写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

振り向けば……

2014年06月09日 | 生活・ニュース

 4月5月は破竹の勢い、セリーグで断トツを突っ走っていた広島カープ。何を思ったか、セパ交流戦に入った途端に急ブレーキを踏んだ。交流戦に限っては6月8日現在、セパ12球団中で最下位とは、これ如何に。冗談がちょっと過ぎはしないか。

 その上、ここ数試合の負けっぷりが華々しい。序盤に10点近くの大量点を取られての惨敗が続いている。セリーグ随一といわれていた投手陣が新聞紙上では「投壊」とまで揶揄される始末。「振り向けば君がいる」ではないが、既に首位の座は巨人に明け渡し、振り向くと直ぐ後ろに阪神・中日がぴったりと付いている。

 心身ともに湿り切った梅雨の晴れ間、広島のデパートに買い物に出かけた。催し物会場では「新潟・長野の物産展」というものをやっていた。この日は広島3大祭りである「とうかさん大祭」の日ということもあって、会場も浴衣姿の家族連れやカップルで賑わっている。

 長野県の物産展の中で、おもしろいものを見つけた。大小いろいろのフクロウの木彫りである。単なるフクロウではない。5角形をした縦型の木彫りの鳥かごの中に、網目よりも大きなフクロウが入っている。鳥かごは、張り合わせたり接着したところは全くなく、丁寧に仕上げられたフクロウは鳥かごの外から適当に彫ったようには見えない。

 「どうやってフクロウを鳥かごに押し込むことが出来たかは、買った方が考えながら楽しんでください」と言われて一つ買って帰った。構造が興味深いばかりでなく、もう一つ買った訳がある。パンフレットに「フクロウは不苦労、福朗、福久老、福籠」と書いてある。 

 これを拝めば「苦労することなく、朗らかに、老後は久しく幸せで、福をこもらせることが出来る」と書いてある。はてさてこのフクロウ、カープをいばらの道から抜け出させ、朗らかに優勝という福をこもらせることが出来るや否や。福籠のご利益はこれいかに。カープの優勝を祈って、年金生活の割には大枚をはたいてみた。あいたたたっ。

広島三大祭り 浴衣の着始め