写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

少子化の背景

2011年05月20日 | 生活・ニュース

 新聞に慶応大学の津谷典子教授による、少子化の背景を分析した記事が載っていた。少子化の背景は、晩婚化と既婚者の出生率の低下に整理できる。問題は、ここ数十年の晩婚化・非婚化傾向が著しいことだいう。
 
 1950年には、40代前半の未婚率は男女とも2%と、ほぼ皆婚の状況であった。しかし、2005年時点では、この世代の未婚率は女性で12%、男性で約22%となり、特に男性の未婚率の上昇が著しい。
 1980年の段階では約5%に過ぎなかったものが、90年に12%、95年に16%、2000年で18%と上昇を続け、社会構造の急速な変化をうかがわせるものとなった。
 
 背景として、90年代以降の経済不振による若年層の雇用機会の低下や、非正規労働者の増加があり、他方で女性の社会進出やライフスタイルの多様化の影響が指摘されている。
 非婚化は少子化に直結するが、これに歯止めをかけるには、若年層の就労環境を改善することが重要だと分析している。
 
 この記事を読んでみたが、分析結果に今一つ合点がいかない。まずは我が家の毎度おなじみの次男坊。学校卒業以来、正規労働者として曲がりなりにも会社勤めをしている。自立して生きていける条件は整っていると思われるが、一向に結婚する気のないまま30代前半を終えようとしている。会社の同僚にも、そんな連中が結構いると言う。
 
 そうしてみると非婚化は教授の分析結果だけではなく、他の要因も大いにあるのではなかろうか。その一つは、独り身にとって今ある環境が居心地がよすぎるということが考えられる。何と行っても、寮住まい、食事付き、掃除付き、拘束なし、自由気まま、誰からも文句を言われない。

  結婚したくても出来ない人がいる一方、結婚するしないは個人の自由などと言って、結婚できるのにしない人がいる。少子化という面から見れば、社会に対し若干非協力的な行動をとっているといえるかもしれない。お~い次男坊よ、そろそろ結婚を考えてみろよ。結婚って、いいもんだよ???  奥さんの手前一応、こう言っておく。