田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

楽園からの旅人(Il villaggio di cartone)

2013年09月10日 22時22分46秒 | 日記

 

 カンヌ映画祭パルムドール受賞作の「木靴の樹」(1978)などで知られるイタリアの巨匠エルマンノ・オルミが、人生最後の長編映画として手がけた「ポー川のひかり」(2006)から5年、前言を撤回して新たに撮り上げた自身の集大成ともいうべき現代の黙示録。イタリアのある町で、取り壊されようとする教会に、長年にわたり神の愛を唱え続けてきた老司祭がひとり残っていた。そこへアフリカから長い旅をへてやってきた不法入国者の一団が訪れ、小さな村が形成される。やがて身重の女性が出産し、キリストの誕生を思った老司祭は祈りをささげるが、何者かにより不法移民の存在が密告されてしまい……。(映画.comより)

 

 

 「ポー川のひかり」を見たように思っていたのですが、なにか、似たような作品と勘違いしていたようです。「木靴の樹」も未見だし、そう考えると、この監督には今までご縁がなかったということになります。今回、どうして見ようと思ったのか。時間がぴったり合った、というのももちろんですが、なにか「見てみよう」と思わせるものがあったことも確かです。そのチラシや予告で。

覚悟していたとはいえ、かなり観念的な映画でした。哲学的ともいうのでしょうか。特別な説明はありません。ただ、かなり老朽化した教会が取り壊されつつあり、それに抵抗する老司祭がいる。でも、取り壊しは決まっているので、老司祭は「見苦しいことはやめなさい」などと役人に言われたりもしている・・・そんな感じです。

そんなある夜、難民を乗せたまま難破した船から、助かった人々がこの教会に逃げ込んで来ます。老若男女さまざまで、怪我をしている人もいれば、妊婦さんもいます。そして、彼女は教会で出産。同じように助かった女性が取り上げます。

驚きながらも人道的に対処する老司祭。しかし、司祭さんもかなり体調が悪い模様。医者が出入りしています。

外では不穏な音(爆撃音など)。戦争中?時代設定の説明はないので、単に普遍的な描写として、人々の争いを暗示しているのかもしれません。

ともかく、追い詰められた人々ばかりで、見ている私達は「大丈夫なのかな」と気をもむのですが、難民たちは手慣れたもので、一晩で教会の中にテント村を作ってしまいます。

しかし、そこへ地区の保安委員が不法移民の取り締まりに。密告者がいたのです。老司祭は神の家を守り、全力で抵抗します。

舞台はイタリア。しかし、アフリカからの難民にとっては、これから先の希望があるわけではありません。危険を冒して彼らを保護している老司祭の心配をよそに、「フランス行きのチケットがあるよ」と売りに来た男の誘いに乗り、翌日にはさっさと行ってしまう彼ら。中には「ここでは終わるだけだ」と、アフリカへの帰還を決めた者も。

老司祭は「善は信仰に勝る」とつぶやき、「歴史という物語が私達を変えるか。私達の物語が歴史を変えるか」と、監督の声が聞こえます。

監督は、人間の「善」を問いたかったのでしょうか。果たして彼ら、難民たちは弱い存在なのか、タフなのか。そして、これから司祭はどうするのでしょうか。な~んにもなくなった教会で。

あまりに観念的過ぎて、私にはよくわかりませんでした。もちろん、よくできた映画であることは間違いないのですが、私が平和ボケしているのでしょう。

みんなが仲良く、平和に暮らせたらいいのに。

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