久しぶりに上野に行きました。
JRの公園口を出るとものすごい数の人にびっくり。
平日なのに!
信号をわたった先にある地図で東京都美術館を調べました。
周りにたくさんの美術館やら博物館やらがあって、これまたびっくりさせられました。
目的の東京都美術館に着くと、ここも多くの人でごった返していました。
「福田美蘭展」以外に「ルーブル博物館」に関する特別展、それに「院展」なども同時開催されているためのようでした。
手荷物を無料のロッカーに入れ「福田美蘭展」の会場に入りました。
意外にも、それ程見ている人も多くなく、静かに、ゆっくり、じっくり、一つ一つの作品を見ることが出来ました。
結論から言いますと、「とても面白かったです。」
普通の絵画展とは全く異質の作品ばかりでした。
先日の旅行の際、その日本庭園が有名な足立美術館に立ち寄り、東山魁夷の作品などを見てきましたが、絵から受けるインパクトは今回の方が格段に大きかったです。
東山魁夷の場合、見る前にどんな絵を描く人なのかあらかじめ知識があったからかも知れませんが・・・・。
今回の場合、福田美蘭さんが、ミランさんという女性であることすら知りませんでした。(余りにも勉強不足。)
面白さの一例を挙げれば
「ブッシュ大統領を説得に当たっているキリスト」の絵。
ブッシュ大統領の座っている後ろ窓には、小さく9.11.の世界貿易センタービルのテロの様子が描かれています。
作者のコメントには、「ブッシュ大統領を説得するにはもうこの人しかいないでしょう。」的なことが書かれていました。
西洋の有名な画家の静物画を模写し、その上に添削を加えた絵。
ここは中心がずれている、この果物はオレンジなのかリンゴなのかわからない、白い布の位置関係がおかしい・・・。
などのコメントが、一つ一つ該当部分を丸で囲み、直接絵の上に大きく書かれています。
東京藝術大学などの授業ではこのような絵の添削が行なわれているようです。
「道頓堀」や「ニューヨークの星空」などの作品では平面だけでなく、立体的な工夫も凝らされていました。
他にそのユニークさを挙げればきりがありませんが、
床に展示された、大きな西洋の宗教画のような絵(その上に乗って観賞してくださいとのこと)。
大きなキャンバスが斜め半分に折りたたまれていて、絵を見る方は手で開いて見てください。
とかです。
ジャンルにとらわれない絵は、多くの敵も作っているように思いました。
今年イタリアで見てきた宗教画のようなものや、古来からある日本画・水墨画なども、独自の観点から変形されていました。
それらに対し、私は「面白い!」と思いましたが、美術関係者の中にはそうは思わない方もたくさんいるのでは?
と思いました。
帰りに美術館の前のオブジェで記念撮影。
帰り際、上野動物園の遠足帰りと思われる幼稚園生たちの集団に合いました。
まるで、カルガモのお引越しのような光景に、思わず写真を撮りました。