温故知新No2

静岡県の牧之原市から、盆栽、野球審判、蕎麦打ち、おやじバンド、その他徒然なるままに、ブログしています。

盆栽教室No35

2008-04-05 22:45:40 | 盆栽教室

「黒松植え替え」

盆栽の経験年数が浅い私には、不相応の黒松。

P1010004

その黒松の植え替えを今日の盆栽教室で行った。

その植え替え作業の最初は、なんと針金かけであった。

つまり、もっともいい姿をまず作り出し、その姿を元に鉢に植え替えるのである。

ここは、大事な盆栽。もちろん、講師にやってもらう。

講師は、一番枝の懸がい部分をさらに下に下げ、かつ正面にもっていこうとした。

P1010005 次に、鉢から取り出す作業だが、ちょうどこの鉢は、「陣笠づくり」といって、底が狭く、逆円錐型なので、固定している針金を取り除けば、上にスポッと抜けた。

実は普通の鉢の場合、この作業が大変時間がかかる。

つまり、根が鉢の内側を這うようにビッシリと成長し、鉢に根と土がへばりついているという感じで、なかなか鉢と盆栽を分離できないのだ。

P1010007

出てきた根の部分は、大変良好の状態。(写真がボケていて申し訳ない。)

白く細い根が、ビッシリと鉢の内側を行き場所がないまま、ぐるぐる這い回っていた様子が、よく分かる。

次の作業は、硬くなっている根の部分を土を落としながら、ほぐし、出てきた根をある程度切り詰める。

こうすれば、新しい次の根が育ち、黒松全体の勢いもついてくる。

(実は、この頃からの作業は、私にはまったくの未知の世界。したがって、講師により、作業が行われた。)

P1010010

根を切る作業は、側面ばかりでなく、底の部分も切る。

むしろ底の部分の処理が大事。

植物は、中心から成長しようとする。底の部分の中心には、根が密集している。しかも、太い根が結構あった。

P1010011

講師に、根の処理をしていただいているあいだに、私は、鉢の準備。

盆栽を取り出した鉢を洗い、底の穴をネットでふさぎ、底から固定用の針金を出しておく。

次に、赤玉土3、桐生砂1の割合で混ぜ合わせた土を入れる。

この場合注意することは、中心は少し多めに土をいれ、盛り上げるようすること。

P1010012

つまり、先ほど書いたように、根の中心は、成長がいいので、植え替えるとき、盆栽の底の中心部を余分に切り取り、へこんでいるためである。

次の作業は、盆栽を鉢にすえつけるもの。

この作業は大変デリケートなものである。

単に素材を鉢にいれ、後は土で固定すればいい、というものではない。

まず、鉢には、正面がある。特に、今回のような丸い鉢は、どこが正面が分かりずらい。

実際、正面はないのかもしれない。しかし、鉢の微妙な色合い、手作りによる微妙な形のずれ、など、素人目には、よく分からないところである。

それと、盆栽の素材には、どれも正面と裏がある。冒頭、今回の一番最初の作業が、針金かけと記述した。

この針金により、この松は現在一番いい姿となっているので、その一番いい姿で見せられるよう、鉢にすえつける位置を考える。

講師は、今回、幹の中心部を、鉢の中心部からわざと外しすえつけた。しかも、より懸がいに見せるよう、ぼんさいを少し傾けて固定した。

最後は土をいれて完成。

ただ、土を入れるのも、単に入れればいいというものではなく、入れた土と鉢の間をしっかり埋めるよう、先の細いドライバーのようなもので土を突く。

そうすると、土が閉まり、隙間がなくなる。最後土の表面をコテで抑えて固め、終了。

P1010014

所要時間は、約45分であったが、講師は途中、他の生徒の盆栽を見ていながらの作業だったので、実質30分ほどでできた。

このごろ盆栽の土の作り方、という本を講師から借り読んでいるが、その中でもっとも重要な指摘は、根が呼吸をするための酸素の供給、つまり、土の中の酸素の保有を如何に保つか、ということであった。

盆栽の土の植え替えというものは、この酸素の再供給をするためのものであると考える。

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