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ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

1994年世界はこう動く - 5 ( ドイツと日本の比較 )

2020-08-03 22:16:25 | 徒然の記

  現在125ページです。ジョージタウン大学教授、アンジェラ・ステント氏の「ドイツ・EC  1994 」を読み終えました。この本に参加している人物の叙述を、私は以後、「論文」と呼ぶことにします。

 アンジェラ氏の論文について述べる前に、私が、現在ドイツについて知っていることを、箇条書きにしてみます。

   1. 大東亜戦争時に、日本はヒトラーのドイツと同盟を結び、ヒトラーの現実主義 ( 自国中心主義 ) に翻弄された。 

   2. ヒトラーはユダヤ人を憎悪し、大量虐殺を実行した。アウシュビッツ等の強制収容所で、600万人を殺害した。

   3. 同じ敗戦国として、常に日本はドイツと比較され、他国からだけでなく、国内にいる「お花畑の住民」たちからも、反省が足りないと批判されている。

   4. 敗戦後に、東西に分断され、長らく同じ民族同士で対立してきた。

   5. ベルリンの壁が崩壊し、東西ドイツが一つになった。

   6. 現在の首相は、東ドイツ出身のアンゲラ・メルケル氏であること。

   7. 豊かな西ドイツが、貧しい共産主義の東ドイツと合併し、様々な困難が生じたが、現在ではEUの中で最強の国となっている。

   8. 経済的には世界市場で日本と競合し、親密な関係ではない。

   9. カントの哲学や、ゲーテ、ヘルマン・ヘッセの文学が知られている。

 日本のマスコミも、メルケル氏の「移民受け入れ政策」や、人種排斥をする若者の騒ぎなどを、時々報道する程度ですから私の知識もお粗末です。物知り顔でブログを書いていますが、マスコミが伝えること以外は、何も知らないという事実が分かりました。マスコミ批判ばかりしていますが、大きな影響を受けている自分を、教えられました。

 ステント氏の論文のおかげで、ドイツを教えられ、眼から鱗の勉強になりました。

  ・1994 ( 平成6 ) 年のドイツは、統一によって引き起こされた、様々な内外問題との格闘を、引きずることになる。今国民大衆の間に、広く漂っているムードは、「政治的幻想からの目覚め」、という一言に集約されるだろう。

  ・金銭的、個人的スキャンダルによって、政府高官の辞職が相次ぐにつれ、国民の政党指導者への批判は、ますます強まってきた。この国は今、捉え所のない不安に襲われ、「政治へのシニシズム ( 冷笑主義 )」 がはびこり、政党の弱体化が進んでいる。

  ・そして日本同様、自分の国が、一層国際的役割を果たすべきか否か、という論争も盛んである。ただしドイツは日本と違って、もうひとつ大きな困難に直面している。

 氏が説明しているのは、現在のドイツでなく、27年前のドイツです。EUの優等生と思っていましたが、道は平坦でなかったようです。

  ・ドイツ社会は現在、ヨーロッパにおける共産主義の崩壊と、崩壊した諸国の再建問題がもたらす、格別な重荷にあえいでいるのである。

  ・旧東ドイツを統合する作業には、種々の困難が付き纏い、それが、国民の政治的幻想からの目覚めを、加速させてきた。旧東ドイツ地域の住民は、生活の改善が遅々として進まないことに、苛立ちの色を濃くしている。

 こういう話を、耳にしないではありませんでした。中国や韓国のことだと、すぐに反応しますが、遠いヨーロッパですから、身につまされることなく聞いていました。

  ・統一後のドイツがどうあるべきかについて、東西どちらの地域のドイツ人も、依然として、手探り状態を続けている。新しい国家的アイデンティティの創造が、焦眉の課題となっているのである。

 同じ民族同士とはいえ、全体主義の国と、自由主義の国がひとつになるのですから、簡単ではないはずです。韓国と北朝鮮がひとつになるのと同じ話ですから、上を下への大騒ぎで、流血の事態が生じても不思議はありません。

 しかし私の前にあるドイツは、立派に統一された国で、首相は東ドイツ出身のメルケル氏です。氏はドイツ国内だけでなく、EUのリーダーとしても指導力を発揮しています。ですから私は、ドイツは困難もなく、統一事業を完成したとばかり思っていました。

  ・わが国の政治は、アメリカのように、国民の夢に訴えかけることができません。そもそもドイツの夢などは、存在しないのです。あるのは、ドイツの悪夢だけ。

   ・ベルリンの壁が崩れた現在、人々は、あるべき正常な姿への復帰を、口にします。しかしドイツの歴史にとって、正常な姿とはどういうものでしょうか ? 。 そして正常な状態への復帰とは、何を意味するのでしょう。

 信じられない思いで、氏が紹介する政治家の意見を読みました。日本の現在より、深刻ではないでしょうか。左右の対立があるとしましても、日本では政治家も国民も、「あるべき日本の姿」については、次のように別々の夢と希望を持っています。

  1. 保守を任ずる政治家たちと、国を大切にする国民の希望

   憲法を改正し、自国の安全を守る軍を再建することと、日本の歴史と伝統を守るため、皇室の護持をすること。

  2. 反日・左翼の政治家たちと、彼らを支持するお花畑の国民の希望

   日本は現行憲法、特に九条を守り軍備を放棄し、自分の国が滅んでも、外国に反撃しないこと。戦前の全てを反省し続け、小さくなって生きること。

 旧東ドイツにいた政治家たちは、日本の反日・左翼政治家とは違っているようです。軍隊も否定していませんし、自国防衛にも反対していません。そうしますと、やはり日本の方が、深刻な政治状況かと考えたくなります

 ドイツに学べと、言っているのではありません。同じ敗戦国でありながら、日本とドイツは、どうして違うのか。私は、それが知りたいのです。

 スペースが無くなりましたので、続きは明日といたします。「武漢コロナ」と同じくらい大切な問題ですから、息子たちのためにも続けたいと思います。

コメント (2)
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