だらだら日記goo編

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年賀状二十枚の贅沢

2005-11-08 22:45:12 | アート・文化
そろそろ年賀状が売り出されている。
形式的なものならば、印刷今ではパソコンソフトでいくらでも作れる。
しかし心を込めて書くとなると一枚一枚悩む。
有名人なのに年賀状二十枚しかつくらないと聞いて、はじめは驚いた。
今考えてみると「形式的」な年賀状は作らないということなのだろう。
画家のバルテュスの奥さんで、晩年は足を痛めた画家に寄り添うようにずっとアトリエでともに生活をした節子・クロソフスカ・ド・ローラという人の生き様を紹介した展覧会を横浜そごうに観に行く。
節子さんそのものが画家でもあるということでその絵も展示されていたがさほどうまくはない。
むしろ日本を愛し猫を愛したバルテュスとの家族愛が感じられるところが素敵だ。
節子さんは着物を愛している、バルテュス見立ての大島紬も展示される。
バルテュスは日常に使われるものを美しく文様化した、たとえば蛇の目文様なんかに感激したという。
そう、節子さんの暮らしも決して気取らない、手作りの良さがある。
たとえば張子の人形だ、娘さんの春海さんのために毎年一つずつ増やしていき、バルテュスも参加した人形劇をやったという。
バルテュスへプレゼントしたちゃんちゃんこなんかもいきだ。
きちんと下絵を描いてつくる、バルテュスのたばこの焼け焦げなんかがあるのがまたいい。
スイスの山荘で、愛に満ちた暮らしをしていたのだろう、バルテュスの絵「猫たちの王」や娘さんを描いたバルテュスの絵なんかも展示される。
バルテュスは2001年になくなったが、娘の春海さん主催で性的虐待を受けた子どもたちのための学校もつくられたという。
いささか理想化されすぎた家族像だが、伝統を重んじ、ものを大切にする心がここにはある。
八王子のナポレオンと対照的な展覧会だがともあれ、バルテュスの絵をもっと観たくなった。
朝日新聞主催だが熊本と横浜でしか開催されないのが惜しい。
ところでここのOCNのブログ、ここのところ緊急メンテナンス工事ばっかりだ。
ネット利用者が増えたのかは知らないが、ネットは結局人間の心には勝てない。