グッド・ナース（The Good Nurse）

　ジェシカ・チャステインとエディ・レッドメインが共演し、殺人容疑をかけられた看護師と真実を求めて奔走する同僚の姿を、実話をにもとに描いたサスペンス。

シングルマザーの看護師エイミーは自身も心臓病を抱えながら過酷な夜勤を続け、心身ともに限界を迎えていた。そんな折、彼女の部署に親切な同僚チャーリーが配属される。2人は友人として固い絆で結ばれ、エイミーは彼のおかげで自分や娘の未来に希望を持てるようになっていく。しかし病院でインスリンの大量投与による患者の突然死が相次ぎ、チャーリーがその第一容疑者として浮上する。

チャールズ・グレーバーの著作「The Good Nurse」を原作に、「ある戦争」のトビアス・リンホルムが監督、「1917 命をかけた伝令」のクリスティ・ウィルソン＝ケアンズが脚本を手がけた。Netflixで2022年10月26日から配信。一部劇場で10月21日から公開。（映画.comより）

 

 

＜2022年12月11日　Netflix鑑賞＞

　マジ怖かった・・・。前半は、シングルマザーのジェシカ・チャスティンが、二人の幼い娘を抱えてヘロヘロになっている姿が活写（？）され、見ているこちらも辛かった。しかも、よくある設定と言ってしまえばそれまでですが、無理をしているからか、ジェシカは心臓も悪いのです。でも、生活は一杯一杯で、夜勤を減らすことなどできませんし、たくさん働かなければならないから、ベビーシッターも雇わなければならない上、自分の医療費だってバカになりません。しかも、少し大きい上の娘には「ママはいつもいない！」と言われてしまいます。お金はない、休めない、こんな八方塞がりな状況、同じ女性として理解できるだけに、見ていて呼吸が止まりそうでした。ついでに言うと、ジェシカは最近転職したのか、勤務が1年未満でまだ保険がないのです。なんとか1年を過ぎれば、手術ができるかもしれないのですが。

　そんな壊れそうな彼女の前に、新任の看護師がやって来ます。これまでにいろんな病院に勤めていたという経験豊富な彼は、優しい物腰で本当に仕事にも慣れているようです。演じるはエディ・レッドメン。いかにも優男ですね。上品な感じだし。ジェシカにも優しくしてくれるので、彼女もそのうち心を許すようになります。子供ウケもいい。面倒見もいいんですね。しかしそのうち、その病院で急に患者さんが亡くなるケースが増えてきます。なんで？って感じです。最初は、年輩の女性が亡くなったりするものですから、みんな「そうなかぁ」と思っているのですが、さすがに立て続けに亡くなったうえ、若い人まで混じって来ると、捜査が入ります。

　徹底的に保身に走る病院側と、捜査を命じられて調べなければならない刑事側との駆け引き。圧倒的に不利で手がかりを得られない刑事側は、なにかのきっかけで、同僚のジェシカと話す機会を得、最初は「あんないい人を疑うなんて」と思っていたジェシカも、おかしいと思い始め、協力するようになります。マメに職場にいる（しかもこの頃はジェシカの自宅にも出入りするようになっていました）エディに、いかに気付かれないように証拠を集めるか。この辺はエディが神出鬼没に現れたりするので、ハラハラしました。しかも、これは私だけかもしれませんが、そんなことが本当にあるのかな、最後には大どんでん返しがあって、彼はやっぱりいい人なんじゃないのかな、と最後まで疑いの目で見ていました。

 

 

＜ここからネタバレ＞

　エディ・レッドメンは、やっぱり不届きものでした。一種の病気なのかもしれません。多分、本当に優秀な看護師なんです。それほどの悪意もなく、淡々とやってしまってたのでは？とも思いました。俗にいう「心の闇」はわからなかったのですが、病院側がいつも隠ぺいするので、転職するたびにうやむやになり、結果的にここまで放置してしまった、と言うのが事実みたいです。一説によると、400人以上を殺害したのではないかとも言われています。怖いですね。

 

＜ネタバレ終わり＞

 

　私は基本的に人を疑わない人間なので、ましてや経験豊富な看護師だと、信用してしまいます。彼は優しかったし。忙しくて疲れていて、一人で子供の面倒も見なければならなかったら、私もきっと彼に心を許していたでしょう。それだけに、この映画は心底怖かったです。だからといって、性格は変わらないと思いますが。