「トイ・ストーリー」「モンスターズ・インク」「リメンバー・ミー」など数々の独創的な作品を世に送り出してきたピクサー・アニメーション・スタジオが、火、水、土、風といったエレメント(元素)の世界を舞台に描く長編作品。
火、水、土、風のエレメントたちが暮らすエレメント・シティ。家族のために火の街から出ることなく父の店を継ぐ夢に向かって頑張っていた火の女の子エンバーは、ある日偶然、自分とは正反対で自由な心を持つ水の青年ウェイドと出会う。ウェイドと過ごすなかで初めて世界の広さに触れたエンバーは、自分の新たな可能性、本当にやりたいことについて考え始める。火の世界の外に憧れを抱きはじめたエンバーだったが、エレメント・シティには「違うエレメントとは関わらない」というルールがあった。
監督は「アーロと少年」のピーター・ソーン。声の出演はエンバー役に「ハーフ・オブ・イット 面白いのはこれから」のリア・ルイス、ウェイド役に「ジュラシック・ワールド 新たなる支配者」などに出演したマムドゥ・アチー。日本語吹き替え版ではエンバー役を川口春奈、ウェイド役を「Kis-My-Ft2」の玉森裕太が務める。短編「カールじいさんのデート」が同時上映。(映画.comより)
<2023年8月13日 劇場鑑賞>
田舎なので吹き替え版のみの上映でした。「マイ・エレメント」本編前に「カールじいさんのデート」という短編がついてます(写真3枚目)。映画館では、私の近くで(最後列)短編はCMだとでも思っていたのか、一緒に見ている子供が注意したにもかかわらず、ずっとスマホをつけて何かしている男性がいて、しまいに子供が、お父さん側になにかをつい立てて明かりを遮る態度まで見せていました。それでも明々とつけたまま何かしています。カールじいさんの話はどんどん進んでいきます。たまらず「すみません。これも本編です」と注意してしまいました。子供だってかわいそうです。大人はもっと周りに注意を払いましょう。
さて、余計なことをすみませんでした。「マイ・エレメント」です。きれいな画。お手本のようなド直球なお話。なるほどこう来たか、と思いました。これほどヒネリのない話は久しぶりかも。そして、みんないい人。安心して見ていられる映画でした。なにより、本当に画がきれい。鮮やかで細かい動きも美しく表現されていました。
火・水・土・風、それぞれのエレメントは独立していて、お互いに干渉せず共存しています。ただ、違うエレメントどうしは一緒にはいられません。たとえば、水は火を消してしまいますし、火は他のものを燃やしてしまいます。でも、そんな中でも、水の男の子が火の女の子に恋をするのです。エレメントにも性別があるのね(笑)。水の男の子は裕福だけど、水なので家族全員が涙もろい。すぐに泣く。ラストで火のお父さんが、娘に「本当に彼でいいのか」と心配そうに尋ねるシーンはウケました。確かに、ふたりで出発するだけなのに、彼は母親と抱き合っておいおい泣いていましたから。
火のお父さんは、自国からエレメント・シティに出て来て、苦労して今のお店を成功させました。一人娘に継いでほしいと思っています。彼女もそうするつもりでした。でも、出会いはふいに訪れます。水の男の子はかなり積極的に彼女にアピール。彼女の両親にいい顔されなくても、あの手この手でアピール。簡単には諦めません。水の家族は、彼女が火の子であることを気にしていない様子。いろいろあるんですね。
話はもちろんハッピーエンドなのですが、そこに行くまでの紆余曲折を乗り越えたのは、水の男の子の強い意志。やっぱり、男性にここまで求められないと、女性って決心つかないよね、とか思いました(笑)。彼が優柔不断な男だったら、成就しなかったでしょう。自分から能動的に愛することも大事ですが、愛されることも必須です、女性は。そう思った映画でした。古風?
Pixer の新作としてはイマイチ…