門田隆将著「なぜ君は絶望と闘えたのか」(平成20年 新潮社刊)を、一気に読んだ。
山口県光市は、瀬戸内海に面した静かな町だ。海岸線に添って延びる風光明媚な町には、新日鉄の光製鉄所と武田薬品の工場があり、二つの会社の企業城下町という面もある。50年以上前の話になるが、自分が始めて赴任し、二年間勤務した懐かしい土地でもある。
それだけに、私はこの本を自分のことのように切ない気持ちで読んだ。本の副題は、「本村洋の3300日」。光市で若い母親 ( 23才 ) と、幼い娘 ( 11ヶ月 )が 惨殺されたこの事件は、当時テレビでも新聞でも取り上げられ、日本で知らない者はなかった。
平成12年3月、山口地方裁判所の判決の日。渡邊裁判長との気持の離反から、本村氏の戦いが始まる。妻と娘の遺影を抱いて法廷に入ろうとした彼が、これを阻止しようとする裁判所の職員と激しいもみ合いになった。
「ごじゃごじゃ抜かすな。写真を預ければいいんだ。」
「どうして駄目なのか、裁判長と話させてくれ。」
職員の乱暴な言葉に彼が抵抗し、周りにいる記者たちが居丈高な職員に怒ります。彼らが本村氏に同調したため、場を納め切れなくなった職員が裁判長に伺いを立てに行った。
渡邊裁判長の意向として職員が伝えたのが、次の言葉だった。
1. 裁判官は被害者に会う義務も無く、被害者が裁判官に会う権利も無い。
2. 裁判は、裁判官と検事と被告人の三者でやるもので、被害者には特別のことは認められていない。
悲しみの底に沈む被害者に対する、この裁判官の無慈悲な言葉、情けのかけらもない対応。裁判官は被害者の味方でなく、むしろ敵だ。判決に泣くのは加害者でなく、むしろ被害者だ。日本の裁判は狂っていると、彼は歯ぎしりする。
最愛の家族を殺され生きる望みを失い、自殺まで考えていた彼が、犯人だけでなく司法そのものにも憎しみの炎を燃やすことになる。
そして下された渡邊裁判長の判決。
「犯行は極めて冷酷かつ残忍で非人間的だが、18才と30日という年齢から、内面の未熟さが顕著であり、なお発育過程の途上にある。よって、無期懲役とする。」
無期懲役とは名ばかりで、少年法の適用を受ける加害者はわずか7年で仮釈放となる。それを教えられている本村氏は、絶望する。殺害した妻を死姦し、這い寄ってくる幼子を床に叩き付けて殺し、そんな男が未成年というだけで極刑にされない。しかも犯人は謝罪もせず、反省もなく、少年法に守られている。
始めて著者と対面した時、北九州市の小さな喫茶店の隅で、本村氏は握った拳を振るわせながら、押し殺した声で言った。
「僕は、僕は絶対に殺します。」
妻を大切にする人間、子を持つ親の一人として、私は本村氏の怒りと悲しみに共鳴した。司法制度がこんなに不公正なものなら、私だって覚悟する。
私は先日飼い猫を亡くした。ひと月が経ったけれど、今でも猫のことを思い出すと涙がこぼれそうになる。猫ですらそうなのだ。まして、大切な妻と幼い子供を惨殺されたら、許せるわけがない。
けれども本村氏の偉さは、その後の行動にある。温厚だった吉村検事が、娘を持つ親としてこの判決に憤った。こんな人間を罰せられない司法なら、司法が要らなくなると怒り、ともに闘おうと誘われる。悲嘆にくれながら彼は賛同し、「全国犯罪被害者の会(あすの会)」を立ち上げて行く。
加害者は守られているのに、被害者の家族は司法からのけ者にされている。加害者の名前も住所も家族構成も、被害者の家族には何も知らされず、知りたいことがあれば裁判を傍聴するしかないという現実。彼は同じ境遇で泣き寝入りしている人びとを知り、私憤を公憤へ昇華させる。
司法制度の不公平を無くすための戦いは、亡くなった妻子への償いであると共に、自分の使命と考えるようになる。社会に訴えるため、彼はテレビ出演もし、新聞や週刊誌にも顔を出し、被害者家族のおかれた立場を訴える。その過程では、惨殺された妻や子のことも語らねばならず、良く耐えたと敬意を表さずにおれない。
私よりずっと若いのに、ずっと立派な本村氏に、己が恥ずかしくなった。私なら「復讐する」「殺す」と、私憤のままで終始したはずだ。全国被害者の救済のため、総理大臣まで動かし、新法の制定や法律の改正につなげるなど考えが及ばない。
そして9年後の平成20年の四月。広島高等裁判所で、差し戻し控訴審判決の日を迎える。楢崎裁判長の判決は、
「第一審の判決を棄却する。被告人を死刑に処する。」
念願の死刑判決だった。本のページをめくり、私は本村氏や作者と涙を共有した。
この世は満更捨てたものではない。世間には今も、義を求める人間が沢山いる。本村氏を支えた吉村検事のみならず、彼の職場の上司たち、あすの会の人びとなど数多いる。ブログだから多くを省略・割愛しているが、義のある方々は、是非ともこの本を自身で読まれんことを。
本の内容をここにすべて書いたら、作者には迷惑しごくのおせっかいになる。敬服すべき作者へのせめての罪滅ぼしに、本の購読をお勧めしたい。もし私のように余裕の無い年金暮らしなら、図書館での借用を提案します。
「みみずの戯言」に相応しく、まとまりのつかない結末となったが、もし読まれる方がおられたら、何時ものこととお笑い下されたし。
書店で以前見かけた本、「なぜキミは絶望と闘えたのか」 本村洋の3300日
今回、「この命、義に捧ぐ」、「蒼海に消ゆ」も購入しました。
もう少し著者の本を読みたいと思っております。
「ディス イズ コリア」を読み、憂鬱な気分になった後の、この本に強く共感を覚えました。
裁判を題材した書籍も探して、2・3購入しました。 もっと時間が欲しい・・・・今の望みです。
お礼を言うのは私の方です。
「事実が知りたい」と、私の願いはそこにあります。
貴方もどうやら、そのようですね。心強いことでございます。
幾つになっても、へんてこな思想に凝り固まらず、売国の徒にもならずと、望みは高し、時間が足らず、嬉しい悲鳴でもあります。
どうか、これからもご指導ください。
世間を震撼させた事件の残忍さ、加害者が未成年というだけで
被害者の無念を省みない弁護士軍団、その弁護方針、
この世に正義はないものか、帰らぬ被害者と残された本村洋さんの無念、
私は、被害者の立場で事件を追っていました。
被害者の人権をもてあそび、是でもかと被害者の顔写真を世間にさらけ出すマスコミ、
加害者の人権のみを擁護する我が国裁判制度の欺瞞。
日本を愛する人間ですが、この現実の裁判制度に向き合うと、
ともすれば日本が嫌いになりますよ、矛盾が多すぎる。
この本をしたためた門田隆将氏の存在は、悲嘆に呉れる本村さんにとって、
干天の慈雨ではなかったか、私はそのように思っています。
みみず殿、長屋の爺殿、
まだまだ日本は、我々が睨んでおかないけませんね。
お二人のブログにどれ程勇気付けられるか、感謝です。
門田隆将 著
「蒼海に消ゆ」
「この命、義に捧ぐ」
読書中です。
本村氏に関して言えば、私のブログでは、弁護士たちのあの唾棄すべきやり方やマスコミの報道姿勢の歪みが、書かれておりません。
割愛した部分なのですが、本村氏の苦しみや、作者の取り組み姿勢の真摯さが、その分書き切れませんでした。
けれども、そうしたことは、ブログの容量から無理だったと自らを慰めております。
貴方の紹介されたこの作者の、土佐人らしい熱い作品が、沢山の人に読まれればいいですね。
また、コメントをお寄せ下さい。
辛い話が続きましたので今宵は気分を変えて昔の歌を聴いています。
三橋美智也 ♪ 赤い夕日の故郷 春日八郎 ♪ 山の
吊橋
若い歌手達の共演です。
私の両親は、もうこの世にはいません、どうかお母様を
大事にしてあげて下さい。
亡くなって判る親の恩、男はどこまで行っても母親には弱い。
演歌を聴いていると おふくろに 逢えるようです。
呼んでいる 呼んでいる 赤い夕日の故郷が、
失礼いたしました。
みみずのおじ様
みみずのおじ様の奥様 へ
ご仏前に座ささせて頂きます 。
お線香を ↑
e(_ _)m
黙祷 合掌
帰ってくるね 此処へ
あなた達の (≧∇≦) チャイ ちゃんが 。
たくさんの 笑顔の花で 迎えてあげて下さいね 。
誰よりも その笑顔の花を チャイちゃんが 望んでおりますから (≧∇≦)〓 。
大変に お世話になりました 。
たくさんの お気持ちを頂戴致しました事 を
こころより 御礼と感謝を 申し上げます 。
また お会いできましたなら 宜しくお願いを申し上げます 。
今は 静かに ゆっくりと
なににも追われずに やっております 。
重ねて
ありがとう存じました 。
この場所を お借り致しまして
憂国の士 様へ
えみちゃん を 2回 ありがとう存じました 。
どうか 皆様方々、お幸せに と 願います 。
ありがとう存じました 。
em(_ _)(`▽´)
えみ 礼 。
何かのドラマで
時代劇の中で
突然の別れを告げられ
嘆く女性の言葉
フイと それを思い出しました
貴方から突然のお別れを聞かされ
そんな思いに駆られた人は
少なくないことでしょう。
まして私は、愛する猫の死に際し
縋り付いた 貴方の言葉というか、
心といいますか、
今でも大切な宝物です
詳しいことは分かりませんが
聡明な貴方が、
熟慮の上で 決められたことなので
受け入れるしかありません
憂国さんに どうすれば伝えられるのか
心もとない自分です・・・・・。
私の方は 語りかけられなくなりましたが、
貴方からは それができます
何かの折、気が向いたら
お訪ね下さい
それにしましても やっぱり
ひと言
お前さん、。そりゃあ、あんまりな。
なんて かわいい方 (⌒~⌒)
えみ 如きに
もったいのう ございますよ (⌒~⌒)
あああ
困ったな
居場所 内緒ができないからな
みみずのおじ様 はさ (-"-;)
また 遊びに来ちゃいまちゅ
これなら 良いかしら
憂国の士 様なら 機械簡単に操作されますよね たぶん 。
だけど
「 オナゴ に 子供 用なし・要無し 」 だからね (笑)
みみずのおじ様より 伝言してね 。
「 ご本人様は たぶん お優しい方なんでしょう 」 ってね 。
また 伺いますね 。
では チャイちゃんと 奥様に
4 6 4 9 です 。
えみ (`▽´)
えみちゃんはみみずのおじ様の悲しいときに随分勇気付けてあげられましたね、
猫ちゃんとの辛い別れに、どれほど救われたことでしょう。
あなたの優しさと、それとは別の強さを憂国の士は知っています。
花のように可憐な中に、国を思うつよい心が有ることを、
憂国の士はみみずのおじ様と共通の師を抱いています。
毎夜、読書中、啓蒙はどんな年寄りにも響きます。
えみちゃんは、憂国の士とみみずのおじ様の「マドンナ」
です、いつまでもその笑顔を忘れないでください。
さよならなんて 言わないで・・・
(⌒~⌒) 笑顔の花を
たくさん、たくさん
えみと一緒に
咲かせましょう 」
こころ
「 絆 」
開くページには
記されてるよね
今も 繋がり綴る
「 絆 」 が
君 との こころ
YOU and I
また 伺いますね 。
では ご機嫌よう
「 あああ
参ったな ルン 」
みみずのおじ様 と 憂国の士 の おじ様 へ
えみ より