ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

春の庭

2013-04-03 15:10:21 | 徒然の記

 今、わが家の庭で一番美しいのは、はなづおうと姫リンゴの花だ。満開である。

 はなづおうは濃いピンクで、姫リンゴは真っ白な花びらに、ほのかに桃色がかかる。毎朝雨戸を繰り庭を眺め、花に見とれるが、花の咲いている時期は短く、散るはかなさに切なさを覚える。

 今日の天気は、一日激しい雨風の予報なので、いっそうその感が深い。花ほどの美しさはないけれど、やがて自分も枯れ果てる日が来るのかと、よろこびの季節につい悲しみを味わう。

 このまま春の庭で、ものの哀れに浸るのも一興だが、気まぐれな心は、すぐに移ろう。

 名前はいかめしいが、庭の片隅で、清楚な薄紫の花を咲かせる、オオアラセイトウも好きな花だ。冬の間苦労して、家内と手入れをした甲斐があったのか、今年は花木がすべて生き生きとしている。

 いつもなら、ひょろひょろと茎を伸ばす、踊り子草や花ニラも、シッカリ葉を広げている。小さな花壇の一角では、オレンジミントが、手で触れると良い香りを漂わせる。緑葉に洒落た白筋模様のラミュールが、倉庫の壁際の地面を勢い良く覆っている。

 冬の間、枯れかけていたカラミンサが、株分けし土を入れ替えてやったら、元気に芽吹き、私を喜ばせる。こうして、細かなことを書いていると、切りがないほど楽しくなってくるが、花に無縁な人には、何とも詰まらないブログと成り果てているに違いない。

 自分の楽しみを第一として書いている「みみずの戯言」だが、それでも何人か、私以外に読んでくれる人(物好きな人間)がいるのだから、庭についての叙述はこのくらいにしておこう。

 天気は大荒れだが、私の心は、静かに平和で喜びに満ちている。天気が悪くても、気持ちが弾むなど、こんなこともあるのか。

 明日は高気圧が張り出し、好天になるというから、ホームセンターで土を買い、残った植木鉢の手入れでもするとしよう。ついでに、溜まった洗濯物も片付けたら、気分が爽快になるだろうと、今の私の楽しみはこんなものだ。地に足がついた、生活者の実感でないか。

 大震災の被災地の人びとが聞いたら、なんて幸せな奴だと羨まれるに違いない。申し訳ないことである。

コメント
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