浜松の演奏会の会場は、音楽室。
したがって、音響はよく、マイクもほとんど使わなく、歌うことができた。
最初は、定番の「夢の中へ」から。室内の皆さんの中には、歌詞カードなしに歌っている人もいた。これにはびっくり。
しかも、まだ20代と思える若い人。この最初の曲の手ごたえで、もう後のことは何にも心配ないと、感じた。
その後は、予定通り「戦争を知らない子供たち」「今はもうだれも」を歌のうまさはどうであれ気持ちよく歌う。
曲と曲の間には、会話をはさむつもりであったが、いざ演奏をしだすと、結構曲に集中し、会話が少なくなってくる。
次は、かぐや姫タイム。10月に聞いた南こうせつコンサートが良かったことをかろうじて伝え、「うちのお父さん」「ひとりきり」そして、今回、高次能機能障害の皆さんに贈りたかった曲「けれど生きている」を歌う。
ただし、歌っていながら皆さんの顔を、姿を見て思ったのは、けれど生きている!などとわざわざ歌わなくても、皆さんは、人生を雄雄しく生きている。
かえって、そんな曲を贈るなどといった私自身が、障害者と私との垣根を勝手に作っていると気づいて、恥ずかしくなった。
その後は、「なごり雪」を歌い、後半へ。
今回、初めて歌うことになるが、お気に入りの「轍(わだち)」を、アルデンテS山氏、N藤氏と気持ちよく歌う。
また、「見上げてごらん夜の星を」「千の風になって」は、女性陣の絶妙なハモリで、皆さんを引き込む。
あとは、いつもながらの「栄光の架橋」、そして、歌詞カードも渡っていて、皆さんと一緒に「世界に一つだけの花」を歌い終了へ。
終わったあと、なんとなく私たち茶レンジバンドの面々も、そして、室内の皆さんも、アットホームな雰囲気の中で、終了したことにホットしていて、動くことなくそのままでいたら、どなたかが、アンコールといってくれた。
最終の練習日、冗談交じりにアンコールの場合どうする?といっていて、万一の場合は、110番ソングでも歌えばいいや、といっていたのだが、それが現実となった。
そんなにいい演奏ではなく、むしろ、ミスが多く気になっていたが、そんなことはともかく、音楽室内の雰囲気はよく、そんな感じを汲み取って、どなたかが言ってくれたのだろう。
というわけで、茶レンジバンドのこのごろの定番、「110番ソング」を作成者N藤氏を筆頭に歌いエンディング。
終わったあと、やはり、みんなの反応が気になっていた。体を動かしながら一緒に歌っていてくれた。でも、本当に満足だったのだろうか?
でも、その回答がすぐに確かめられた。
帰りがけ、椅子に腰掛けていたときにはまったく気づかなかったが、片手用の松葉杖をついた足の不自由な女の子が、話しかけてくれ笑顔で楽しかったよ!といってくれた。
もうこれで、練習から今日までの一連の騒動(?)は満足に終了。
無謀転じて吉となるである!