ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

外国人研修制度

2014-05-06 14:06:13 | 徒然の記
 これまで何となく知っていたけれど、改めて考えずにおれなくなった。
経済発展のため今後は移民を受け入れ、人口の減少を補って行くと、そんな無謀なことを政府が言い出したからだ。移民計画の基礎になるのが、現在の「外国人研修制度」と聞き、俄勉強を始めたということ。

 研修員制度の目的は、開発途上国への国際貢献と国際協力で、日本の技術、技能、知識の習得を支援する制度だと、とても立派なことが述べられている。推進団体は、「財団法人国際協力研修機構」略してジッコ ( JITCO )というらしい。関係する省庁は、厚生労働省、経済産業省、法務省などだが、そうなるとジッコはいわゆる政府の外郭団体であろうし、各省庁からの天下りが役職を占めていると想像できる。

政府の外郭団体の中には国民の期待に添うチャンとした機関もあるが、たいていは役人たちの互助組合みたいなものが多いと相場が決まっている。研修制度で来日した近隣諸国の若者たちに関する、過去の新聞報道を思い出すと、農業研修に来た中国青年が研修先の農家の夫婦を惨殺したとか、首をかしげたくなるような事件がある。

 中国研修生を3名受け入れた今治市のタオル業者は、賃金不払いで監督署の是正勧告を受けると、研修生たちを騙して中国へ連れ戻り、そのまま現地で放置したのだという。長崎の長与町の会社は、バングラディッシュから受け入れた女性に給料10万円を直接払わず、中間業者に9万円渡し、本人には一万円しか与えなかった。彼女が京都地裁に訴えて判明したのだという。長崎で働く彼女がどうして京都地裁なのか、詳しいことは不明だが、調べ出すと、気の滅入るような事件が次々と出てくる。

 最低賃金法違反、時間外の不払い、パスポート取り上げ、強制貯金、保証金・違約金による身柄拘束など、言葉の通じない彼や彼女らの弱い立場につけ込んだ残酷な仕打ち。ジッコの高邁な目的はどこかへ消え失せ、主に3K現場での人手不足を解消するための、低賃金労働者を集める制度に成り果てている現実だ。

 資料が少ないので断定できないが、平成17年の研修生数は83,319人だという。この内中国人が66%を占め、残りがインドネシア、タイ、ベトナム、ネパールの順らしい。平成19年には、米国務省から人身売買の指摘をされ、制度の廃止を提案されていたというのだから驚かされる。

 いったい、こんな事実を私たちはどれだけ知っているのだろう。「国民の知る権利」を主張するマスコミは、どのくらい本気で報道して来たのか。こんな恥ずかしい事実が、政府の絡んだ制度の中で起こっているということを、どうして黙っておれるだろう。

 人道を外れた行為への糾弾には、右も左もない。制度を悪用する人間どもは、悪いものは悪いと懲らしめねばならない。黙認し、知らぬ顔をして来た役人どもにも、相応の罰がなくて良いのか。帰国した若者たちは反日どころか、日本憎悪の固まりとなってしまうのが落ちだ。こんなことで、何が国際貢献か。中国の若者の反日にだって、これでは文句がつけられない。

 良識のある、礼儀正しい日本人はどこえ消えたのか。制度をめぐる日本人たちは、悪意にまみれ、金儲けを優先し、弱い人間を食い物にする下司ばかりということか。
現実とはこういうものと知っていても、具体的事実を知れば放置できない。まして、こんな制度を土台に移民計画が政府の手で作られるなど、どうして許せるのか。これを許せば、近隣のアジア諸国になんと言われることだろう。


「日本人は、立派なことを言っても、やっていることは違う。」「信用できない、ウソつきたちだ。」
研修員制度の事実に即し非難されたら、私は恥じて頭を垂れるしか無い。安倍総理に関して暫く離れると述べたが、そうは言っておれなくなった。

「研修員制度の上に立つ移民計画なんて、とんでもない。貴方は美しい日本のため首脳外交を展開しているが、足下ではこんなていたらくを放置している。移民計画なんて、国を滅ぼす愚策の愚策。」「ご先祖様に顔向けできるのか。」・・・・。 

 声を大にし反対したい。



コメント (2)
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