戦争支持を表明したが、自衛隊派遣は人道・復興支援の名目だった。要するに、水汲みに行ったのだ。

 ・対米従属だから、ともに戦おうとアメリカから求められると、はっきりNOとは言えない。

 ・そこでどうするのか。分かりやすく言うと、あなたの国が難しい日本国憲法を押しつけたから行けない。

 ・行くとしても、水汲みしかできないと、平和憲法をうまく使って非戦を維持してきたのだ。

 ここまでは戦後日本の歩いた道で、ほとんとが事実です。しかしこの次から、少しずつ氏の意見は正論を外れ、反日左翼の大衆におもねる愚論へと傾いていきます。

 ・軍隊というものは本来、戦える時は戦ってしまう組織である。

 ・旧陸海軍は1年半ほどで石油が枯渇し、勝てる見込みがないのを知りながら、太平洋戦争に突入した。

 氏はまるで昭和の軍人が、考えもなく戦争に走ったと言わんばかりですが、私たちは、ここで歴史を思いださなければいけません。勝てる見込みがなくても国を守るため、日清戦争と日露戦争をご先祖たちは戦ってきました。

 清国とロシアは、当時の日本から見れば、アメリカに匹敵する大国でした。明治の指導者たちが、いかに薄氷を踏む思いで戦争の決断をしたか。そういうことは、歴史を勉強すれば自ずと分かる話です。

 ここを語らない氏の意見は、先の戦争の指導者たちを貶めるための、偏った意見でしかありません。

 ・戦争を知っている世代の首相は、こうした軍隊の特質も知っている。

 ・だから、憲法を変えようとしなかった。

 ・憲法改正を言いだし、集団的自衛権の行使容認への道をつけたのは、戦争を知らない、戦後生まれの首相安倍さんだった。

 またこういう嘘を、平気で喋ります。戦争を知っているとか、知らないとかいう問題でなく、敗戦国となったからアメリカが軍隊が持てなくしたと、こういう大切な事実になると氏は省略します。

 日本を二度と立ち上がれないようにするには、軍隊を持たせないことだとアメリカが決め、ドイツには許しても日本には許さなかった。だから自民党の党是に、「自主憲法制定」が掲げられました。

 昨年の6月に『後藤田正晴』( 保坂正康氏著 )を読んだ時、「ねこ庭」紹介しましたが再度取り上げます。後藤田氏が、警察予備隊を作っていた時の話です。

 ・後藤田はこの期間に、吉田茂という首相の硬骨漢ぶりを、眼のあたりにした。

 ・吉田こそは、アメリカという支配者に対して巧妙な手を用いて、自らの信念や理念を崩さず、日本の主体を守り抜くことに成功した首相だと思った。

 ・後藤田は、あの当時、吉田のような政治家がいなかったら、日本は際限なく、原則を崩してしまったのでないかという。

 ・その吉田が、後藤田や外務省、旧内務省など各省からの官僚が、警察予備隊に関し、シビリアン・コントロールを模索しているとき、突然、顔を出したことがあった。

 ・吉田は講堂にこれらのスタッフを集め、新聞記者の入室を拒んだ後、こう訓示した。

 ・私は、表向き、警察予備隊は軍隊でないと言い続けている。だがはっきり言って、これは軍隊である。

 ・諸君も軍隊という認識をもって、しっかりと、国土を防衛するつもりで努力してほしい。

 田原氏の嘘は、こんなところでもほころびを見せます。氏は腐れマスコミの一員として、まるで安倍氏が一人で「憲法改正」を思いついたように語りますが、日本を思う国民にこんなバカ話は通用しません。

 氏もまた、何が何でも安倍氏が悪いと、つまらない話を広める芸人ジャーナリストです。

 ・しかし安倍首相も、対米従属を止めようとしない。

 ・自立すれば、膨大な防衛費を負担しなければならないので、そういう事態は 「ないこととし 」考えないようにしている。

 それなら田原さん、賢明な貴方は、政府がどうすれば良いと考えているのですかかと、聞いてみたいと思うのに、氏は別の話題に切り替えます。

 ・日本の一番の国難は、北朝鮮の核・ミサイル開発でなく、少子高齢化、人口の減少である。」

 要するにこれが、田原氏に限らず、批判するだけの芸能ジャーナリストです。肝心の点になると意見を言わず、安倍総理が悪いという話でごまかします。

 日本が対米従属しているのは安倍総理のせいでなく、米軍基地を国内の各地に置いたままにしているところにあります。沖縄だけでなく、今でも米軍基地は治外法権の場所で、日本を監視する諜報基地でもあります。

 憲法改正をしたり、独立したりしようとすれば、たちまちノーというのが、米国です。自分では言わず、韓国に言わせたり中国を使ったり、国内の反日野党を煽ったり、米国は日本支配を辞める気がありません。

 魂の抜けた老害の田原氏は、こうした事実を知りながら語りません。というより、身の保全のため語れないのです。

 安倍総理を叩き、自民党を叩き、国民の無知を笑っておれば、彼は生活が成り立ちます。保坂正康氏と同類の言論人であるのは、「ねこ庭」から眺めれば一目瞭然ですが、多くの人々には見えないようです。

 芸能人並みのタレントジャーナリストは、田原氏や保坂氏だけでないのですが、偶然千葉日報が記事にしてくれましたので、大事な息子たちが騙されないために、検証作業を続けています。しかしスペースの関係で、いったんここで一区切りとします。

 本日は晴天なり。風の強い日で、洗濯物がよく乾きます。

 「政治のことばかりでなく、家事も大事よ。」

 家内の言いつけを守り、これから洗濯物を取り込み風呂の掃除をします。私は口先先行の田原氏より、家庭でも役に立っているはずです。

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1月1日の千葉日報 - 2 ( お花畑の真ん中で、保坂氏と赤坂氏の対談 )

2018-01-09 20:27:02 | 徒然の記

 いつからか忘れましたが、新聞の記事を切り抜きをやっています。

 千葉県民なので千葉についてもっと知ろうと、千葉日報を取り始めてからの作業です。死ぬまでに余分な物を処分しようと、日記帳や蔵書、アルバム、手帳、衣類や家具などを廃棄しているのに、切抜きが溜まっていきます。

 「そんなものを残されたら、子供達が困るよ。」

 家内が眉をしかめますが、まったくその通りです。時折眺めることもありますが、ネットで調べればこと足ります。それでも止めらにれないのですから、人間の煩悩の深さを思い知らされます。

 ということで、昨日の陛下の記事も切り抜きます。いざハサミを入れようとして、裏のページを確認したら、これがまた全面の特集記事です。

 「明日に臨む 明日を望む」と題する、保坂正康氏と赤坂真里氏の対談記事です。陛下の紙面と同じスペースですから、千葉日報社が重要視している記事と推察されます。千葉日報が力を入れているのなら、読むだけは読もうと文句は言いつつ、記事に目を通しました。

 保坂氏はノンフィクション作家で、赤坂氏は作家という肩書きです。もともと嫌いな保坂氏ですから、その彼と意見の合う赤坂氏との対談が、面白かろうはずがありません。読まずに切り抜いて仕舞えばよかったと、いまいましいのですが、この気持ちも残しておこうかと、つまらぬ煩悩にまた負けました。

 二人の意見の一致するところは、私のような保守を任ずる者への軽蔑と批判です。今日、日本の歴史を見直そうとする人間は、「知的レベルが低い」と、そこまで言われますといい気はしません。笑みを浮かべ、並んで座る二人の写真を眺め、記事に反論をすると決めました。

 保坂氏は昭和14年生まれの78才で、赤坂氏は昭和39年生まれの53才です。保坂氏については多少知っていますが、赤坂氏は今回初めて知りました。年頭を飾る対談の目的を、千葉日報が解説しています。

 「今年私たちは、平成という時代の先を見据えて歩み始める。」

 「自由や平等、多様性の尊重といった理想を語る言葉が、力を失いつつある中で、私たちは何を道しるべに、新たな時代を築いていけばよいのか。」

 「昭和の戦争を問い続ける、ノンフィクション作家の保坂正康氏と、近代と向き合いながら時代を紡ぐ作家の赤坂真里さんが、明治以降の150年の道筋を振り返りながら、 平成後 を展望した。」

 何をもって千葉日報社が、現在の社会で「自由や平等、多様性の尊重といった、理想を語る言葉が力を失いつつある」というのか、ここから疑問を抱いてしまいます。

 羅針盤の狂った新聞社が語るのですから、変な理屈になると分かっていて、その新聞社が選んだ人間の対談を読むというのが、そもそも間違いでした。

 この二人は、国を大切にするとか、愛するとか口にすると、それだけで戦前回帰の軍国主義者と切り捨てる思考の持ち主です。

 多様性の尊重と言うのなら、私のような意見も尊重すれば良いのに、それはしません。昭和天皇を否定し、今上陛下を誉めあう、気の合う二人の意見を紹介します。

 赤 坂

  ・崩御で年号が変わると、良くも悪くも、社会の気分が変わり過ぎてしまう。
  ・陛下が退位を望まれたのは、ハードランニング ( 急激な変化 ) を避けたかったのだと思います。

 ・昭和末の自粛ムードの時、まるで戦前戦中のようで、この雰囲気が、どこから 〈 戻ってきたのか 〉と、感じました。

 ・日本人の中にあるものが、再浮上したとしか思えなかったのです。

 保 坂

 ・赤坂さんの世代でも、そう感じたのですね。

 ・ビデオメッセージで陛下は、「個人として話したい」と述べました。

 ・近代天皇制史上例がないことで、 「真の人間宣言」と言えます。

   二人はこうして、昭和天皇のご逝去前の様子を、絶対天皇制時代の戦前への後戻りだったと否定し、今上陛下の憲法違反の行為を奇妙な理屈で正当化します。そして、結局は安倍政権への批判につながります。

 赤 坂

 ・昨年来日したトランプ大統領への、安倍首相の恥ずかしいほどの歓迎ぶりを見ると、のんきだなと思います。

 保 坂

 ・皆、米国に頼っていれば、なんとかなると考えているようです。

 赤 坂

 ・安倍首相が、戦後レジームからの脱却と言い出した時、私は良いと思ったんです。

 ・でも実際にやったことは、集団的自衛権の行使容認だとか、米国追従という戦後レジームの強化でした。

 米国追従や米国従属からの脱却に賛成するのなら、「憲法改正」へ繋がるはずなのに、赤坂氏の意見はそうなりません。氏の頭の中では、思考の糸がどのようなっているのか、びっくりする話に行き着きます。

 赤 坂

 ・衆院選でいいなと思ったのは、立憲民主党の枝野代表の演説です。

 ・国民の皆さんが主役と、民主主義の当たり前の原則をはっきりと言った。

 ・聞き手の当事者意識を、呼び起こす。そういうことを語れる政治家が、日本に現れたのは希望です。

 ここまで乱れた思考なら、もういけません。反日左翼、過激派の仲間である枝野氏を希望の星というのですから、氏を選んだ千葉日報社にも幻滅しました。

 脱米国を言い、安倍総理を批判するのなら、日本を従属国にしている「憲法」をこそ変えなくてなりません。平和憲法などと言って、神様のお札みたいに有り難がっている矛盾に気づかない、氏の、知的レベル」が問題でないかと思いました。

 米国が作ったおかしな憲法を有り難がり、陛下が犯された憲法違反は、のっけから無視し陛下への礼賛。この二つだけ見ても、二人は別世界の人です。

 記事の紹介を止めたくなりますが、もう一箇所、愚論のサンプルがあります。

 赤 坂

 ・決断の早いことだけが、リーダーシップとされる最近の風潮に、違和感を覚えます。

 保 坂

 ・軍隊の価値観です。

 ・決断が早い一方で、責任を取るようなことをいいながら、最終的にはごまかす。そんな昭和の軍人タイプのリーダーが、増えているようです。

 赤 坂

 ・軍、特に旧日本軍の研究が、もっと行われるべきだと痛感します。

 ・近代日本ではすべての組織が、軍の論理で作られ、それは今の学校にまで残っています。

 近代日本のすべての組織とは、何を指しているのか。赤坂氏の言葉が疑わしくなってまいります。すべての軍人を蔑み攻撃する保坂氏は、日頃どんな勉強をしているのでしょう。それなら他国の軍隊は、そんなにも完全無欠なのか。具体的に何も言わず、貶しているだけです、

 保坂氏は米国追随の安倍総理を批判していますが、氏は親米派の評論家の一人です。安倍氏批判の時だけ反米のポーズを見せますが、氏は日本の独立を阻む「獅子身中の虫」の仲間です。

  平成25年の11月、「安倍史観に強い怒り」というタイトルで、氏は千葉日報に寄稿していました。

 ケリー国務長官とヘーゲル国防長官が、揃って千鳥が淵戦没者墓苑を訪れたのは、安倍総理が「靖国神社とアーリントン墓地は同じ」と言ったことに対する、米国の怒りの意思表示であると、氏は次のように解説しました。

  「靖国神社は宗教的・政治的であると同時に、何よりもA級戦犯の刑死者が祭礼の対象になっている。」

 「米国共和党の怒りは、神聖なアーリントンを異質な靖国と同じにしないで欲しい。こんな神社がアーリントンと同じである訳が無い、というものだ。

 氏に違和感を覚え嫌悪するようになったのは、この記事がきっかけでした。

 アメリカが怒ったからと言って、一緒になって怒る理由がどこにあるのでしょう。
アメリカはアメリカの立場で勝手に怒るのですから、日本人である保阪氏が、どうして同じ思考で怒りをあらわにするのか、不可解でなりません。

 この時氏への不信感を、「ねこ庭」で次のように述べました。

 「彼は靖国神社が、神聖な場所でないとでも言いたいのだろうか。」

 「ノンフィクション歴史作家という肩書きを持っているのに、彼は日本史を知らず、日本人の心も見ていない。本当はフィクション作家ではないのか。」

 「アメリカが怒っているのに、なぜ総理は気づかないのかと主張するが、氏に問うてみたい。」

 「日本国民の多くがアメリカの対応に怒っているのに、なぜ保阪氏は気づかないのか。」

 もう一つ追加しますと、同じ年の6月ある場所で行った講演会で、氏は安倍総理を批判し、憲法改正反対論を述べていました。

 「安倍氏の改憲主張は、積み重ねてきた歴史への背信である」

 「戦後の保守政治家こそが、護憲の本流だった」

 自民党の党是に「自主憲法の制定」があることを知らない人間が増えたのを良いことに、作り事やウソを話す氏に驚きました。当時は加藤紘一や古賀誠、河野洋平や野中広務氏など、現憲法を擁護するおかしな保守政治家が新聞を賑わせ、氏の愚論を支援していました。共産党の「赤旗」に寄稿するように彼らが、保守本流であるはずがありません。

  氏が講演の最後に語ったのが、次の言葉でした。

 「もし帝国主義的な乱暴な国があったら、私たちは憲法とともに積み重ねてきた実績をもとに、その国を批判することができるのです。」

 「あなた方がやっているのは、帝国主義的な手法ではないですかと言えるし、言わなくてならない。」

 「今の憲法を持つことには、そういう意味もあるのです。」

  ならば氏はこんな所で講演していないで、北朝鮮へ行き説教をすれば良いのです。尖閣の領海へ侵入し、日本を火の海にすると恫喝する中国を訪ね、戒めればいいのです。

 私は息子たちに、こういう人物が言論人として通用する戦後日本の奇怪さを、伝えたいと思います。お花畑の真ん中にいるような、箸にも棒にもかからない氏が、新聞の年頭記事を飾るのですから、日本丸の羅針盤は狂いっぱなしだと、「ねこ庭」から眺めますとそら恐ろしい眺めがあります。

 「しっかりしてくれよ、千葉日報。」

 両論併記を忘れないで欲しいと、これを年頭の願いに加えることにします。

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1月1日の千葉日報 ( 陛下の「お言葉」の持つ意味 )

2018-01-08 22:01:07 | 徒然の記

 私が読む本は、図書館の廃棄本ばかりですから、どれも十年、二十年前、もっとひどいのは八十年前という古本です。

 古本を読みつつ、今の日本を比較しますと、思ってもいない発見があります。意識して始めたのでなく、偶然そうなったのですが、「温故知新」を日々実践していることになります。「古きをたずねて、新しきを知る」を実行すれば、愚かな自分も自然と啓蒙されると、そんな発見もあります。

 いつも通り前段が長くなりましたが、言わんとしていますのは、少々古い新聞を読んでも、日々の暮らしには何の支障もない。本日1月8日に、元旦の新聞記事をブログにしても、何も気にすることはないということです。

 千葉日報だけがそうなのか、反日・亡国の朝日新聞以下、日本中の新聞がそうなのか知りませんが、天皇陛下についての全面記事が、二ページにわたり掲載されています。マスコミは何時も全国横並びですから、きっと元日の紙面は、陛下の記事のオンパレードだったのでしょう。

 退位か譲位か知りませんが、陛下が皇太子殿下に天皇の座を譲ると宣言されて以来、マスコミの報道はとどまる気配がありません。

 目出度い元旦の記事ですから、大文字の見出しだけでも紹介します。

 「お言葉で振り返る、平成皇室」

 「国民の幸せ、平和祈る」「象徴の姿求める、道続く」

 「憲法、歴史を踏まえ、在り方、いつも念頭に」

 「戦争の惨禍忘れず、重ねる慰霊の旅」

 「苦難わかち合い、呼びかけ」「被災者案じ、心寄せる」

 紙面は、陛下への賛辞と感謝の記事で溢れ、美智子様とお二人の写真が、これでもかと何枚も掲載されています。最後は明大教授の斎藤隆氏が、お二人の姿は、まるで「重なる音楽のよう」だと褒めていました。

 けれども「温故知新」の「ねこ庭」は、新聞の大見出しと、東大卒・明大教授の記事を見て、敗戦後の日本の常軌喪失と言いますか、羅針盤の壊れた船といいますか、言葉に表せない悲しみを覚えました。

 今宵は多少長くなりましても、陛下につき、国民の一人として率直な思いを述べさせて頂きたいと思います。

 本論に入る前に、7年前の大震災時に書いた「ねこ庭」の記事を紹介します。

 「平成23年3月11日午後2時46分。」

 「マグニチュード9.0。800年ぶりと言われる、予想もしない大地震が発生した。」

 「続く大津波、福島原発の連続事故と、経験したことの無い事態に直面し、国会審議も与野党の対立もかすんでしまった。」

 「テレビの災害報道に釘付けとなるばかりで、なにも手に着かない。」

 「壁に掛けた時計や絵が床に落ち,棚に置いていた植木鉢が落下して散乱し、立っていられない揺れで、船酔いのようになった。」

 「原発事故に対応している東電の社員や作業者たち、あるいはヘリを飛ばし、消化活動を試みている自衛隊員、さらには、放水車を運転する東京都の消防隊など、みな命がけの行為だ。」

 「誰もパニックにならず、略奪や放火など自暴自棄な行動に走らず、支援への感謝を語る被災地の人たちの冷静さと、忍耐力に敬意を表すべきでないか。」

 「神戸の大震災の時も同じ思いをしたが、自分の国への誇りが静かに心を満たし、胸に迫る。」

 「昨夜の天皇陛下のお言葉にも、涙があふれてきた。」

 「家内も息子も、日頃は天皇陛下に無関心なのに涙を浮かべていた。今家族は皆、涙もろくなっている。」

 「陛下のお言葉に対してだけでなく、家族を捜す被災者の言葉にも、熱くこみ上げるものが押さえきれない。」

 「原発の沈静化と、災害の復旧を切に願う。」

 「当分は、パソコンに向かう日もなくなるだろう。ふたたび平穏な日常が戻るまで、わが「ねこ庭」よ、暫くさようなら。」

 これがあの日のブログです。菅総理による被災地への激励も報道されましたが、陛下のお言葉に比べますと、月とスッポン、提灯に釣鐘、心に響く有難さは何もありませんでした。

 「国民統合の象徴としての陛下」を、私はあの時実感し、天皇がおられることの有難さを心に刻みました。

 その私が陛下に大きな失望を覚えたましたのは、平成28年8月の「お言葉」でした。私は今でも、陛下が国民の幸せと平和を願っておられることに、疑いを抱いておりません。

 しかし陛下はあのお言葉の日以来、天皇として「超えてはならない一線」を越えてしまわれました。

 「憲法、歴史を踏まえ、在り方、いつも念頭に」と、千葉日報社は元旦の見出しで書いていますが、私のような庶民の目から見ますと、とんでもない大嘘です。NHKを使って陛下が「お言葉」を国民に発せられた行為は、「憲法違反」そのものです。

 天皇陛下の「政治的行為」を、憲法は禁じています。「お言葉」が政治的行為でないと言われるのなら、「戦力なき軍隊」という、戦後最大の政治的欺瞞に匹敵する、国民へのごまかしです。

 勇気があるのか無鉄砲なのか、ネットで一部のブログがそれを指摘していますが、保守政治家、保守論客と言われる人が、誰一人として、「陛下の憲法違反」をお諌めしませんでした。

 陛下は、「天皇が決意して何事かをなされたら、日本には阻止できる者が誰もいない」という、恐ろしい事実を国民に見せて下さいました。

 憲法が天皇の政治的行為を禁止し、国事行為には内閣の助言が必要と規定していても、陛下の意思一つで「憲法無視の行為」が可能になることを、身をもって示されました。

 ですから私は、「憲法、歴史を踏まえ、在り方、いつも念頭に」という千葉日報の記事を、大嘘と言います。

 憲法を自ら破られた陛下を、どうしてこのような言葉で飾るのか、マスコミの羅針盤は狂っているとしか言えません。憲法改正につきましては、国論が二分しております。敗戦後74年になろうとしているのに。いまだに米国の基地を国内の各地に置いている日本が、果たして独立国と言えるのか。米国頼りの国防に安住し、自力で国を守れない日本が、どうして国際社会で独立国として認められるか。

 世界の見る目は、「日本はアメリカの属国」ということで、日本が独立国だと思っているのは、バカな国民だけです。「平和憲法」のおかげで、日本の平和が保たれていると、これはもう右も左も、敗戦後浸かりきっている国ぐるみの幻想です。

 矛盾に気づいた国民が、「憲法を改正し、自分の国を自分で守れる国にしなくてはならない」と、言い始めました。歴史を振り返りますと、いびつな戦後日本の姿がいやでも分かります。

 反日マスコミと左翼野党が憲法を賛美しても、日本の歴史を知れば、それは間違っているのでないかと、国民が考え始めました。

 それなのに陛下は「平和憲法を守る」と、二言目には口にされ、国民の気持ちを袖にされます。守るべしと言われる憲法を、今度は陛下ご自身が無視して行動されました。

 多くの国民が陛下を尊崇しているとしましても、そのうち事実が知れ渡る日が参ります。

 不敬と言われるのを畏れ、保守の多くは口を慎んでいるのでしょうが、私は名もない国民の一人として思うところを述べます

 2665年続くと言われる皇室の伝統と、今上陛下のいずれが大切かと問えば、私は2665年の皇室を大事とします。125代目の今上陛下と、それ以前の124代の天皇に思いを致せば、答えは自ずと決まります。

 平和憲法のみならず、陛下は女系天皇にも心を寄せられています。直径男子という先人の知恵を、弊履のように無視されることが、やがて皇室の崩壊につながり、日本の伝統や文化の崩壊にもつながると、どうして思いを致されないのか。

 私はその原因が、美智子様にあると考えております。

 美智子様は、「九条の会」の支援者であり、日本カトリック教会の大僧正とも親しくされています。「男女平等」「人権尊重」という、米国式思考を皇室に持ち込まれ、それを隠さない美智子様です。

 昭和天皇が亡くなられて以来、神道の天皇家におられながら、まるでローマ法皇を思わせるマントで国民の前に姿を見せられます。

 日本の歴史をよくご存知ないのか、大東亜戦争の殉難者を「A級戦犯」と口にされる。陛下はこうした美智子様を愛され、「二人して象徴の道」を歩いてきたと労られます。

 庶民である私からみますれば、「夫婦の仲良きこと」は素晴らしい話です。しかし昭和天皇までは、陛下というお立場は、「個人」でなく「公人」でした。「私」を犠牲にし、国と国民を第一としてこられたから、庶民は陛下を尊崇の目で眺めて参りました。

 憲法に従い人権を主張され、一般サラリーマンのように定年退職を口にされるなら、もはや天皇とは言えますまいと、これが私の正直な気持ちです。

 上皇になられた後の宮殿の費用が高いとか、美智子様の衣装代が高価すぎて無駄だとか、けち臭い非難を耳にいたしますが、陛下が陛下であるための諸掛かりなら、私はいくら大きくなろうと何も思いません。

 けれども陛下の昨今は、すべてが憲法違反で、日本国最大の矛盾となっております。その矛盾は、次の御代となる皇太子殿下にも引き継がれ、「ご夫婦第一」「国民はその次」という時代となります。国民の受難は、陛下の御代から始まりました。

 陛下だけでなく、私は日本の保守と言われる人々に問うてみたいのです。

 天皇制廃止を党是の一つとする共産党に、「素晴らしい天皇」と言われる陛下は、「おかしいでないか」と、なぜ言えないのでしょう。なんであっても、陛下の御聖断と肯定するのなら。そんな保守は、先帝陛下以前のすべての天皇を否定し、皇室の崩壊を是認する大バカ者と言えないのでしょうか。

 元日の新聞を見ていますと、「このようにして国民が流され、このようにして国が滅びていくのか」と、胸に迫るものがあります。これで良いはずはないので、私は一人になりましても、「ねこ庭」の片隅から、独り言を発信していきたいと思います。

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『中国ビジネスと商社』 ( 卑屈な日本の経済人 )

2018-01-06 20:57:06 | 徒然の記

 関志雄氏著『中国ビジネスと商社』( 平成15年刊 東洋経済新報社 )を、これから読もうとしています。

 いつもなら読後に感想を述べていますが、今回は思うところがあり、読む前にブログにしています。

 過激な保守の意見を聞いておりますと、中国も韓国も北朝鮮も、明日にでも崩壊しそうな、危うい国と思えてきます。経済統計も嘘だらけで、政府の高官たちは私利私欲にまみれ、碌でもない政治が行われているという印象です。

 果たしてそういう希望的崩壊論だけでいいのかと、懐疑の念が生じてまいりました。ですから今年のモットーは、左翼でも保守でも、同じことですが、「過激な論調から距離を置く」と決めました。

 反日・左翼の主張は、常に実行できそうもない過激な意見ばかりで、「原発の即時廃止」というのも、その一つです。政治的スローガンだから、こうしないとバカな国民を取り込めないのだと分かりますが、無計画な「即時廃止」などしたら、たちまち日本社会は大混乱になります。

 「中国と即時断交せよ」「企業は即刻、反日の中国から撤退すべし。」「韓国と断交しても、日本には何の影響もない。」「韓国など、見捨ててしまえ。」

 威勢の良い意見にも、同様に懐疑の念が生じて参りました。先日邱永漢氏の著作を読んだ時にも感じましたが、同じ日本の中にいても、自分と違った世界観を持ち、違った世界を眺めている人間がいるという事実があります。

 当然の話と疑問も抱かずにきましたが、これからの日本を考える時、頭から彼らを無視して、正しい判断ができるのかとそんな気がしてまいりました。

 私の不得意な分野は、経済です。邱永漢氏の著作で考えさせられたのは、「日本と中国の経済的つながりは、自分が思っている以上に強い。」ということでした。世界的分業体制とでもいうのでしょうか、善悪を別にして、日本と中国、あるいは韓国も同じことですが、経済的に協業的仕組みが出来上がっているのなら、過激な保守の意見にも疑問符がつきます。

 この不愉快な隣国と、いかにしてつき合って行くべきかを冷静に考えなくては、日本の明日が見えないのでないかと、そんな気がしてきました。『中国ビジネスと商社』の本は、図書館の廃棄本を貰ってきたものですから、邱永漢氏とのつながりを考えて手にしたわけではありません。

 しかし両書は偶然にも、日本と中国の経済的関係の深さを、教えてくれています。

 北京空港に降り立った田中首相を、出迎えた周恩来首相が、固い握手を交わし、千切れんばかりにその手を振っていた姿を、私は動画で懐かしみました。改革開放政策を進めた鄧小平氏が日本に来て、「熱烈歓迎」の日中関係となり、雪崩を打つように日本の企業が進出したことなど、昨日のことのように思いだされます。

 多くの資金とノウハウと、人材とを投資し、日中が蜜月の時期を持っていながら、どうして今日のような険悪な状況になったのか。分かっているようで、分からないことの多い両国関係です。

 この書が出版されたのは、小泉内閣の時ですから、靖国参拝問題でもめていました。政治は冷たく冷えているが、経済関係は熱く燃えているという意味で、「政冷経熱」という言葉がマスコミで使われていたのも、この時期ではなかったかと思います。

 本の著者は日本人とばかり思っていましたが、香港生まれの中国人で、カン・シユウと読むそうです。JETRO ( 独立行政法人 日本貿易振興機構 ) と、JFTC ( 一般社団法人 日本貿易会 ) の区別も知らない私ですから、これでは日中問題を語れないと知らされました。

 先ず前書きにある、日本貿易会会長の宮原賢次氏の言葉を紹介します。

 ・本書は、日本貿易会に設置された、「 中国ビジネスと商社」 特別研究会が、主査としてご参加いただいた関志雄氏の指導のもとで、10社の商社代表からなる、研究会委員が一年間にわたって、研究討議した内容をまとめたものです。

 ・中国ビジネスを日々広範囲に展開している、商社の視点に立った現実的な中国経済の手引書と言えます。

 ・本書が、今後の中国ビジネスのあり方を展望する一助となれば幸甚です。

 10の商社名を紹介しますと下記のようになり、研究委員は各社とも部長クラスが名前を連ねています、

 丸  紅、 伊藤忠商事、 住友商事、  兼 松、 トーメン、 豊田通商、

 ニチメン、 日商岩井、  三井物産、  三菱商事

  関志雄 ( カン・シユウ ) 氏が、中国でどのような位置にいる人物なのか知りませんが、宮原会長の卑屈なまでにへりくだった紹介の仕方が、気になってなりません。

 まるで中国政府の高官でもあるような物言いを読むと、何年か前、テレビで経済界の役員クラスの人物が、日中貿易の将来について語っていたのを思い出しました。

 その時も窓口の中国政府高官に向かい、バカ丁寧な敬語で喋るのでので、軽蔑せずにおれなかった記憶があります。

 彼らのやっていることは、一昨日読んだ『中国がクシャミをしたら』の著者、邱永漢氏と同じです。

 「金儲けのためなら、どこへでも出かける。」

 「儲けさせてくれるところが、自分の居場所であり、国である。」

 ・・台湾出身の氏なら聞き流せても、日本を代表する企業に勤務する彼らが同じでは、納得できなくなる私です。

 中国の巨大市場を前にしたら、金儲けに目が眩み、日本人の魂も失うのかと情けなくなります。かって民主党政権の時代に、中国大使に、伊藤忠商事の元会長だった丹羽氏が任命されたことがありました。

 平成24年12月に、氏が日本記者クラブで行った講演の動画を偶然見たことがあります。尖核問題がキッカケとなり、反日の暴動が起こった時の大使が、どんな思いで任に当たっていたのか興味を抱いたからです。

 2年半の在任中に習近平、李克強など、中国の指導者たちと頻繁に会い、親しくさせてもらったと楽しそうに喋る彼を見て、話が進むにつれ幻滅しました。

 「国益とは、国民を幸せにすること」と氏は定義し、日中が仲良くすることが両国最大の利益であり、国民の幸せにつながると語りました。

 中国の指導者たちは全員がそう思っており、争いを避けようとしていると続けます。彼の話を聞いていると、争いたくない中国を刺激し、怒らせているのは日本の政治家や国民の方だと、そういう風になって来るのでした。

 愛国無罪の暴動で日本を罵り、尖閣への領海侵犯を繰り返している最中の中国に、それはないだろうと怒りを覚えたものでした。

 日本は「同朋社会」であり「閉鎖社会」であると氏は言い、これがかって米国での排日・反日へとつながり、今の中国でもそのように見られていると、次第に話がエスカレートしました。

 ラテン系の人間に比べると、日本人は勤勉すぎる。貯金をしたり、外国で土地を買ったりして不信感を抱かせ、しかも日本人だけで固まり、他民族との交流がない。

 あの時は、丹羽氏が特別なのだろうと思っていましたが、こうして商社員の研究書などを手にしますと、日本を蔑視し、中国大事とする愚か者が、経済人の多数を占めているのだと分かってきました。

 確かに彼らのおかげで、国民は安い品物を入手し、便利になっているのかもしれませんが、このままで良いのかと、誰も疑問を抱かないのでしょうか。

 ということで本日は、読書に入る前準備の知識を整理します。

1. 一般社団法人 日本貿易会( Japan Foreign Trade Council,Inc.、略称:JFTC

  ・日本の貿易商社を中心に組織された業界団体。経済産業省所管

  ・会員 - 法人正会員 43社、団体正会員 20団体、法人賛助会員 58社、

   団体賛助会員 25団体 計179

  ・会長 - 小林栄三( 伊藤忠商事取締役会長 )

  ・副会長会社 - 7大商社により構成

     ( 三菱商事、三井物産、住友商事、伊藤忠商事、丸紅、豊田通商、双日 )

  ・活動内容 - 政策提言、政府当局との意見交換、日本国外との経済交流の促進、

   調査研究・広報・情報収集活動。 

 2.  独立行政法人日本貿易振興機構  ( Japan External Trade Organization;

                                                略称JETRO

  ・経済産業省所管の中期目標管理法人・独立行政法人

  ・設置法は独立行政法人日本貿易振興機構法( 平成14年法律第172号 )

  ・職員数は日本国内約900名、日本国外約700名。

  ・日本の貿易の振興に関する事業、

   開発途上国・地域に関する研究を幅広く実施。

  2日前、邱永漢氏の活動に驚きましたが、あくまでそれは個人の動きであり、ささやかな経済活動でした。

 しかし日本貿易会や日本貿易振興機構は、政府も関係する大規模な開発と投資活動です。中国に対しては、この他にも外務省が管轄する「政府開発援助」( ODA ) があります。

 親中、媚中の政治家を中心として、巨大な中国開発ネットワークがこうして構築されています。表向きはマスコミが、中国の尖閣領海侵入を時々報道し、南京事件への日本攻撃など、申し訳程度に知らせますが、政治家も、経済人も、マスコミも、中国第一の姿勢でいるのですから、ふざけた話です。

 国民だけが、ツンボ桟敷に置かれています。

 ということで、今年のモットーは、左翼でも保守でも、「過激な論調から距離を置く」と決めました。

 今年も前置きが冗長になりましたが、これが74才の元旦に考えた「一年の計」です。自分自身が苦笑していますので、笑いたい方は、遠慮なくお笑いください。

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『中国がクシャミをしたら』 ( 邱永漢氏の著書 )

2018-01-04 19:56:35 | 徒然の記

 邱永漢氏著書『中国がクシャミをしたら』( 平成17年刊 廣済堂出版 ) を読了。

 氏の略歴を紹介します。

  ・大正13年に、日本統治下の台湾で生まれ、

 ・昭和17年に日本本土へ移り住み、昭和20年に東大経済学部を卒業

 ・実業家、作家、経済評論家、経営コンサルタントなど、様々な分野で活躍

 ・外国人初の直木賞受賞作家でもある。株の名人として知られ、「金儲けの神様」と呼ばれている

 以前に一度氏の著作を読んでいますが、表題も中身も忘れました。

 中国の激しい反日について、「心配することはない。」「国が豊かになり、民の懐がうるおえば自然と収まってくる。」と、楽観的な意見を述べていたことだけ覚えています。

 作家、評論家としての氏しか知らなかったので、今回の読書で、事業家としての目覚しい活躍を知りビックリしました。ネットで調べますと、手がけた事業としては、 

 ドライクリーニング業、 砂利採取業、ビル経営、毛生え薬の販売

 など多方面に手を伸ばしています。毛生え薬は、自身が禿げてしまい失敗に終わったという笑い話もありますが、東京には氏の経営する中国語教室も存在し、日本におけるビジネスホテル経営の元祖でもある、というのには驚かされました。

 中国では

  コーヒー栽培事業、 建設機械販売、 高級アパートメント経営、 パン製造販売、 

  レストラン経営、 漢方化粧品・漢方サプリメント販売、 人材派遣業

 などの事業を営み、日本の会社を中国へ進出させたり、希望する日本人の就職を斡旋したり、中国の地方政府の意向を受けた政商みたいな役割もしています。

 「ねこ庭」は日本に敵対し、日本を憎悪する中国政府が腹に据えかねていますから、その中国のため、金儲けの架け橋となっている氏に、複雑な気持ちを抱きました。

 「お金がなくては、生きていけない。」「お金があると、幸せになれる。」と飾らずに語る氏が、もともと嫌いでありませんでした。他人を騙したり、不幸にしたりして金を稼ぐのでないから、金銭欲を恥じない正直さに好感さえ覚えていました。

  氏は平成24年に88才で亡くなっていますが、文字通り「金儲けのために費やした一生」です。

 儲けということを中心に、時代を読み、明日の自分を考え、ためらわず実行するというのですから、大した決断力です。

 私のように一つの国だけを愛し、躍進する外国へ飛び出さない人間を、氏は軽蔑し哀れんでいます。「金儲けのためなら、どこへでも出かける。」「儲けさせてくれるところが、自分の居場所であり、国である。」と、私には氏のような割り切りはできませんし、する気持ちもありません。

 それでも氏に抱いている好感が、減ることはありませんでした。要するに私と氏は、敵対する世界に住む人間でなく、異なる世界に住んでいるというに過ぎません。

 氏が見せてくれる世界を、呆れたり驚いたりしながら眺める観客のようなものです。知らないことを教えてくれるのですから、その限りでは先生で、敬意を表します。

 ただしこの著作ばかりは、「これが本か ? 」と疑問符が最後までつきまといました。「パート・アルバイト」「仕事案内」などという無料雑誌が、駅のホームに置いてありますが、最初から終わりまで、そのような内容でした。

 論より証拠なので、一部を紹介します。

 「せっかく一大決心をして、中国までやってきて、片言ながら中国語も通ずるようになり、中国人気質にも漸く慣れてきたのだから、このまま日本へ帰るのは残念だと、そう思う日本人留学生は沢山いるのではないでしょうか。」

 「ただ漫然と大学を出て、会社勤めをしている同年代の青年達よりは、パイオニア精神があり、実行力があることは確かです。」

 「今私は二つの計画を持っています。」「一つは、組織的な人材斡旋システムを、北京と上海に作り、人材を必要とする会社へ斡旋することです。」

 「もうひとつは、そういう青年達が働ける場所を、私自身が、できるだけ沢山作ることです。」

 「仕事を探している方は、邱永漢アジア交流センター宛に、履歴書 ( 必ず写真を貼り ) と、自分のやりたいことを書いた、身上書を送ってください。」

 「すべての人を満足させることはできませんが、心当たりのあるところから、手がけていきたいと思います。」

  どちらかと言いますと、現在の私は保守系の動画やネットの情報を多く見ますので、氏の著作には、違和感を感じました。

 日本の特許を侵害し、平気で偽物を作ったり、代金を払わなかったり、法律を恣意的に運用して日本企業を困らせたりと、とんでもない中国ばかりを知らされていますから、そんな隣国に肩入れする氏や日本人がどうしても理解できません。

 つまり氏の語る事実が、私の知らない別世界なのです。これもまた、論より証拠ですから、一部を紹介します。

 「次の時代を背負う若者達は、どこに職場を求めるかを迫られています。」

 「海外が、大きな選択候補として、目の前にちらつくようになっているのです。」

 「大学を出てから、あるいは在学中に、海外へ飛び出す人も日増しに増えています。既存の体制の中で、おとなしくエスカレーターに乗る人生に、飽き足りない人が増えているのです。」

 「学生だけではありません。」

 「既に社会に出て、一流企業に就職している人でさえ、安定した収入と出世コースを捨てて、中国の大学へ中国語の勉強に行く人が増えています。」

 「北京だけでも、一年に千五百人の語学留学生がいるそうですが、これらの学生は、卒業しても日本へ帰るつもりのない人が大半です。」

 「北京でさえそうですから、上海は、もっとずっと多いと考えていいでしょう。」

 「西安で日本の留学生が、学芸会で問題を起こしたのは、まだ記憶に新しいところですが、西安にまで、そんなに沢山日本人留学生がいるのかと、びっくりする人が、多いのではないでしょうか。」

 「これは若者の就職戦線に、異常が起こっている何よりの証拠です。」

 「投資考察団旅行」と称して、氏は年に三、四回、一週間程度の旅行を実行しています。意欲のある日本人投資家を会員として募り、中国国内の主要都市を巡るツアーです。

 上海、北京、南京だけでなく、昆明、保山、大理など開発途上の都市で、氏も同行します。

 「市長さんたちが業者を集めてくれ、最大級の歓迎をしてくれたので、計画を進めるにあたって、とても役に立ちました。」

 と言うのですから、政商と言った意味も理解されると思います。

 こうしたルートを通じ、氏は日本のスーパーマーケットや、ホテルを現地に誘致し、成功しています。日本からも中国からも感謝されているという説明なので、これはもう、直木賞作家とか、経済評論家という範疇の仕事ではありません。

 失敗談は書かれていませんが、成功したりつまづいたり、おそらく氏は億万長者の一人なのでしょう。一箇所に落ち着くこともなく、あちこちに家を持ち、何年か先までの事業計画を常に抱え、資金繰りを工夫し、利益の活用に頭を使い、多忙な日々を送ったはずです。

 美食家で、お洒落で、高級品の目利きで、何不自由なく世界を旅行しという人生です。若い頃でしたら、羨むだけでなく憧れたかもしれませんが、今の私には無縁な世界で、羨む気持も生じません。年を重ねるというのは有難いことだと、神様に感謝したくなります。

 氏の本が出された当時 ( 平成17年 ) の日本は、どんな状況だったのか、ネットで調べてみました。すべての事実が私には、実感の伴う記憶ですが、息子たちには、どういう記憶になっているのでしょう。

  ・天 皇  昭仁陛下

 ・総理大臣  小泉純一郎     ・内閣官房長官  細田博之  安倍晋三

 ・衆議院議長 河野洋平      ・参議院議長   扇千景

 ・国  会  通称「郵政国会」

 ・ 小泉首相の行った郵政解散と、その後の政治手法は、「小泉劇場」と呼ばれた。

 ・ JR福知山線脱線事故、土佐くろしお鉄道衝突事故等、鉄道事故多発。

 ・ 京都議定書発効。地球温暖化対策として、クールビズが官民で積極的に推進。

 ・ ライブドアによる、メディア買収騒動。六本木ヒルズに拠点を置く、ヒルズ族が

   注目を集めた。中心人物、堀江貴文。

 ・ 新語・流行語大賞として、「小泉劇場」「想定内」

 ・ 今年の文字として、「愛」

   愛知県で「愛・地球博」が開催されたことや、中国で活躍した卓球の福原愛など、

   「あいちゃん」という愛称の女性の活躍が目立ったこと、「愛」のない虚無的かつ

   殺伐とした風潮が国内に蔓延したこと。家族間殺人など「愛の無い事件」が目立っ

   たことなどが、選ばれた理由。

 新年初のブログとして何も目出度くありませんが、本日はこれで終わります。

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