田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台(Un triomphe)

2022年08月18日 18時58分11秒 | 日記

The Big Hit (Un triomphe) - Cineuropa

The Big Hit de Emmanuel Courcol (2019) - Unifrance

Media - Un Triomphe (Film, 2020)

 刑務所の囚人たちに演技を教えることになった俳優の奮闘を描いたフランス発のヒューマンドラマ。スウェーデンの俳優ヤン・ジョンソンの実体験をもとに、実在の刑務所で撮影を敢行した。売れない俳優エチエンヌは、刑務所の囚人たちを対象とした演技ワークショップの講師を依頼される。サミュエル・ベケットの戯曲「ゴドーを待ちながら」を演目に選んだ彼は、一癖も二癖もある囚人たちに演技を指導していく。エチエンヌの情熱はいつしか囚人たちや刑務所管理者の心を動かし、実現は困難とされていた刑務所外での公演にこぎつける。彼らの舞台は予想以上の好評を呼んで再演を重ねることになり、ついには大劇場パリ・オデオン座から最終公演のオファーが届く。「クイーンズ・オブ・フィールド」のカド・メラッドが主演を務め、「アルゴンヌ戦の落としもの」のエマニュエル・クールコルがメガホンをとった。2020年・第73回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション。(映画.comより)

 

 

<2022年8月11日 劇場鑑賞>

 この映画って、「圧巻のラストに、あなたは言葉を失う!」とか「ラスト20分。感動であなたはもう席を立てない!」とか言うキャッチフレーズがついているんです。それで、11日三つ目の映画を決める時に「ボイリングポイント」とだいぶ迷ったんだけど、自分は味オンチでおいしいものもロクに知らないし、料理にもほとんど興味がないので、見てもわからんだろうな、それよりは万人受けする感動ものにしておくか、と思ってこちらを選びました。結果が見えたようなものでも感動する単純人間だし。

 しかしながら、結論から言うと、ちっとも感動しなかった。ラスト20分、なるほどフランスではああいうことに感動するのね。文化の違いを感じます。

 お話は、割とある感じ。売れない役者エチエンヌがバイト代わりに刑務所(字幕では少年院とも訳されていました)での更生プログラムに出向きます。有志で演劇を披露しようというもの。素人相手に、エチエンヌもやめておけばいいのに、演目はサミュエル・ベケットの「ゴドーを待ちながら」を選びます。この辺が「俺は腐ってもプロの役者なんだ」という自負が見えますね。ともかく、こんな難しい(演じるのに難易度はないのかもしれないが)演目に挑み、あらゆる障害に直面してしまう男の話です。 

 もちろん、彼の熱意と、根はいい人たちな囚人のおかげで、その素人さも手伝ってか、舞台は大成功を収めます。そして、各地から”模範”として招かれ、彼らはその演目一つで国中を巡演するのです。そして!とうとうパリのオデオン座から最終公演のオファーが届くのです!

  

 

<ここからネタバレ>

 最後は涙ウルウルの圧巻の演技かと思いきや、違うのです。あまりのプレッシャーに耐えられなくなった囚人たちは逃げ出してしまい、公演開始時間になっても誰一人現れません。虚を突かれたエチエンヌ。もう、どうすることもできません。満員御礼のオデオン座は、大臣まで来ているのです。一人、舞台に出たエチエンヌは、滔々と語り始めます。自分が彼らのためにどれほど頑張ってここまで来たか。また、一般には囚人と呼ばれる彼らがどれだけ普通に素敵な人たちか。そして彼らにとって今日はどれほどプレッシャーが大きかったか、など。逃げてしまった彼らが、本当にプレッシャーのあまり、一時的に雲隠れしてしまっただけなのか、あるいはこの機会を逃がさずに本当に逃亡してしまったのか、そこまでは描かれません。ただ、大真面目に演説を披露したエチエンヌが拍手喝采を受けただけです。映画はそこで終わり。

 私にとっては「えぇぇ~」って感じでした。私なら、高いお金を払って演出家の言い訳なんか聞きたくない。やっぱり彼らの演技を見たい。わざわざ時間を取って、おしゃれして来てるのにって思うのは私だけ?これって、他の国でも同じ展開になったんだろうか。ちょっと私には理解できない感じでした。でも、実話として世界各地で上演されているらしいから、どこの国でも受け入れられてるってことなんでしょうね。芸術を肌で理解しない私がダメなのかもしれません。

 とまぁ、こんな感じの映画でした。残念でした。

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