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ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

敵基地攻撃能力 ( 知るべきは、ドイツと日本の違い )

2020-08-07 17:26:13 | 徒然の記

   7月29日の、虎ノ門ニュースの動画を観ました。

 ゲストが、元海上自衛隊海将伊藤俊幸氏と評論家の有本香氏で、テーマは、

  「自衛隊の『敵基地攻撃能力』に関する誤解」についてでした。

 この問題が最初に現れたのは、6月16日に河野防衛大臣が、「イージス・アショア配備計画」を断念すると、発表した時からでした。当日の千葉日報では、「イージス・アショア配備計画」につき、次のように説明しています。

  ・イージス艦と同様の、レーダーやミサイル発射装置で構成する、地上配備型の弾道ミサイル迎撃システム

  ・陸上にあるため、イージス艦と比べ常時警戒が容易で、長期の洋上勤務が不要となり、部隊の負担軽減につながる。

  ・政府は平成29 ( 2017 ) 年に、秋田県と山口県にある、自衛隊演習場内に、2基の導入を決定した。

 私がここで、虎ノ門ニュースの話を離れ、新聞の記事について述べるのには、それなりの理由があります。先日のブログで紹介しましたとおり、ドイツは、基本法 ( 憲法 ) と、安全保障問題について、国論を二分する議論を経て、NATO軍との一体行動を是とする結論を出しました。

 第二次世界大戦の敗戦国であったドイツは、日本と同様に、米国が関与した基本法 ( 憲法 ) により、武力行使に足枷をはめられました。つまり「ドイツ軍に許されている活動は、防衛のみ」と言う規程で、私たちに馴染みの深い言葉に言い換えますと、「専守防衛」です。

 現在のドイツ軍は、NATO軍と国連の指揮下にある場合は、他国軍と同様の行動が可能となっています。国家の安全保障問題について、戦後74年をかけても結論の出せない日本と、2年間で結論を出したドイツとの違いを、前回報告しました。

 同じ敗戦国であり、同じく連合国による軍事法廷で裁判をされながら、日本は軍隊を解体し、ドイツは軍隊を維持した事実に、注目する必要があります。諸説があるようなので、深入りをやめますが、ネットで調べますと、昭和20年に日本は軍を解体し、陸軍を「第一復員省」、海軍を「第二復員省」と名前を変えています。

 戦勝国は、敗戦国の軍隊を必ず解体すると言う話があります。ドイツの軍隊が維持され、日本が解体されたところには、連合国軍というより、アメリカの意思が働いていた、と考えるのが自然です。

 戦勝国が触ってはならない憲法まで、アメリカは日本に押しつけていますから、ドイツとの違いは、同じキリスト教を信じる、白人同士と言うところにあったのでしょうか。

 「自衛」の場合にしか武力行使ができないと言う、アメリカの干渉を受けながらも、ドイツは軍を維持したのですから、ここは日本との決定的な違いです。

 政治家や評論家の中には、

 「日本の憲法は、世界一進んだ思想で作られている」

 と見当違いの自慢をし、国民をたぶらかしている者がいて、多くの人間がその気になっています。

 憲法についてこれ以上は言及しませんが、私たちは、そろそろ幻想と決別し、本気で国の安全を考える時期に来ています。

 平成21 ( 2009 ) 年時点での、各国が所有する核弾頭数は次のとおりです。

   ・アメリカ  9,400発      ・ロシア  13,000発

   ・イギリス   185発      ・フランス  300発 

   ・中国     240発      ・インド   60 ~ 80発

   ・パキスタン  70 ~ 90発     ・北朝鮮   10発 ?

   ・イスラエル  80発 ?

   この核弾頭を搭載できるミサイルを、中国は日本に向け、1,000発設置し、北朝鮮は 2 ~ 300発準備していると聞きます。核弾頭やミサイルの数は、確実な情報とは断定できませんが、こうした状況が、日本の周りにあるのは事実です。

 「日本がアメリカに従うのなら、東京を一瞬のうちに灰にしてやる」

  と、中国解放軍の将軍が脅したり、

 「核は、国を守る最高の武器だ」

  と、北朝鮮が得意がるのは、少なくとも、こうした事実が存在している証拠になります。

 河野防衛大臣の発言から始まった、自衛隊が「敵基地攻撃能力」を持つのは是か否かと言う議論が、どれほど焦点の外れた議論であるのか。

 私は是非ともこれを、大切な息子たちに伝えたいと思います。終戦の日が近くなり、マスコミが行う「戦争特集」が始まろうとしているせいなのか、「敵基地攻撃能力」の議論が、歪んだ形で発信されています。反日・左翼の野党や、反日の学者や評論家だけならまだしも、肝心の自民党の政治家たちも、曖昧な議論を進めています。

 これでは「憲法改正」と同様に、問題が先送りされるだけで、日本の安全が脅かされます。なぜ政府は、事実を国民にわかりやすく説明しないのか。政府自民党への怒りを含めて、「ねこ庭」に向かっています。政治家も学者も、文化人と称する人間も、マスコミ各社も、果たして本気で日本のことを考えているのでしょうか。

 次回からは、虎ノ門ニュースと、新聞記事のスクラップで、日本の状況を説明いたします。

 息子たちに言います。

 ・他国頼りでなく、自分で考えないと国がなくなります。日本がどんなにおめでたい国なのか、目を開いて見なさい。

コメント (6)
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