龍柱について書く前に、那覇市長の翁長雄志氏について少し述べよう。
県会議員時代の彼は、自民党に所属していた。市長になる前から無所属になり、自称「保守系」と称し、選挙では、自民党のみならず民主・共産・公明の支持を受け、連続4期の当選を果たしている。
金城テルさんは、若い時から保守の市民活動家で、沖縄では、知る人ぞ知る人である。今はチャンネル桜の「沖縄支局」で、キャスターを務めておられる。私は高々70で年寄りじみたことを言っているが、テルさんはずっと年配なのに活発な方である。沖縄を誇りにし、日本人であることを誇りにし、戦後に移住して来た左翼活動家が大嫌いだ。
中国に靡く沖縄県人にも、厳しい意見で、あんな国に飲み込まれたら大変なことになると、警鐘を鳴らし続けている。
その彼女が大反対しているのが、この「龍柱」である。片や、誰が何を言おうと、計画を推進しているのが、自称「保守」の翁長市長だ。港から那覇市庁舎のある場所まで、立派な広い道路がまっすぐに延びている。
道路は、那覇市の中心に向かう、メイン通りだ。港に面したこの道路の入口に、左右一本ずつ龍柱は建てられる。高さ15メートルという巨大な柱だ。那覇市の説明では、観光客を歓迎するモニュメントらしいが、テルさんの説明では、柱に彫られた龍の手の爪が問題であるらしい。
4本の爪は沖縄が、中国の「属国」という意味を表しているのだという。
道路脇の表示板を見ながら、テルさんの説明を聞いていると、次第に杞憂でないことが分かって来た。杞憂でないどころか、とんでもない計画であることが、判明して来た。県庁に至るメイン道路の途中には、立派な孔子廟があり、何とか言う公園があり、再現される久米村があり、これから整備される商店街や町並みがある。
この宏大な土地は、やがてチャイナタウンとなり、中国人たちが多数移り住むようになるのだ。テルさんは、このキッカケとなるのが龍柱だと言い、何としても建設を阻止しなくてはと訴える。
チベットやウイグルだって、あるいは台湾だって、中国は大量の漢民族を移住させ、住み着かせ、いつの間にか軍隊を派遣し、有無を言わせず国を奪って来た。似たようなことが行われつつある、と分かるので、私はテルさんと同じ危機感を抱く。
龍柱二本の建設費として、翁長市長が計上したのは、約1億7000万円だ。なんとこれらは、すべて中国に発柱済みという。テルさんたちが調べた処では、中国での作成費は4000万円であり、あとの1億3000万円はどうなっているのか不明らしい。
随分いい加減な工事の発注だと、呆れていたら、なんと、これには、国からの一括交付金が使われていると言う。つまり、私たちの税金である。
先日テルさんたちは、東京に来て、自民党の議員に説明をしてきたと言う。「へえ、そんなことですかと、先生たちは驚いておられました。」
彼女の話を聞いていると、何も知らない、呑気な国会議員に、私の方が驚いた。危機感の欠如に、さぞテルさんは落胆したろうと同情した。
沖縄では翁長氏ばかりでなく、県知事も各市長も、毎年中国を訪問している。個人旅行でなく公費で、言わば国から貰った税金で交流をし、親睦を深めている。これは私も以前から知っていたので、こうした流れの中でテルさんの話を聞き、肌寒いものを感じた。
このままでは、沖縄は危ない。
中国は、軍隊や武器を使うまでもなく、既にこうして、沖縄の政治家たちを手のうちに入れている。今度の知事選に立候補している大西浩氏は、沖縄独立論者だ。
「私が知事になったら、米軍を撤退させ、代わりに中国と韓国軍を駐留させます。」
開いた口が塞がらないような公約を掲げ、彼が、市内をデモ行進する動画があるので、興味のある人は見ればいい。私は、二度と見たくない。
沖縄の人口は、現在およそ130万人。敗戦直後の人口は60万人で、これが沖縄本来の人口だと言われる。後の70万人は、本土からの移住者で、これがいわゆる左翼活動家たちだ。日教組の定年退職者が多いと、沖縄の保守の人たちが説明してくれる。何でも反対と騒いでいるのは、こういう人間たちで、沖縄に住む本来の住民は、ほとんど黙っているとのこと。
戦後の人口増のスピードは凄いもので、年々一万人以上の増加だったらしい。本当かウソか確かめていないが、そんなものだろうと思っている。こうした事実を知らないで、元外務官僚の佐藤優氏が語っていた。
「右翼は、沖縄で騒いでいるのは、外部から来た人間だと言っていますが、」「とんでもないことです。ほとんどが、沖縄の人なのです。」「政府がこんなことをしていたら、沖縄独立論だって出てきますよ。」
佐藤優氏を、もう少しましな人物と思っていたので、この話を聞いたとき、龍柱の税金浪費と同じくらいに驚いた。彼もまた、危機感のないというか、反日売国の官僚の一人だったのかも知れない。あっちもこっちも、日本には獅子身中の虫が蠢いている。
だから私は、こうした虫どもを育成・保護した、朝日新聞とNHKが許せない。足が不自由でなかったら、チャンネル桜の朝日新聞を糺す会で、デモ行進の先頭を歩きたい。