夕方5時過ぎ、まだ陽が差している中、散歩に出かけた。山蔭に小さな児童公園がある。日曜日ではあるが、暑いからだろうか誰一人として遊んでいない。そんな公園を横目で見ながら通り過ぎ、しばらく歩いたところでUターンし、来た道を引き返した。
先ほどの児童公園に近づいたとき、ポーン、ポーンと断続的に音が聞こえてくる。子供が遊んでいるのだろうと思いながら見ると、小学3年生くらいの男の子が赤いバットをもって、黄色の多分テニスのボールであろう、下から投げてもらったボールを打っている。
そのボールを投げているのは、なんと70歳くらいの白髪で少し腰が曲がりかけたお爺さんであった。暑い中、野球の好きな孫に付き合わされてピッチャーをしている。3球に1球くらいが、いい当たりで遠くまで飛んでいる。あとの2球は、空振りや打てるような好球ではない。
バケツいっぱいに入れたボールがなくなると、2人で拾い集めて、また同じことを始めている。遠くから私はしばらくその様子を見ていた。お爺さんの孫であろうが、たった2人だけでやるバッティング練習は、その昔、若かったころに息子を相手にやったことがあるが、結構体力がいる遊びであった。
そんなことを、お爺さんが、しかもこの暑さの中で一生懸命付き合ってやっている。よく見ると、子供はプラスチック製のバットを持っているので、まだ本格的に野球をやっている段階ではなさそうである。それでも将来野球がやりたいのであろう。
バッティングの練習に余念はない。あ爺ちゃんの体力なんか、眼中にはなさそうだ。それに応えるべく、お爺ちゃんは曲がった腰を時おり伸ばしながら、ボールを投げているが、結構制球力があっていい球を投げている。
あのイチロー選手だって、始めはみんなこういった練習から始まったに違いない。このお爺さんも将来は「イチロー パパ」と同じような呼び方で「○○爺」と呼ばれるかもしれない。それにしても暑い中「爺ちゃんはつらいよ」。がんばれ爺ちゃん!!
バケツ一杯のボールとまでは行かなくても、12個のソフトボールをひっ提げて公園へ。
まさに12個を打ち終わったらボールを拾い集めてまた打たせる。
次はピッチング練習。段々彼のスピードが上がって来て、今ではキャッチャー面を付けないと恐ろしくてやってられなくなりました。ジージは辛いのだ・・・。
でもあと10年もすれば、1億円の契約金の一部が懐に入るかもしれません。
それを励みにこの夏も頑張ってください。爺ちゃんはつらいよ。