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伊藤貫の真剣な雑談 - 29 ( オルブライト長官の発言 )

2023-08-05 07:05:58 | 徒然の記

  4. 「伊藤貫の真剣な雑談 ( 第2回後半 )」 ・・「再生産される悪夢・国際政治3学派の蹉跌」

 ・最近ではオバマ政権が、エジプトで「アラブの春」を起こし、モサディク大統領を引き摺り下ろした。その後民主的な選挙をやってみたら、イスラム同胞団の男が大統領に選ばれた。

 上記は前回紹介した伊藤氏の説明ですが、大統領の名前が自分の記憶と違うので、ネットで確認し外務省のメルマガを見つけました。長い文章ですが、そのまま転記します。

 「チュニジアの民主化デモは、国境を越えて各国に波及しました。エジプトでは,2011年1月25日以降,国内で反体制デモが発生。首都カイロをはじめ,全国各地でデモに参加する市民の数が増え続け,同年2月11日,ムバラク大統領が国軍最高会議に権限を委譲し,30年に及ぶ長期政権が崩壊。」

 氏は大統領の名前をモサディク氏と説明していましたが、ムバラク大統領の間違いで、モサディク氏は、アメリカがかって追放したイラン大統領の名前です。

 「また同年11月より実施された人民議会選挙の結果,自由公正党(ムスリム同胞団公認政党)が47%の議席を,またイスラム厳格派ヌール党も約24%の議席を獲得しています。2012年5月に大統領選挙が実施され,その後民政移管する予定となっています。」( 外務省のメルマガ )

  2012年5月の大統領選挙で選ばれたのは、ムスリム同胞団のムハンマド・ムルシー氏です。べトナムの大統領を「こいつ」と呼んだ氏が、ここではムルシー大統領を「この男」と言って憚りません。アメリカの国際政治学は世間常識だけでなく、礼儀も無視する学問なのかと思いたくなります。

 ・2013年、ウクライナで民主的な選挙により大統領が選ばれた。しかし彼がロシアと仲の良い人物だったので、アメリカのCIAと国務省が大きな暴動を起こさせた。

 ・現在バイデン政権のN03である、ビクトリア・ニューランド国務次官 ( 彼女はネオコン ) が、この時ウクライナに飛んで行き、国内動乱を煽り、次の首相を勝手に決め、大統領を追い出した。

 ・要するにアメリカは、民主主義が広まれば世界が平和になると言いながら、民主的な選挙で指導者が選ばれても、自国に都合の悪い人物だとクーデターを起こし、追放してしまう。あるいは殺してしまうのである。

 楽しそうに喋る氏を見ていますと、ここまでアメリカ政府の内情を暴露して大丈夫なのかと、今度は心配になってきます。

 ・もう少し具体例を言うと、クリントン政権の国務長官だったオルブライト氏が、1998年に語った言葉がある。

  「アメリカは他の国に対し、一方的に軍事力を行使する権利がある。」

  「もし我々が軍事力を行使しなければならないとしたら、それは我々の国アメリカが、世界にとってかけがえのない国だからだ。」

  「我々はその場合、国際法を無視し、他国を一方的に攻撃しても良い。」

 日本のマスコミは中国や北朝鮮、あるいはロシア政府高官の一方的な脅しを伝え、私たちを不愉快にさせますが、オルブライト氏の発言は報道しませんので日本では知られていません。氏の発言の傲慢さと身勝手さは、中国、ロシア、北朝鮮と何も変わりません。今のところ、日本に対し中国、北朝鮮、ロシアは「口撃」だけですが、アメリカは大東亜戦争以来、日本をずっと「攻撃」し続けていますから、要注意なのはアメリカなのかもしれません。

 暑い日に、熱くなる話でやり切れませんが、「貫さんは、今日はどこまで行くのやら」と、行けるところまで行ってみましょう。

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