ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

丹羽元大使の講演

2014-07-03 12:15:07 | 徒然の記
 平成24年12月、丹羽氏が日本記者クラブで行った講演の動画を偶然見た。

尖核問題がキッカケとなり、反日の暴動が起こったときの大使が、どんな思いで任に当たっていたのかに興味を抱いた。

穏やかな笑みを浮かべながら静かに語る姿は、聞く者の心を惹きつける魅力があった。どちらかといえば、感情を露に話す人物より気持ちを抑えて語る人の方に好感を持つので、私は氏の話に期待した。二年半の在任中に習近平、李克強など、中国の指導者たちと頻繁に会い、親しくさせてもらったと楽しそうに回想する彼を見ているうちに、かすかな失望が生まれた。話が進むにつれ、それは幻滅となっていった。

「国益とは、国民を幸せにすること」と彼は定義し、日中が仲良くすることが両国最大の利益であり、国民の幸せにつながると語る。中国の指導者たちは全員がそう思っており、争いを避けようとしていると続ける。彼の話を聞いていると、争いたくない中国を刺激し、怒らせているのは日本の政治家や国民の方だとそういうふうになってくる。

平穏な時の日中関係を語るのなら、彼の意見も一つの見方と取り上げもするだろうが、愛国無罪の暴動で日本を罵り、尖閣諸島への領海侵犯を繰り返している最中に、いったい丹羽氏は何者なのかと疑問が湧いて来た。日本は「同朋社会」であり「閉鎖社会」であると、彼は言い、これがかって米国での排日・反日へとつながり、今の中国でもそのように見られていると、次第にエスカレートする。ラテン系の人間に比べると、日本人は勤勉すぎる。貯金をしたり、外国で土地を買ったりして、不信感を抱かせ、しかも日本人だけで固まり、他民族との交流がない。


 もし中国でそう誤解されているのなら、彼が誤解を解く働きをすれば良いのに、一緒になって同意しているのだから話にならない。勤勉だったり貯金をしたり、それが悪いというのなら、浪費するラテン系の人々を誉めているのだろう。しかしどうだろう。中国人は世界のどこへ行っても中華街を作り、華僑社会を作り、外国の経済まで牛耳っているではないか。伊藤忠の会長までやった人物が何を言っているのだろうと耳を疑う。

「私はアメリカの大使に言ったんです。アメリカのデモクラシーが世界一ですか。中国の体制が駄目なんですか。」「夫々の国に夫々の体制があるのです。民族も違う、宗教も異なる13億人もの人間を統治するには、デモクラシーでは駄目なんですよ。」「中国は、政治的にも経済的にも、壮大な実験をしているのです。日本以上に問題を抱えながら、頑張っているんです。」


 こうなると、彼は中国政府の公報マンでしかなく、日本の国益を担う大使の姿はどこにもない。こんな人物が中国大使になったのかと不思議でならないが、民主党政権が任命した大使と知れば、納得する。間違いなく反日・売国の大使だった。別に日本人を賛美してくれとか、万邦無比の民族だとか、そんな話をしてくれとは言わない。外国が悪し様に言う時、そんなことはありませんよと、静かに説明をしてくれと注文しているだけのこと。


 それにしても、「日本記者クラブ」とは何なのだろう。これもまた日本の中にある反日の組織か、獅子身中の虫たちが集まる場所なのか。
そんなことも知らないのかと揶揄されるのかも知れないが、私はこんな組織のことなど知りたくもない。
コメント (12)
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