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デンマークの英雄へ

2005-11-22 22:59:23 | アート・文化
デンマークといっても北欧に位置しているという認識しかなかった。
よくよく地図を見るとドイツの北の半島と島嶼からなる国だ、首都コペンハーゲンはシェラン島にある。
そんな北の国が生んだ英雄がアンデルセンだ、「人魚姫」「みにくいあひるのこ」など少ししか彼の作品は知られていないが、デンマーク国家の英雄だ、彼の葬儀には国王も参列したという。
そんなアンデルセンの世界を紹介する「アンデルセンの世界とその作品」の展覧会を逓信総合博物館に観に行く。
まず持って、アンデルセンは文学好きの父とアルコール中毒の洗濯女の母の間に産まれたという、波乱がないわけもない予感がするが的中。
十四歳でコペンハーゲンに出て、十七歳でラテン語の学校に入れられるが、これが元で精神に変調をきたしたという。
どうも北国の人は精神を病む人が多いが、どうにか立ち直ったようだ。
あちこちを旅行して旅行記を発表したり、そのときの経験が後の童話につながったという。
童話というと僕らはグリムを思い浮かべるが、グリム童話は昔話を編集したのに対し、アンデルセン童話は彼の実体験がもとになっている。
たとえば「ナイチンゲール」は、チボリ公園にある中国をイメージした塔を観て思いついたというが、同時にスウェーデンの歌手との恋愛が反映されているという。
あちこち旅したから、旅のスケッチも残すがはっきり行って下手である。
切り絵が趣味で「踊るピエロ」などあらわすが、マティスみたいにはいかない。
この展覧会は世界初公開の「母への手紙」がうたい文句だが、それより、ディケンズへの手紙のほうが面白い。
「ロンドンが好きではない」とか「私は神経質だ」とかあからさまに書いている。
まあ神経質なのは確かで、泥棒を恐れて用心のためロープを持って旅行したというから尋常ではない。
彼の作品では「木の精ドリアーデ」というのが面白いようだ。
何でも1867パリ万博に行って着想を得たようで現代の環境問題にも通ずると解説がある。
デンマークは冬が長い、屋内で生活することが多いから自然と手仕事の文化がうまれる。
ヘデボー刺繍といわれるものもその一つだ。おそらくアンデルセンの母親もそんな文化の中で育ったのだろう。
もうすぐクリスマスーデンマーク的な屋内のクリスマスもいいかもしれない、知られざるアンデルセンの童話を読みながらー。
図録にはデンマーク料理のレシピもある、アンデルセンも食べたのであろうか。
ここがお薦めだそうだ、デンマーク料理。

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