音声ガイドを聞いていると「ここでクイズです」ときた。
「モディリアーニの絵画には瞳のない女性が登場するがそれはなぜ?」
「答えを知りたい方は50番をお聞きください」
それではと聞いてみると彼の彫刻には瞳が掘り出されていないものが多く、それに倣ったという。
そうだ、モディリアーニは初期は彫刻家を目指していたのだ!
国立新美術館で本日よりはじまった「モディリアーニ」の展覧会、ひょんなことからチケットが入ったので初日に行く。
展示数はさほど多くない、150点とか書いてあるが素描も相当あるので絵画の数はさほど多くない。
前半に「カリアティッド」という作品がたくさん並ぶ。
これは古代ギリシアの神殿建築を支える女性をかたどった柱のことで、モディリアーニは1910-1914にかけて彫刻で「逸楽の神殿」を夢見たという。
しかし健康上の理由から彫刻をあきらめ絵画に専念するようになったという。
この展覧会はいわゆるプリミティズムの影響をモディリアーニに探ろうとするが、彼の肖像画のモデルが誰なのかわからないことが多いように、プリミティズムの影響もあると思えばある、そんな程度のものだ。
さて絵画に転じたモディリアーニ、まず目を引くのが「クララ」という作品と「ライモンド」という作品だ、対になっている。
この「クララ」は誰なのかわからないようだが、対をなす二つの作品からは僕らは彫刻家としての資質が絵画に反映されたその最も美しい例を見出すことができる。
スーティンを描いた作品もある、互いにボヘミアンで貧しい画家だった二人は意気投合し、友情の証としてスーティンを描いたようだ。
モディリアーニといえば裸婦だ。
展示されている絵画作品は一点だけだが、スケッチではたくさん裸婦登場。
女性の陰毛を描いて警察沙汰になったとか!
「少女の肖像(ユゲット)」はこれまただれだかわからないが、肖像画の中でもっとも有名な一つで確かに愛らしくかわいらしい。
素描の中では珍しく風景画も出てくる。
しかし出品目録を眺めてみると個人蔵の作品があまりに多い。
これを一つ一つ交渉して出品したのだから大変だったのだろう。
帰りに「ぐるっとパス2008」のリストをもらう。
何と今年は三井記念美術館が無料で入れるではないか!
四月以降の楽しみがまた増えた。