1.「馬渕睦男 VS 伊藤貫 ( 1 ) 」 2. 「馬渕睦男 VS 伊藤貫 ( 2 ) 」
前回、半煮え料理と言いましたのは、二つの理由からでした。
1. あまりに唐突な、伊藤氏の日本核武装論に関する質問
2. 唐突な質問に対する、馬渕氏の拍子抜けのする回答
中国、北朝鮮、ロシアの核が日本に照準を合わせ配備されている現在、日本の核武装論そのものを、私は否定していません。今のままでは座して死滅するだけですから、実際に核武装するかしないかは別にして、対抗策としての核武装を議論することは当然でしょう。「やられたらやり返す ( 相互主義 ) 」というのが国際常識ですから、周辺国の脅しにすくんでいるだけというのは一人前の国がすることではありません。
中国、北朝鮮、ロシアの核は、日本駐留の米軍基地を狙っているという説明ですが、広島・長崎に投下された原爆の千倍とも言われる威力の核爆弾です。「第三次世界大戦」は、地球破壊規模の大戦争になりますから、簡単に発射しないのでしょうが、不測の事態が発生したら、一発のミサイルで日本は壊滅状態となります。
ウクライナ侵略戦争で、プーチン大統領が実際に核の脅しをかけ、国連の無力さが世界に露呈しました。また中国の将軍は、いつまでも日本がアメリカ側につくのなら、中国には日本を破滅させる力があると脅します。
たとえそうだとしても、伊藤氏の問題提起は唐突過ぎます。質問をするのなら、前提となる国際情勢を述べ、自分の意見を語ってから始めるのが順序というものでしょう。馬渕氏がグローバリストの金融資本家勢力の説明をしている時、邪魔をするように質問をするのですから、礼儀を欠いています。
一方馬渕氏について言いますと、唐突な質問だとしても、「差し迫った危機」を目前にしている時、やるべきことは「国民の精神武装」だというのが果たして答えなのでしょうか。伊藤氏の質問がなくとも、中国、北朝鮮の核の脅しが日常的にされている現在、具体的な考えを用意しているのが日本を愛する保守言論人でないかと、自分はそう考えます。
覚えている人もいると思いますが、日本で初めて「核武装論」の必要性を語った政治家は中川昭一氏でした。氏はタカ派の自由民主党議員の中心にいて、戦後日本の風潮を慨嘆していました。平成21年10月、氏は寝室で倒れているところを発見され、死因は急性心筋梗塞と発表されましたが特定には至らず、暗殺されたという噂も残っています。
日本国内で「核武装論」を封じ込めている勢力は、共産党を中心とする反日左翼勢力ですから、私自身は中川氏の意見を是としています。中川氏だけでなく、「核シェアリング」を語った安倍氏も、暗殺されました。世界で唯一の被爆国である日本は、決して核を持ってならないという意見が支配する日本で、核武装論を口にすることはある意味では命がけの行為です。従って伊藤氏のように、唐突な質問をするという不躾は視聴者に異様な印象を与えます
私と同じ思いをした視聴者の方々が、動画にたくさんのコメントを寄せています。伊藤氏に賛成する人、馬渕氏に同意する人、伊藤氏を批判する意見、馬渕氏を否定する意見など様々です。相反する意見ですが、どの意見にも私は同意してしまいました。それほどこの動画がした問題提起が複雑だったのではないかと、そう考えています。
次回は、そのコメントを紹介いたします。