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永遠の都ローマ

2008-11-01 23:01:22 | インポート
僕はローマに行ったことはないが、ローマにもピラミッドがあるそうだ。
ガイウス.ケスティウスという人の遺言で、BC1世紀につくられた墓だそうだ。
有名なのだろうか、キルヒャーは「シナ図説」で、パゴダをピラミッドと勘違いしている。
この展覧会の主役ピラネージも、当然これを描いている。
ピラネージといっても馴染みがないが、カタログをみると日本では開かれた展覧会がほとんどない。
しられていてもユゴーやバルザックに与えた影響で、「牢獄」の人というイメージがあるようだ。
しかしこれは真のピラネージの姿ではない。
彼は建築家を志した、当時は建築家の需要がなく、建築家にはなれなかったが、生涯建築家と名乗っていた。
そんな18世紀の版画家ピラネージを紹介する貴重な展覧会が町田市立国際版画美術館で開かれている、これがまた面白い。
この人はヴェネチア生まれで、齢二十歳でローマに出るが今述べたように当時のローマは建築不況で仕事がない。
その代わり当時のイタリアは古代ローマ遺跡の発掘がはじまったところで、ピラネージもこれにのめりこんでしまう。
しかし仕事もしないといけないので、当時のローマ風景を「ローマの景観」という連作に残す。
これがローマを訪れた外国人に好評を博し、生活も安定して、先の「牢獄」を描く余裕も生まれたし、考古学活動もできるようになったそうだ。
かくして「ローマの古代遺跡」をはじめとする成果がうまれる。
想像力も駆使して描かれた古代ローマはピラネージにとって豪華壮麗なる理想都市だ。
たとえば展示61の古代のマルスの競技場、などをみるとそのことがよくわかる。
彼は昔あったローマではなくあるべきローマをほりつづけたのだ。
理想都市ローマ、ムソルグスキーの「展覧会の絵」を無性に聞きたくなった。